イベントレポート
画像編集ソフト「Luminar 4」を写真家の清田大介さんがデモ
AI技術による“美肌”や“空の入れ替え”も
2020年2月4日 14:16
株式会社ソフトウェア・トゥーは、SKYLUMの画像編集ソフト「Luminar 4」の製品説明会を2月1日に開催した。フォトグラファーの清田大介さんがデモンストレーションを行ったほか、SKYLUMのアレックス・ツェプコCEOが挨拶した。
Luminar 4は、2019年11月18日に発売された画像管理、RAW現像、画像編集などの機能を備えるソフト。独自のAI技術を搭載しているのが特徴で、従来の画像ソフトでは大きな手間が掛かっていた編集が簡単にできるようになっている。開発段階では様々な写真家の作品をAIに学習させ、人間にとって美しい画像に自動編集するアルゴリズムを作ったという。
発売は2019年11月で、価格は税込1万560円。Windows 7以降およびmacOS 10.12以降に対応する。スタンドアロンの他、PhotoshopやLightroomのプラグインとしても利用できる。
空を一瞬で入れ替えられる
SKYLUMの日本アンバサダーを務めるフォトグラファーの清田大介さんが、普段の作品制作で行っている編集作業を披露しながら機能解説を行った。いずれも劇的な変化があるが、手数が掛かる工程は無くほとんど数クリックで完了していた。
画像を読み込んだところ。まず、「インスタントLooks」と呼ばれるプリセットフィルターで仕上がりをワンクリックで決めることができる。清田さんは、「このフィルターをかけるだけで、もう十分なほどですね」と評した。
インスタントLooksの適用具合をパーセントで指定できるのも特徴。“やり過ぎ“を防ぐことができる。
処理の前後比較は中央のバーをスライドさせて確認できる。
Luminarの目玉機能の1つが「AIスキン・エンハンサー」。スライダーの調整だけで、肌のレタッチができる。従来ニキビなどを1つ1つ修正していたのに比べると格段に編集が速い。清田さんもこの機能にはとても助けられているそうだ。
もう1つの大きな新機能が「AIスカイ・リプレースメント」だ。写真のうち空だけを別の空の画像と入れ替える機能で、曇り空を晴天の空にすることなどができる。一般的な画像ソフトでは、レイヤーを駆使してマスクを作るなど作業が繁雑だったが、Luminarでは最初から入っている空の画像を選ぶだけで入れ替えられる。
一瞬で青空に。
こちらは夕陽にしたところ。
星空にすることもできる。
AIスカイ・リプレースメントのパラメーターには、空の画像をボカして自然な被写界深度を作るスカイデフォーカスも付いている。
LUT(ルックアップテーブル)ファイルの適用も可能。実在の銀塩フィルムを模したLUTも収録されている。
SKYLUMではLUTファイルの販売も行なっている。
オーバーレイ機能も搭載している。これはレイヤー機能を使って別の素材画像を重ねられるもの。
雪の素材画像を重ねると、雪の中のポートレート写真になった。
コントラストの調整機能も充実している。ハイライト、中間、影というように明るさ別にコントラストを変えられるようになっている。
従来のソフトにプラスして使って欲しい
SKYLUMのアレックス・ツェプコCEOは、写真家がクリエイティブになれるための場所(ソフト)を提供することで、写真家を認められる存在にすることがSKYLUMのミッションだと話した。
LuminarについてツェプコCEOは、「従来の画像ソフトを置き換えるようなものでは無い。例えばAdobeとはパートナーシップがあり、ライバルでは無く一緒に働いている。これまでの画像ソフトのベーシックな機能に加えて、Luminarがよりクリエイティブな部分を提供するもの」だとした。また、「今後も成長していくので、日本からもどんどんフィードバックが欲しい」と発展への意欲を語った。