イベントレポート
ユーザーがカメラの魅力を語り合う「PEN-Fオーナーズミーティング」
PENデザイン展も同時に開催
2019年7月12日 15:34
オリンパスの最初のミラーレスカメラ「OLYMPUS PEN E-P1」の発売から10年。それを記念し、オリンパスプラザ東京で「OLYMPUS PEN WEEK」が開催された。今回はそのうち「第5回 PEN-Fオーナーズミーティング」の様子をレポートする。
このミーティングは、PEN-Fを所有するユーザーを対象に参加者を募り、ゲストにコムロミホさん、中藤毅彦さん、大門美奈さんという3人の写真家を招き、PEN-Fの魅力や参加者によるディスカッションなどを行うイベント。約1年半ぶりの開催となり、15人の参加者が集った。
つきないPEN-Fの魅力とは
まずは、隣接されたギャラリーで同時期に開催されていた写真展「OLYMPUS PEN 10人展 『私とPENの10年』」を鑑賞。PENシリーズを使う10人の写真家が、3点ずつ作品を持ち寄った展示だ。
10人それぞれが別の被写体・コンセプトで展示していたため、カラフルで明るい写真もあれば、重厚なスナップもあるなど、趣向が大きく違う作品群が並ぶ。しかし、なぜかバランスよく収まっているようにも見えるのが興味深い。入口から順番に見てもいいし、気になった作品から見てうろうろと回ってもいい。PEN-Fが持つ、型にはまらない魅力が現れているようだ。作品の自由さが鑑賞者の自由も認めているような気がした。
コムロさん、大門さん、中藤さんは来場者に向けて10人の写真を細かく考察・解説。参加者たちはその話を熱心に聞き、メモや写真を撮る方もいた。
写真展での観覧が終わると、ここからは参加者たちの自己紹介が始まった。PEN-Fとの出会いや思いをそれぞれが語り合った。
同じカメラを使っていても、その使い方や思いはもちろん人それぞれ。それまでカメラが重く感じてしまったので軽いPEN-Fに持ち替えた人、初号機の「E-P1」から長くPENシリーズを使っている人、初めて買ったカメラが「PEN-F」だった人……。小さなカバンの中に3本ものレンズを入れて持ち運ぶ人や、この場を利用してメーカーへ直々に要望を出す人もいた。多種多様な「PEN-F」とのエピソードを聞くたびに、参加者のPENに対する熱意を感じられた。
参加者は全員、PENで撮影した写真をプリントして持参していた。プロ顔負けの作品の人もいれば、まったく意図しないタイミングによるシャッターが作品になってしまった人、飼い主だけが迫ることができる飼い猫の顔のアップなど、ひとりひとりの個性が伝わる作品ばかり。「こんな写真撮ってみたい」という声も漏れ聞こえ、参加者同士の刺激にもなったようだ。
作品に対する写真家3人のコメントも暖かい。「写真を上下逆さまにして観ると別の作品になる」など、撮影者本人も気づいていなかった作品の魅力を引き出す。自分の作品を評価してもらえるのは、参加者たちもやはり特別に感じるのだろう。当初はこわばっていた表情も次第に緩んでいった。
参加者全員の話を聞いたのち、最後は再び写真家3人の作品を鑑賞。いずれもPEN-Fによるモノクロ作品だ。テーブルに広げたり写真家自身が手に持ったりするなど、プリントならではのやりとりに参加者は興味津々の模様だった。
作品紹介が終わったところでこの日のプログラムは終了。集合写真を撮って締めくくった。新幹線に乗るほどの遠方から参加した人、初回開催時から今回ようやく参加がかなった人など、ユーザーのPENシリーズへの愛情を感じられるオーナーズミーティングだった。
PENにまつわるデザイン展も(編集部)
会場となったオリンパスプラザ東京の一角では、「PEN STROKE(ペン ストローク)オリンパス・ペン デザインの10年展」と題した展示が行われていた。
PENシリーズのデザインの変遷をたどったもので、同社のデザイン室が企画したもの。
最初のデジタルPENとして登場したのは「E-P1」。2009年7月に発売された。「カメラ女子」「張り革」「オールドレンズ」など、同時のカメラトレンドを創出した製品だ。
その前年のフォトキナ2016に、ひとつのデザインモックが参考出品されている。それがE-P1の原型ともいえるもので、貴重なそのデザインモックも会場に展示されていた。
E-P3(2011年発売)の別売グリップ「MCG-3PR」。シリーズを通して、自分のカメラをカスタマイズする魅力を発信していた。
外装や革調素材を強調したPEN-Fの展示。
PENのデザインコンセプトを集約したスケッチ。
一つのカメラシリーズをテーマに、こうしてデザイン面を見せる展示は珍しい。デザインコンシャスなPENらしいアプローチの展示だった。(編集部)