ニュース

今年のフォトキナにはドローンやVRの専門ホールが

YouTubeなど動画分野にも注力

フォトキナの会場となるケルンメッセ正面玄関(フォトキナ2008で撮影)

2年に1回開催される、世界最大級のカメラ・写真イベント「フォトキナ」(photokina)。2016年はそのフォトキナの開催年にあたる。「フォトキナ2016」の会期は9月20日〜25日。会場はドイツ・ケルン市のケルンメッセ。

フォトキナは日本の「CP+」などと異なり、トレードショーとしての側面が強いことで知られる。前回「フォトキナ2014」の場合、ビジネス関連の来場者は18万3,000人。全体の48%を占めた。依然としてイメージング業界における最大のビジネスプラットフォームとして機能しているようだ。新製品の発表も数多く、フォトキナ2014には5,961名のジャーナリストが取材に訪れたという。

そんなフォトキナが変わろうとしている。

1950年から連綿と続くフォトキナの歴史において、フォトキナの主要な取り扱いジャンルはあくまでも写真(静止画)だ。それが今回写真に加え、「動画」「仮想&拡張現実」「コプター&アクション」もテーマに据える。

中でも驚きなのは、仮想&拡張現実(VR & AR)、コプター&アクション(ドローン & アクションカム)のそれぞれについて、一つのホールがまるまるあてがわれていること。近年話題の新しい映像デバイスを、イメージングの世界のひとつとして、積極的に取り入れる姿勢が見られる。

フォトキナ2016の会場レイアウト

動画については伝統的な映画や放送分野ではなく、YouTubeなどのVLOG(Video Log)分野にコミット。スケートボード用のランプをはじめとしたライブパフォーマンスの場を各所に設けることで、動画向けの被写体をふんだんに用意するそうだ。会期にあわせてフィルムフェスティバルやVLOG CON会議も開かれる。

プロジェクションマッピングやライトアートといった、新しい芸術手法も組みいれる。開催前と会期中には、ケルン市内の至る所で巨大プロジェクションが展開されるとのこと。

他業界のイベントとの連携も図る。例えばゲーム関連イベント「GAMESCOM」でフォトキナのプロモーション活動を行う一方、「ROLE PLAY CONVENTION」の来場者には、フォトキナへの割引入場を約束するという(ともにドイツのイベント)。要するに、写真と親和性の高いコスプレイヤーを狙い撃ちする施策だ。

もちろん、従来と同じくカメラ関連企業によるブース展示も行われる。一眼レフカメラに代表される伝統的な静止画ビジネスにとどまらず、新しい分野をも取り入れながら成長を図るフォトキナ2016。すでに40カ国1,000社からの出展申込みがあり、会場の70%が予約済みとのことだ。

(本誌:折本幸治)