イベントレポート
【CP+2019】AI搭載の画像編集ソフト「Luminar 3」が会場で試せる
米Skylumが出展 代表作「AURORA HDR」もアピール
2019年3月2日 10:32
CP+2019の会場では米Skylum Softwareがブースを構えており、通常の画像編集に加えて、AIによる編集が簡単に行える機能が特徴の「Luminar 3」や、同じくAIを活用したHDR作成ソフト「AURORA HDR」など、同社の画像編集ソフトを紹介。AIを活用することによる使いやすさをアピールしていた。
Luminar 3
Skylumは、画像管理、編集ソフト「Luminar 3」などを開発するソフトウェア企業。
Luminar 3は、撮影した画像を取り込み、露出やホワイトバランス、色、ノイズなどの処理を行って、画像の仕上げを行うことができる。
Lightroomに搭載されているような主要な画像補正機能は十分に搭載されており、RAWにも対応するため、さまざまなユーザーが利用できる。
最大の特徴となるのがAI機能で、スライダーを左右に動かすだけで、AIを活用した画像編集が行える。
例えば「Accent AIフィルター」は、画像全体を解析して露出などを変更する。同社独自の開発によるアルゴリズムに基づいているということで、基本的には機械学習によって学習したプロの写真家のデータを元に画像を印象的に仕上げるというものだ。
このAI機能はほかにも、空の部分だけを抽出して変更するAIスカイエンハンサーといった特定の用途のフィルターも用意されており、今後数カ月以内に「ポートレートフィルターを追加する」という。
編集機能は高機能だが、画像管理機能であるライブラリはまだ追加されたばかりということで、今後どんどん機能を追加していく方針だそうだ。
補正は非破壊編集になっており、いつでも元の画像に戻すことができるほか、レイヤーもサポートしており、編集を重ねがけすることでプロ用途にも耐えられる仕様となっている。
PHOTOLEMUR 3
こちらは、PHOTOLEMUR 3。AIが補正を行い、出力するというソフトで、いちいち手動で補正をする必要がない。画像をPHOTOLEMUR 3のウィンドウにドラッグ&ドロップすると、自動的に画像の解析が行われる。
画像解析中はこのような画面が表示される。これは画像の顔を検出しているところ。
画像のノイズ軽減処理を行っている状態。
こちらは画像の空を検出している。こうした処理は全て自動で行われる。
こうして出力された画像は、自動で各種補正処理が行われている。AIを活用したエンジンは、Luminar 3と共通したものだという。スライダーで簡単に補正前後が比較できるほか、複数画像をバッチ処理することも可能。
美顔効果や空の補正など、特定の効果は手動でも調整できる。
AURORA HDR
AURORA HDRは、露出の違う複数の画像を合成してHDR画像を生成するソフト。単独でも利用できるほか、Luminar 3で画像を選択して起動することもできる。HDR写真家のTrey Ratcliff氏と共同で開発されたソフトで、独自のQuantum HDR画像処理エンジンによって、ディテールを損なわずに、より写実的で豊かな色彩を実現できる、という。
露出の異なる3枚の画像を選択。ゴースト軽減、ノイズ、色収差の補正などの機能も搭載している。
合成したHDRに対して、さらにプリセットでの補正を適用できる。プリセットはスライダーで効果の強弱を設定可能。
ハードウェアコントローラーのLoupeDeck+にも対応。補正項目がLightroomとほぼ共通しているので、コントローラー記載の項目と一致しているのはメリットだ。
このソフトの画像処理にもAIが活用されているほか、適用後に各種のプリセットを適用することで、より印象的なHDR作品に仕上げることもできる。レイヤーのサポートによって、より複雑な編集にも対応できるのも特徴だ。
なお、Luminar 3もAURORA HDRもPhotoshopプラグインとしても利用でき、Photoshopユーザーが「(Skylumの)AIの力を借りたいときに使うこともできる」とアピールする。
Skylumはもともとソフトウェア開発者だけでなく写真家もチームに加わっており、そうした写真家からの意見も参考に開発を行っているという。2018年には同社のアジア副社長にオンライン写真コミュニティサービスの500px創業者のひとりであるEvgeny Tchebotarev氏が就任しており、今後も積極的な開発を続ける意向を示している。