サンディスク、90MB/秒のCF「Extreme Pro」

~荒川静香選手がゲスト参加。EOS 7Dを使ったデモも

 サンディスクは、最高転送速度90MB/秒のCF「Extreme Pro」と最高60MB/秒のCF「Extreme」シリーズを19日に発売する。価格はいずれもオープンプライス。

 Extreme Proは、独自開発の「パワー・コア・コントローラ」を搭載し、デュアルレーン・アーキテクチャとソフトウェア・アルゴリズムによって、従来の同社製ハイエンド製品と比べて2倍の転送性能を謳う。従来モデル「Extreme IV」に替わる製品。

 また、最適化されたウェアレベリング(書き換え回数平準化)機能と、42bitのECCによりデータを確実に保存し、メディアとしての信頼性と耐久性を向上したという。同社の記録メディアとして初めて「UDMA6」に対応する。

 ラインナップする容量と店頭予想価格は、64GBが9万9,800円前後、32GBが5万9,800円前後、16GBが3万4,800円前後の見込み。

 Extremeは、Extreme Proと同じくパワー・コア・コントローラを搭載するモデル。従来モデル「Extreme III」から置き換わる。容量と店頭予想価格は、32GBが4万9,800円前後、16GBが2万9,800円前後、8GBが1万9,800円前後の見込み。

最高転送速度90MB/秒の「Extreme Pro」(左)と最高60MB/秒の「Extreme」(右)メモリースティックマイクロも同時発表した。価格は調整中という

 なお、Extreme ProとExtremeの発売に伴い、Extreme IVとExtreme IIIは発売中止となる。

 このほか、2010年にはExpressCard/34スロット対応の変換アダプター「エクストリーム・エクスプレスカード・アダプター」を発売予定。

目指すのは「ブランド力の向上」

 またサンディスクは同日、「Extreme」シリーズの製品発表会を神奈川・新横浜の新横浜スケートセンターで開催した。

 発表会では、サンディスク株式会社代表取締役社長の小池敦義氏が、現況や今後の国内における販売戦略などについて説明した。

 小池氏はフラッシュメモリーやコントローラーの自社開発・製造をサンディスクのアドバンテージとして挙げ、特に三重県四日市工場で製造しているフラッシュメモリーについては、「シャープの『世界の亀山』モデルにならい、『世界の四日市』モデルとしてブランド力の強化に努めたい」と語っていた。

サンディスク株式会社代表取締役社長の小池敦義氏

 国内における販売戦略については、ブランド力の向上を目指すという。「現在でも国内においてはナンバーワンのシェアを獲得していますが、ここにブランド力が加われば、まさしく万全になると考えています」(小池氏)

 また、そのための施策として、販売店との連携、カメラメーカーなどデジタル機器メーカーとの協業、積極的な宣伝、法人営業などの強化を挙げ、目標達成への意欲を示した。さらにサンディスクでは年末商戦に向けて、ナショナルジオグラフィックと共同で「地球を記録に残したい」をテーマとした販促キャンペーンを展開するという。詳細については後日改めて発表するとのこと。


「ブランド力の向上」を目標としたメモリーカードの販促キャンペーンを企画中という

 新製品のプレゼンテーションは、サンディスクコーポレーション リテールプロダクトマーケティング バイスプレジデントのエリック・ボーン氏が担当した。同氏はサンディスク製従来製品との速度比較データを開示して転送速度をアピールしたほか、転送速度の速さがフォトグラファーにもたらすメリットを説明した。

サンディスクコーポレーション リテールプロダクトマーケティング バイスプレジデントのエリック・ボーン氏「Extreme」シリーズは、デジタル一眼レフカメラのユーザー層へ訴求する
Extreme IVと比べて約2倍の転送速度を実現するというパワー・コア・コントローラの特徴
RAID 0のようなデュアルレーン・アーキテクチャを採用する従来製品との書き込み速度比較
信頼性を向上した2010年発売の「エクストリーム・エクスプレスカード・アダプター」を用いた読み出し速度比較
現役プロカメラマンの言葉をところどころで引用した

デモ機材は発売前のキヤノン「EOS 7D」

 プロカメラマンの権藤和也氏とプロフィギュアスケーターの荒川静香選手による製品デモも実施した。氷上で演技を行なう荒川氏を、権藤氏が10月2日発売のキヤノン「EOS 7D」を用いて連写していくというもの。Extreme Proを挿入したEOS 7Dの連写が数秒間に渡り途切れない点を強調していた。

「ずっと連写が止まらないことで、良いシーンをとらえ続けることができる。連写した中から最も良いものを残すというのは皆さんもやっていることだと思いますが、撮影枚数が増えるということは選択肢が増えるということでもあります。Extreme Proを使用することで、良いシーンを逃さず、素早く、快適に撮影することが可能になります」(権藤氏)

荒川静香選手権藤和也氏
トークショーは司会も交えた3人の対談形式左から小池氏、荒川選手、ボーン氏

 また権藤氏は、記録メディアが大容量化し、転送速度も高速化することによって、RAW画像での撮影がしやすくなるという点にも触れていた。

 荒川選手と権藤氏のトークショーでも、製品デモで撮影した写真が話題に上がった。「フィギュアスケートでは普通にはない動きをすることが多いし、動きの速さも頻繁に変化していくものなので、自分の気に入った写真というのはなかなかないものなのですが、普通より多くの枚数を撮っていただくことで、良いカットがたくさん見つかったというのが印象的でした」(荒川選手)

 また荒川選手は、普段はコンパクトデジタルカメラなどで愛犬の撮影を楽しんでいるという。「ある瞬間は過ぎてしまうと取り戻すことはできませんが、いつも思うのは、すべてのまばたきがシャッターだったらいいのになっていうくらい、見えている瞬間を撮っておきたいと思うことがよくあります」(荒川選手)

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2009/9/16 12:30