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ニッコールレンズ80周年記念写真集のローンチパーティが開催

 +81(ディー・ディー・ウェーブ)は12月10日、ニコン協力のもと制作されたニッコールレンズの発売80周年を記念した写真集「Masters of the Light」と「Eyes of Nikon」のローンチパーティを都内で開催した。会場では作品を撮影した写真家やレンズ開発者によるトークショーなどが行なわれた。

Masters of the Light(B4変型、192ページ)
Eyes of Nikon(A4、192ページ)

 いずれもニッコールレンズを用いて撮影された作品を収録した写真集。12月10日に発売した。ともに発行はディー・ディー・ウェーブ。全国の書店などで販売する。ニコンダイレクトでも取り扱う予定。

 Masters of the Lightは、作品に加えて写真家による撮影やレンズに関するインタビューが添えられている。どのようなレンズでどう作品を狙ったのかなどを知ることができる。価格は1万500円。

 Eyes of Nikonは、作品とその撮影に使用したニッコールレンズの解説を盛り込んだ本。レンズは64本が登場する。各レンズの開発者自らが解説を執筆するという珍しい構成になっている。ニコンのカメラやレンズの歴史を紹介するコーナーもある。価格は2,100円。

 双方にニッコールレンズ開発者のインタビューが収録されている。

山下悟氏
長崎義紹氏

 編集長を務めたディー・ディー・ウェーブの山下悟氏は、「トップクラスのフォトグラファーにニコンのレンズを使ってもらうという趣旨で作った」と紹介。「今回依頼した写真家は半分以上が大中判カメラを使っている写真家だが、この撮影をきっかけにニコンに切り替えた写真家もいる」(山下氏)という。

左から菅原一剛氏と花代氏

 また、Masters of the Lightに荒木経惟氏や森山大道氏といった写真家のポートレート作品を提供した写真家の花代氏は、「デジタル一眼レフカメラは使ったことがなく、普段は小さなフィルムカメラを使っているので長いレンズの持ち方もわからなかった。ニコンには一番小さなカメラとレンズをリクエストして撮影した。これからはデジタルにも挑戦したい」と話した。

 同じくMasters of the Lightに水面をモチーフにした作品を提供した写真家の菅原一剛氏は、「D800EにAF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR IIを付けて撮影したところ、今までに見たことがない新しい描写で未来を感じた」と述べた。

 2冊の本のクリエイティブディレクターを務めた長崎義紹氏は、「アートと技術が融合した本はこれまで無く、新しい写真のありようがわかってもらえると思う」と紹介した。

 ニッコールレンズの開発者である佐藤治夫氏は、「写真は三次元の物体を二次元に写すので、二次元になりきれないボケの部分をどうするのかが問題になる。良いレンズとはなにか? といえば、ボケの部分も三次元的に表現できることが重要だと考える」とした。

左から佐藤治夫氏と大下孝一氏

 同じくニッコールレンズの開発を手がける大下孝一氏は、「レンズ設計者は自分の思いをレンズという製品として表現するが、それに加えて今回はEyes of Nikonで設計に対する熱い思いを文章として表現できた」と語った。

(本誌:武石修)