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GoProが「レンズ交換式シネマカメラ」に挑戦する理由
発売前のMISSION 1シリーズを日本初公開 8Kオープンゲート記録も可能
2026年5月26日 22:12
既報の通り、GoProは新モデル「MISSION 1シリーズ」3機種をリリースした。同社が「コンパクトシネマカメラ」と位置づけるこれらのモデルがどういったものなのか、5月20日(水)に都内で開催された発表会の取材を基にまとめた。
駆け出しのクリエイターにも好適
レンズ一体型の「MISSION 1 PRO」および「MISSION 1」とレンズ交換式の「MISSION 1 PRO ILS」をラインナップする。いずれもセンサーサイズや画像処理プロセッサーなどは共通となっている。
今回、特に話題となっているのが同社初のレンズ交換式となるMISSION 1 PRO ILSだ。マイクロフォーサーズのマウントを採用するが電子接点はなく、センサーサイズもマイクロフォーサーズより小さな1型を採用するという一風変わったカメラだ。12万2,600円で、2026年秋の発売を予定している。
電子接点がないため、カメラによるAFや絞りの制御はできない。そのため、基本的には絞りリングを備えるMFレンズでの使用を想定しているそうだ。この点は不便に思えるが、MF主体で制作するシネマカメラとしての性格もあり、同社ではむしろプラスと捉えているようだ。
マイクロフォーサーズマウントを選んだ理由は、市販レンズの選択肢が多いからとのこと。マウントアダプターを使うことで、Cマウントレンズを含む安価なオールドレンズなど、幅広いレンズが活用できることもメリットとして挙げている。
その上で、従来のアクションカムより少し大きいだけという本体サイズを活かした撮影が可能になるとアピールする。狭い場所での活用ケースはさまざまあるが、一例として車内に設置する際に小さいため自由度が高いとのこと。
また、これまでのアクションカムだと広角撮影しかできなかったが、レンズ交換式になったため望遠レンズで運転手の手元や顔のアップを撮るといった使い方も考えられるそうだ。
実際、シネマカメラでは設置スペースの制限や重量制限に対応するため、カメラヘッドを離して使うエクステンションシステムが登場しているほど。狭隘な部分にカメラを設置したいというニーズは少なくなさそうだ。
メインターゲットは映画などのプロ制作者ということで、これまで自撮りやスポーツを楽しむ一般ユーザーを主な対象にしていたGoProとしては新ジャンルへの挑戦となる。背景として、クリエイターからこうしたハイレベルな小型カメラの要望が多かったことを明らかにした。
「これまで実現できなかったことをとことん追求した結果、ほかのアクションカムとは明らかに違うスペックになっている。これまでの「自分を撮る」というニーズから、「ほかのモノや人を撮る」というように、コンセプトを変えた」(同社)。
同社ではMISSION 1シリーズを、これからクリエイターを目指す人にも好適なカメラだと説明する。「8K60Pといったスペックのシネマカメラは高価。コンパクトなボディにレンズを付けて十数万円で手に入るのが魅力になる。落としても大丈夫な頑丈さもあり、チャレンジ精神のある駆け出しのクリエイターから見ると、非常に安価にプロレベルの機材が手に入る」。
一方でAFが使えないといった部分はあるものの、人とは違った映像を撮りたいアマチュアユーザーも興味をそそられるプロダクトと言えそうだ。センサーが小さいぶん超望遠撮影はしやすいと見られ、天体撮影などで活躍できる可能性もある。具体的な数字の言及は無かったが、一般的に1型センサーのクロップファクターは2.7倍ほどである。
16:9では最大8K60Pの記録に対応するほか、4:3のセンサー全面を使ったオープンゲート記録(最大8K30P)にも対応する。また4Kで240P、フルHDで960P(最大10秒)といったハイスピード撮影も可能で、リフレーミングや速度調整など編集の自由度も高いものとなっている。
センサーサイズについては、マイクロフォーサーズサイズではこの大きさには収まらないことから、1型を採用したとしている。
なお、8Kオープンゲートでも実際にはそれより高解像度で撮影しているそうで、手ブレ補正を入れてもクロップされない8K解像度で記録できるとのこと。
レンズ交換式ではあるがセンサー面まで防水性能を持たせてあるそうで、レンズがない状態で水に沈めても問題ないそうだ。アクションカムの耐寒性能(−20℃まで)もあるとしており、一般的なシネマカメラよりも厳しい環境で使用できるという。
小型、低価格、高解像度、ハイフレームレート、レンズ交換式、タフネス性能といった特徴を備えるシネマカメラの新しい形が完成し、これからどのように市場に受け入れられていくのかが注目されるところだ。
駆動時間や熱耐性も向上
MISSION 1 PROとMISSION 1は、MISSION 1 PRO ILSに先立って発売となる。価格はそれぞれ12万2,600円、10万5,400円だ。
MISSION 1 PROは、シリーズのフラッグシップモデルという位置づけ。8K動画や5,000万画素のRAW写真撮影に対応している。レンズ一体型のアクションカム形状なので、手軽に高解像度の撮影ができる。
3機種共通となる画像処理プロセッサー「GP3」は従来の2倍の性能があり、低照度性能や駆動時間、熱耐性も高まったとのこと。録画時間は4K30Pで3時間超となり「HERO13」比で8割以上の向上となっている。熱耐性では空気の流れのある場所だと8K60Pで74分、4K30Pでは188.4分などとなっている。
MISSION 1 PROはアクセサリーとのセットパッケージも用意される。「Grip Edition」ではシャッターボタンを押しやすくするグリップが付属し、コンデジのように使える。また、トライポッドグリップやマイク、ジンバルとのセットも用意される。
MISSION 1はシリーズのローエンドモデルで、動画の最高フォーマットは8K30Pまでとなる。またハイスピード撮影に多少の制限が設けられているが、その他の基本的なスペックはMISSION 1 PROと共通。ハウジング無しで水深20mまでの防水性能も備えている。
「既存市場を揺るがす」製品で新しいスタイルを提案
本社でマーケティングなどを担当するGoProシニア・バイスプレジデントのRick Loughery氏は、「MISSION 1シリーズは既存の市場を揺るがすような革新的な製品。GoProならではの新しい撮影スタイルを提案する。クリエイターに映画レベルのクオリティを提供し、創造性の限界を押し広げる力を与える」と挨拶した。
また映像作家の普光江新氏がMISSION 1シリーズで撮り下ろした作品が上映され、トークショーで新製品の魅力を語った。作品は1型センサーの画質を活かし、スローモーションもふんだんに使って日本のカルチャーを組み合わせたという映像だ。
スケートボードのシーンは、MISSION 1 PRO ILSに300mmの望遠レンズを付けて撮影したもの。「とっさに出てきたバイクにAFを合わせるのは難しいので、MFで合わせておいて歩行者とバイクがすれ違うタイミングでシャッターを押すだけという状態で狙いました」(普光江さん)と、作品制作ならではのMFのメリットについても触れた。
そして防火服を着て撮影したという花火のシーンも披露。カメラだけはむき出しで使ったが、映像は問題なく撮影できたそう。レンズカバーは火の粉でコーティングが一部損傷したそうだが、レンズカバー自体は簡単に交換可能。これまでシネマカメラを持ち込むのが躊躇されるケースでの使い道もありそうだ。







































