コーレル、“スマートカーバー”搭載の「PaintShop Photo Pro X3」
コーレルは9日、RAWファイルに対応する画像編集ソフト「PaintShop Photo Pro X3」およびデジタルカメラなどで撮影した動画に対応するビデオ編集ソフト「VideoStudio Ultimate X3」、「同Pro X3」のダウンロード版を発売した。
価格はPaintShop Photo Pro X3の通常版が1万2,800円、アップグレード版7,980円。Video Studio Ultimateの通常版が1万6,800円、アップグレード版1万2,800円。同Pro X3の通常版が1万2,800円、アップグレード版7,980円。対応OSはいずれもWindows XP/Vista/7。
なお、4月16日にパッケージ版の販売も開始する。価格はPaintShop Photo Pro X3の通常版1万5,540円、特別優待版1万290円、アップグレード版8,379円、アカデミック版8,190円。
Video Studio Ultimateは通常版2万790円、特別優待版およびアップグレード版1万5,540円、アカデミック版1万2,390円。
同Pro X3は通常版1万5,540円、特別優待版1万290円、アップグレード版8,379円、アカデミック版8,190円。
PaintShop Photo Pro X3 | VideoStudio Ultimate X3 | VideoStudio Pro X3 |
■詳しくない人でも楽しめるように
同社代表取締役社長の堺和夫氏 |
都内で行なわれた新製品発表会において同社代表取締役社長の堺和夫氏は、新しいハードウェアが多数登場する中、ソフトウェアのユーザーインターフェイスを簡単にすることにより、詳しくない人でも映像の編集や共有を楽しめるようサポートしていきたいと話した。
また、同社Webサイトに「ご意見箱」を設置し、エンドユーザーの声を取り入れた製品開発を行なう取り組みをアピールした。
■処理パフォーマンスを向上したPaintShop Photo Pro X3
同社マーケティング部の吉岡俊彦氏 |
PaintShop Photo Pro X3のデモに先立ち、同社マーケティング部の吉岡俊彦氏は、現在では1,200万画素以上のコンパクトデジタルカメラが主流になっており、画素数の向上により編集ソフトのパフォーマンス向上が求められていると説明した。
新製品は新しいインターフェースと編集時のパフォーマンス向上に焦点を当てたと強調。1,000万画素以上の写真を開く際のパフォーマンスを向上し、ソフトウェアの起動時間も従来の約1/3に短縮したという。
PaintShop Photo Pro X3は、「オーガナイザー」、「エクスプレスラボ」、「フルエディター」の3つの画面からなる。エクスプレスラボは頻繁に使う簡易編集機能をまとめたモードで、初心者でも画像の回転、自動修整、肌補正などを簡単に行なうことができるとしている。
オーガナイザーで利用できる新しい編集機能の「マルチフォトエディット」は、ある1枚の写真に適用した編集内容を他の画像にペーストし、一括処理できるというもの。画像の自動修整や手動入力したリサイズ解像度に対応するほか、RAW調整機能「カメラRAWラボ」で調整したパラメータを一括して適用することもできる。
エクスプレスラボの画面 | カメラRAWラボの調整画面 |
フルエディターの編集機能には、新たに「スマートカーバー」を搭載した。ブラシで保護領域としたオブジェクトの形を維持したまま画像全体のリサイズを行なえる機能。ブラシで選択したオブジェクトをリサイズ時に除去する機能も持つ。
また、「オブジェクト抽出」はブラシの感度を調整することで、動物の毛先なども精密に抽出できるというもの。抽出したオブジェクトはレイヤーとしてほかの画像に合成できる。
オブジェクト抽出を行なっているところ。境界を緑のブラシでなぞり、抽出する範囲を赤く選択する |
ほかにも、肌色などトーンの低い部分で色飽和を起こさないように彩度を調整できる「自然な彩度」機能や、作品の完成・出力をサポートする「PaintShop Photo Project Creator」などを搭載した。
PaintShop Photo Project Creatorは、取り込んだ画像からフォトブック、フォトムービーを作成できるほか、Webサービスへのアップロード、記録メディアへのバックアップなどを行なえるもの。
「自然な彩度」の適用例(左下)。左上がオリジナル画像で、右下は全体の彩度を上げたもの | PaintShop Photo Project Creatorの画面。出力先を選択する |
加えて、ソフトを立ち上げずに画像ファイルを開くことができる「インスタントビューワー」も搭載。RAWの表示にも対応し、ウィンドウ上の「編集」ボタンを押すことでPaintShop Photoを起動し、編集を行なうことができるようになる。
■新エフェクトフィルターなどを搭載したVideoStudio X3
同社マーケティング部部長の今澤浩之氏 |
また会場では、同時発売の製品「VideoStudio Ultimate X3」および「同Pro X3」の紹介とデモも行なった。
同社マーケティング部部長の今澤浩之氏は、今回の新製品のテーマとして「evolve」(進化)を掲げ、PCやカメラの進化と共に、ソフトウェアもデバイスに合わせてパフォーマンスの向上、新規格への対応、ワークフローの改善などの進化の必要があると話した。背景には、HD動画記録に対応するエントリークラスのデジタル一眼レフカメラの増加や、平均単価の下落があるという。
VideoStudio X3は、マルチコアプロセッサへの最適化や、「CUDA」のGPUアクセラレーションへの対応によりエンコード時間を1/3~1/4に短縮したという。
また、従来は7つだったステップを「取り込み」、「編集」、「管理」の3つに簡略化した。初心者向けの自動編集機能「インスタントプロジェクト」を新たに搭載し、テンプレートの効果を残したまま、ユーザーが撮影した素材に置き換えることができる。
AVCHD動画の取り込みには、新たにAVCHD撮影情報のインポート機能を追加した。読み込み時に「撮影日情報をタイトルとして追加」を選択することで、タイトルトラックに撮影撮影を挿入する。挿入する撮影情報はテキスト形式のため、サイズやアニメーションなどの変更が行なえる。編集後は、バックアップ用途を想定したデータライティングも行なえる。
ほかにも、タイトル文字へのアニメーション効果適用や、スケッチ風の描画効果を与える「オートスケッチ」フィルターなどを搭載した。
オートスケッチの概要 | AVCHD撮影情報のインポート例 |
Ultimate版とPro版の主な違いは、フィルター処理時のGPUアクセラレーションの使用可否、BD-J対応の可否など。
■Corel Digital Art Competition 2010を開催
同社では、4月15日よりアジア全域を対象としたグラフィックおよびビデオ作品のコンテスト「Corel Digital Art Competition 2010」を開催する。グランプリには賞金を含め総額1万ドル相当の賞品を進呈するという。カテゴリは一般と学生に分かれており、応募は同社製品で製作したものに限る。期間は8月31日まで。
また、VideoStudioシリーズの10年連続国内シェアNo.1を記念し、VideoStudio Pro X3および同Pro X3を購入したユーザーに抽選で最大5,000円のキャッシュバックを行なうキャンペーンも行なう。期間は9月15日まで。ダウンロード版の購入も対象となる。
2010/3/9 20:09