写真展告知

安達ロベルト写真展:Five Seasons

©Robert Adachi

永い間、繰り返しが嫌いでした。学校は同じようなことの繰り返し、会社勤めの父とそれを支える母は同じような日々の繰り返し。自分はそうはならないぞと大学卒業後に作曲を志し、変化に富む和声にあこがれて曲を書き、不安定な生活に必死になりました。転機は子どもを持ったときでしょうか。それまで退屈に思えていた当たり前な毎日の繰り返しが、尊いものと感じられるようになりました。少しずつかたちを変えながらも繰り返すもの。日本の季節を梅雨という雨期を合わせて五季だと感じ始めたのもその頃です。そんな視点で世界を見直している矢先にあった3.11。長く続く余震と寒さに、このまま春が来ないのではないかとさえ思いました。しかし、季節は繰り返し、木々が一斉に芽吹き、花々が咲いたのでした。それをきっかけに毎年少しずつ、五季の繰り返しの妙をフィルムに収めてきました。

写真家であり、作曲・絵画・演劇など幅広いアートシーンで活躍する安達ロベルトが、日本の季節の移り変わりを独自の視点で捉えた作品群を展示します。主にライカで撮影されたゼラチンシルバープリント約10点。

写真展情報

会場

KKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)
東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル405

開催期間

2019年2月20日(水)~3月9日(土)

開催時間

15時00分~21時00分

休廊

日曜日、月曜日、火曜日

作者プロフィール

1969年生まれ。
上智大学法学部国際関係法学科卒業。
人がどのようにものごとをつなげ、創造するかに常に関心を持ち、十代で外国語、プログラム言語、アートを学び、大学で国際法、国際問題を学び、22歳で作曲を始める。32歳のとき独学で写真を始め、翌年には雑誌の記事を担当。アナログ作品を軸に制作しつづけており、国内外で写真展を多数開催し評価される。
主な出版に、写真集「Clarity and Precipitation」(arD)がある。ファインアートの分野で国内外での受賞多数。コーヒー、メディテーション、自転車ライドを愛する。