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キヤノン、“フリースタイル”カメラ「PowerShot N」を国内正式発表

 キヤノンは、SNSへの投稿写真の撮影を意識したデジタルカメラ「PowerShot N」を4月下旬に発売する。キヤノンオンラインショップ限定での販売。価格は2万9,980円。

 米ラスベガスで1月8日に開幕したイベント「2013 International CES」で発表された製品。日本では今回が正式発表となる。

 日本ではホワイトモデルのみが購入可能(海外ではブラックもラインナップ)で、4パターンのジャケットおよびストラップが付属する。販売はオンライン直販のみとなる。

アクアブルー
マルチボーダー
ステッチブラック
サクラパール

 キヤノンが「ニューコンセプトモデル」と銘打つコンパクトデジタルカメラ。一般的なコンパクトデジタルカメラの左右を切り落としたような特異なフォルムを特徴とする。

 本体上面にあるべきシャッターボタンがなく、タッチ式背面モニターによる、いわゆるタッチシャッターが撮影方法のひとつとなる。液晶モニターは2.8型約46万ドット。約90度までの上下可動チルト式となっている。液晶モニターは反転表示にも対応。

 また、レンズ周囲のリングのうち、手前側のリングは、レリーズを行なうための「シャッターリング」となっている。上から、または下から押し込むことで、シャッターが切れる仕組み。

 もうひとつのリングでは、回転させることでズーム操作が可能。レンズは焦点距離28-224mm相当の光学8倍ズーム。光学式の手ブレ補正機構を備える。

 一般的なデジタルカメラでは、撮影者から見て右側に存在するシャッターボタンを操作するため、右手の位置や役割がある程度決められている。ところがPowerShot Nでは、所定の位置にシャッターボタンがないことから、様々なアングルで撮影が可能。キヤノンではこれを「フリースタイル」操作と呼んでいる。

 Wi-Fi機能を本体に搭載。事前に設定しておけば、2ステップでスマートフォンとの接続が完了するという。具体的には、側面の「ワンタッチスマホボタン」を押し、スマートフォン側で専用アプリ「CameraWindow」を起動させる。従来のキヤノン製品で必要だった「再生画面を表示」「Wi-Fiアイコンをタップ」「スマートフォンアイコンを選ぶ」「接続するスマートフォンを選ぶ」といった、一連の作業が省略できる。EOS 6Dなどと同様、スマートフォンからカメラの電源をOFFにすることは可能だ。

「クリエイティブショット」も今までにない機能。シャッターを押すとカメラが自動で特殊フィルターやトリミングなどを行ない、無修正の1枚に加え、画像処理を行なった5枚をメモリーカードに保存する。

 画像処理の内容はランダムではなく、そのときの撮影内容にあわせた処理を行なうという。具体的には画像解析とシーン解析を行ない、AEブラケット、AFブラケット、連写のいずれかで撮影。撮影後にシェーディング系処理、ぼかし系処理、カラーフィルター選択、構図切り出し、回転処理などを行ない保存する。

 以上の「フリースタイル」「ワンタッチスマホボタン」「クリエイティブショット」の3つは、SNSユーザーを意識したものという。SNSユーザーが求めるおしゃれな写真を誰でも簡単に撮れるようにするには? という疑問から、アングル、構図、色および光をカメラが強力にサポートする方向性を持たせたとのことだ。

 撮像素子は1/2.3型の裏面照射型CMOSセンサー。有効画素数は1,210万。映像エンジンはDIGIC 5。

 記録メディアとして、microSDXC/microSDHC/microSDメモリーカードを採用する。

 4種類のジャケット&ストラップセットに加え、限定レザーストラップモデルも用意される。価格は3万2,980円。

限定レザーストラップモデル
製品名PowerShot N
撮像素子1/2.3型有効1,210万画素裏面照射型CMOSセンサー
レンズ焦点距離28-224mm相当(35mm判換算)F3-5.9
最短撮影距離1cm
手ブレ補正光学式
感度ISO80-6400
シャッター速度1-1/2,000秒
液晶モニター2.8型約46.1万ドット
記録メディアSDXC/SDHC/SDメモリーカード
動画記録H.264(最高1,920×1,080/24fps)など
バッテリーNB-9L
外形寸法78.6×60.2×29.3mm
質量約195g(バッテリー、メモリーカード含む)

(本誌:折本幸治)