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独自の2色LEDバックライトを採用する写真向けディスプレイ

表面のギラツキも改善。Adobe RGBカバー率99%

 NECディスプレイソリューションズは、カラーマネジメント対応の液晶ディスプレイ「MultiSync PA」シリーズ3モデルを10月25日から順次発売する。いずれも価格はオープンプライス。カラーはホワイトとブラック。

LCD-PA302W
LCD-PA272W
LCD-PA242W

 カメラマン、撮影スタジオ、DTP、Webデザインなどフォトレタッチやグラフィック制作の市場に向けたモデル。いずれもAdobe RGBカバー率99%以上の色域を実現した。店頭予想価格は29.8型の「LCD-PA302W」が25万円前後、27型の「LCD-PA272W」が15万円前後、24.1型の「LCD-PA242W」が12万円前後の見込み。

 独自の新型LEDバックライト「GB-R」白色バックライトを新たに採用した。従来の白色LEDは青のLEDと黄色の蛍光体を使用していたが、広色域ディスプレイには向かずCCFLを使用していた。今回、緑と青のLEDに赤の蛍光体を組み合わせることで広色域を実現した。これまでよりも緑と赤のスペクラムの幅が狭く、ピュアな色が出せるという。バックライトのLED化で消費も低減した。

スペクトラムの比較

 GB-R白色バックライトは緑と青のLEDを独立して制御でき、経年変化による変動に対してそれぞれのLEDを調光して対応できる。従来は色合いを変えずに補正すると黒浮きが目立ったというが、今回は黒が白けてこないとする。

起動してから輝度が安定するまでの時間がほぼゼロになった。
GB-R方式は長期的な画質の安定性にも役立つとする。

 また新たにディスプレイ表面のギラツキを抑える「アンチ・スパークリング・フィルム」も採用した。従来機で見られた表面のギラツキを低減したもので、表面の粒子形状を見直すことでより滑らかな見え方となった。併せて外光によるパネル表面の拡散光も低減した。明るい場所での黒の締まりが改善したという。

アンチ・スパークリング・フィルムの有無による比較。

 ディスプレイ単体でバックライトの経年変化を検出して補正する「セルフカラーコレクション」機能を強化した。輝度と色の情報をフィードバックし、ディスプレイの使用中にバックグラウンドで自動的に補正するもので、検出と補正が秒単位のリアルタイム補正となっている。従来は、ユーザーがオンスクリーンディスプレイから操作する手間があった。内蔵センサーは工場出荷時に校正を行なう。

カラーコレクションの仕組み。
外部センサーでのキャリブレーションにも対応する。

 なお、工場出荷時のキャリブレーションデータをを外部センサーで更新する「ベースキャリブレーション」に対応する。これはセルフカラーコレクションと併用されるため、年1回ほどの実施で良いという。

ベースキャリブレーションの仕組み。

 3機種ともパネルはAH-IPS。従来タイプに比べて透過率を向上させており、低消費電力に寄与するという。解像度はLCD-PA302Wが2,560×1,600ドット、LCD-PA272Wが2,560×1,440ドット、LCD-PA242Wが1,920×1,200ドット。

設定のエクスポートとインポートにも新対応した。

 外形寸法と重量はLCD-PA302Wが688×466.4~616.4×301.6mm、約17kg(スタンド含む。以下同)。LCD-PA272Wが640.4×396.2~546.2×235.5mm、約12.9kg。LCD-PA242Wが556.8×378~528×227.6、約10.6kg。

コネクター部分。

(本誌:武石修)