写真展告知

ロベール・ドアノー写真展:第2部 “永遠の3秒”の原点

地下鉄オペラ駅の恋人たち、パリ 1950年 ©Atelier Robert Doisneau/Contact

富士フイルム株式会社は、フランスの国民的写真家とも称されるロベール・ドアノーの写真展「“永遠の3秒”の原点」を、10月31日(木)から開催する。

2部構成で開催された写真展の2部目。第1部の「パリ郊外 ~城壁の外側~」は、8月29日(木)~10月30日(水)期間で開催されていた。

1951年に、ニューヨーク近代美術館で開催された《5人のフランス人写真家》展の出品作家に選ばれたロベール・ドアノーによる写真展。

第2部では、写真家ロベール・ドアノーの「職業写真家」としての側面に焦点を当て、代表作の背景を再考することで、ドアノーが生きた時代の写真とメディアの歴史を提示していく。

作品は、フィルムで撮影された六切、小全紙 モノクロ、カラー38点を予定。なお、モノクロ作品については銀塩印画紙を使用したオリジナルプリント、カラー作品は今回の展示用に制作した「銀写真プリント」を使用しているという。

加えて、写真展開催を記念し、ドキュメンタリー映画「パリが愛した写真家/ロベール・ドアノー <永遠の三秒>」を上映する。

フジフイルム スクエア 写真歴史博物館では、フランスの国民的写真家とも称されるロベール・ドアノー企画写真展の第2部「“永遠の3秒”の原点」を開催します。
「今まで成功した写真はせいぜい300点。1点が1/100秒だとすると、50年でたったの3秒だ」(ロベール・ドアノー)。パリ郊外の労働者階級の家に生まれた子どもたちの例にもれず、十代から働いていたロベール・ドアノーにとって「写真を撮ること」=「生活の糧を得ること」でした。その作品が評価され名前が知られるようになっても、一貫して「職人」という立ち位置を崩すことなく、粛々と写真を撮り続けました。その生涯を通じて撮影された約45万点の写真の大半は依頼された仕事のために撮影されたものと言われており、現在ドアノーの代表作として知られる多くの作品も例外ではありません。

本展は、“職業写真家としてのロベール・ドアノー”に焦点を当て、当時の雑誌や広告の仕事から精選した38点を展示します。時代や国境を越えて愛され続ける「パリ市庁舎前のキス」は、1950年米国のグラフ雑誌『LIFE』から「パリの恋人たち」というテーマで依頼を受け撮影され同誌に7点の組写真として掲載された1点でした。この作品が一気に注目を浴びるようになったのは、それから約30年後のことでした。1979年に刊行された写真集『永遠の3秒(trois seconds d'éternité)』に掲載されたことが契機となり、この写真のポスター、ポストカードが販売され世界中に知れわたることになったのです。

ロベール・ドアノーが写真家を志した1930年代、写真の仕事には多くの技術が求められる時代でした。多くの可能性を持つ“新しいメディア”でもあった写真に魅入られたドアノーは、仕事という枠組みの中で「不服従と好奇心は写真家の原動力」という自らの哲学を実践し、独自の視点による写真を撮り続けました。本展では、産業カメラマンとして働いていたルノー社での仕事、『LIFE』、『ポワン・ド・ヴュ(Point de Vue)』、『ル・ポワン(Le Point)』といった雑誌に掲載された作品、さらに広告のために撮影された作品を一堂に展示します。

写真展情報

組み立て作業 1946年 ©Atelier Robert Doisneau/Contact
パリ市庁舎前のキス 1950年 ©Atelier Robert Doisneau/Contact
ピカソのパン、ヴァロリス 1952年 ©Atelier Robert Doisneau/Contact
シムカの広告 1955年 ©Atelier Robert Doisneau/Contact
シムカの広告、アロンド 1951年 ©Atelier Robert Doisneau/Contact

会場

FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館

開催期間

2024年10月31日(木)~12月26日(水)

開催時間

10時00分~19時00分(最終日は14時00分まで/入館は18時50分まで)

休館日

会期中無休

トークイベント

11月4日(月・振替休日)16時00分~18時30分(受付:15時30分~)

主催

富士フイルム株式会社

後援

港区教育委員会

企画協力

アトリエ・ロベール・ドアノー

企画

コンタクト

作者プロフィール

1912年、パリ郊外ヴァル・ド・マルヌ県ジャンティイ生まれ。石版工の技術取得のためパリのエコール・エスティエンヌで学んだ後、写真家アンドレ・ヴィニョーの助手となる。1934年、ルノー社に産業カメラマンとして入社。1939年、フリーとして活動を開始。パリを中心に庶民の日常をとらえた写真で高い評価を得、現在でも世界中で愛され続けている。1951年には、ニューヨーク近代美術館で開催された《5人のフランス人写真家》展の出品作家に選ばれる。1992年、オックスフォード近代美術館で大回顧展を開催。1994年没(享年82)。ニエプス賞(1956年)、フランス写真大賞(1983年)など受賞多数。