写真展告知

石井陽子写真展:LIFE

奈良市は約36万人の人口を擁する県庁所在地ですが、春日山原生林や奈良公園が広がる、緑豊かな街でもあります。

767年、平城京鎮護のため武甕槌命(たけみかづちのみこと)が鹿島神宮から春日大社に降臨されました。この時、白鹿に乗って来られたといういわれから、奈良の鹿は神の遣いとされています。

神鹿の末裔である奈良の鹿たちは、人の街を自由に闊歩しながら、森で眠り緑を食んで自然の恵みを享受しています。しかし、時に自然は試練を与えます。

ある夏の昼下がり、にわかに豪雨が降りはじめ、奈良公園を流れる吉城川は、穏やかな小川から激しい濁流へと姿を変えました。一頭の雌鹿が、滝のような雨の中を歩いてきました。子鹿とはぐれたのでしょうか。彼女は、土手を下って、荒々しく流れる川の中に入っていきました。

しばらくすると雌鹿は川から上がり、流れを見つめていましたが、やがて立ち去っていきました。

人は、森を街に変え、芝生を植えて公園を作りました。

しかし、荒ぶる自然に耐えて、生き延びさせるのは、天が授けた英知である動物の本能なのかもしれませんし、使者として遣わされたこの生き物を見守る神なのかもしれません。

この写真展では、奈良市に生きる鹿の自然の恵みと試練の中で生きる姿を描いています。

写真展情報

会場

Mirage Gallery
神戸市中央区北長通3-9-10 青柳ビル303号室

開催期間

2018年1月13日(土)~2月4日(日)

開催時間

12時~18時

休廊

月曜日・火曜日・祝日

アーティストトーク&レセプション

2月3日(土)18時~

作者プロフィール

山口県生まれ。神奈川県在住。2011年3月より、奈良、宮島などで人の街に棲み、人間たちの決めた境界線を軽やかに越えて街を闊歩している鹿たちを捉えたシリーズを開始。2013年の第一回六甲山国際写真祭に参加したことをきっかけに、国内外のメディアで作品が紹介されるようになる。2015年12月リトルモアより写真集「しかしか」刊行。
2012年2月 第10回御苗場と2014年2月第14回御苗場でレビューワー賞ノミネート。
2014年2月 米・フィラデルフィア Onward Compe ファイナリスト
2014年8月 マレーシア・ペナン OBSCURA Festival of Photographyで展示。
2014年12月 カンボジア・シェムリアップ Angkor Photo Festival スライドショー上映。
2016年1月 銀座ニコンサロンで個展「境界線を越えて」開催
2016年2月 大阪ニコンサロンで個展「境界線を越えて」開催
lensculture、Fature Shoot、Wired.com、The Independent、Le Mondeなど海外のWEBサイトで作品掲載。