フォトコンテスト

生きもの写真リトルリーグ2017、最優秀賞は小学6年生の田中碧さんに決定

被写体は希少な地元の魚 遡上から産卵、死までを組写真に

「生きもの」をテーマとした小中学生対象の写真コンテスト「生きもの写真リトルリーグ2017」の授賞式が、長野県の小諸高原美術館で開かれた。

このコンテストは、自然や生きものを見つめ、子どもたちの写真の表現力を高める機会として設けられたもの。「生きもの写真リトルリーグ」は今回で3年目。着々と周知が進み、小諸市長の小泉俊博氏も「この取り組みをぜひ定着させたい」と意気込む。3度目となる今回は、前回の約1.5倍となる450点以上の応募があった。

審査員は海野和男さん、安珠さん、石田立雄さん、伊知地国夫さん。小諸高原美術館の他、日本自然科学写真協会、日本写真協会が後援を務める。また今年も特別協賛として、パナソニック株式会社が参加した。

授賞式には全国の地区賞受賞者7名と、小諸市から選出された4名が集結した。

授賞式の前に行われた「生きものサミット」では、作品について海野さんと安珠さんが受賞者と語り合った。「このチョウの名前は?」「これは何をしているところ?」「どうやって撮ったの?」といった質問から、生きものの生態や、撮影テクニックなどを明らかにしていく趣向だ。

その後はいよいよ最優秀賞の発表。審査員の協議により、田中碧さんの作品「ビワマスの輝き」が選ばれた。

最優秀賞に輝いた田中碧さん。

田中さんの地元・琵琶湖に生息するビワマスをテーマにした作品で、産卵のため遡上したビワマスが子孫を残し、一生を終えるまでを組写真にまとめている。ただ生きものを撮るだけではなく、構成力にも配慮した力作だ。安珠さんも「大人の写真コンテストでも受賞できる作品」と絶賛。

生きもの写真リトルリーグ2017:最優秀作品賞

タイトル:ビワマスの輝き
作者:田中碧さん(長浜私立永原小学校6年生)

田中さんには賞状、盾、そして賞品の「LUMIX G8」がパナソニック株式会社AVCネットワークス社イメージングネットワーク事業部の山根洋介事業部長より手渡された。

授賞式のあとは、小諸高原美術館で開催中の「海野和男 昆虫写真名作展」のギャラリートークが行われた。海野さんが参加者に、それぞれの作品の背景や、被写体の特徴などを説明した。

今回の展示作品は海野さんのキャリアの中でも比較的以前の作品であり、フィルムで撮影したものも多い。「みなさんフィルムってわかりますか?(笑)」から始まったギャラリートークだが、昆虫をダイナミックにとらえた海野さんの作品世界は昔も今も変わらず。参加者は真剣な眼差しで作品に見入っていた。