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熱中症対策の義務化で盛り上がった「第11回猛暑対策展」会場レポート
2025年8月1日 17:10
一般社団法人日本能率協会は、「第11回 猛暑対策展」を7月23日(水)〜7月25日(金)に東京ビッグサイトで開催した。会場で見つけた暑さ対策製品などを紹介したい。
日常生活や労働環境における暑さ対策に特化した専門展示会。今回で11回目。主に夏季の屋外や工場などでの作業を含む事業者に向けた製品やサービスを中心に展示していた。
展示物は大型冷風機やスポットクーラーをはじめ、空調服、水冷服、ペルチェベストのほか建築物向けの断熱・耐熱素材、経口補水液や冷感タオルなどもあった。
事業者向けの展示会ではあるが、直販ECサイトなどから個人で購入できる製品もあったので紹介したい。なお真夏の開催ということもあって、すでに在庫が少ない(あるいは払底している)製品も展示しており、記事掲載時点で購入できることを保証するものではないことをご承知いただきたい。
今年のトピックとしては、6月に施行された労働安全衛生規則の一部改正、いわゆる「職場における熱中症対策の義務化」がある。熱中症による労災の増加を背景にその対策を事業者に求めるもので、概要としては「熱中症の予防」「予防手順の周知」「熱中症発生時の措置手順の周知」を挙げている。遵守しなかった場合は労働安全衛生法上の罰則もある。出展企業の担当者からも、熱中症対策の義務化によって商品の引き合いが増えた旨の話が聞けた。
山善「ダイレクトクールPro+」「カゼフィット」
ダイレクトクールPro+は、背負ったタンクからポンプで冷水を循環させる水冷服。最上位モデル「Premium」の1つ下に新モデルとして「Pro+」を追加した。Premiumとの主な違いは、襟部分とショルダーストラップ下部のチューブを省略した点。連続冷却による肌の冷感慣れを防ぐために一定間隔で運転と停止を繰り返す運転モードを備えている。
駆動時間は5,000mAhバッテリー使用時で約20時間(連続運転)/約48時間(20秒運転、60秒停止)。直販価格は1万6,800円。
カゼフィットは、襟元2カ所にペルチェデバイスを備えた空調服。首元へ吹き上げる風の通り道にペルチェデバイスを配置することで、より涼感が得られるとしている。風量に強弱をつけた運転を行なうゆらぎモードを装備。直販価格は1万9,800円。
サンコー「冷蔵服4」「背負える日傘」
空調服とペルチェデバイスを組み合わせたベルチェベストの半袖版。遮熱効果があるチタン加工生地を採用するほか、内部にこもった熱を背中側から排気するファンを1基備えている。ペルチェデバイスと冷却ファンは個別に動作させることも可能。
駆動時間は20,000mAhバッテリー使用時で約3時間半(強運転)、約8時間(弱運転)。直販価格は2万4,800円(バッテリー込み)。
2024年に発売して話題になった「背負える日傘」のカラーバリエーション。背中から肩に張り出したバーで傘部分を固定しており両手が使えることが売り。撮影や農作業などでの日除け用途を提案している。背中に触れる部分はメッシュになっており、密着しないよう空間ができるつくりになっている。価格は1万2,800円。
ミズノ「アイスタッチデバイスベスト」
ペルチェデバイスにより両脇と背中の3カ所を服の上から冷却するワークウェア。2024年から販売しているモデルだが、2025年バージョンでは要望を受けてデバイスの位置を調整したほか、電源となるモバイルバッテリーが入れられる内ポケットを増やすなど改良を加えている。
アイスタッチデバイスとベストは別売りで、ベストに設けられた冷却ファンの部分にデバイスを装着して使用する。駆動時間は10,000mAhバッテリー使用時で約10時間(強設定の場合)。使用可能温度は40℃まで。
直販価格はベストが7,480円、ペルチェデバイスが1個あたり8,250円。
日本気象協会
日本気象協会が推進している「熱中症ゼロへ」プロジェクトのブースでは、記事冒頭で述べた事業者における熱中症対策の義務化をはじめ、暑さ指数(WBGT、湿球黒球温度)をなどに関するパネル展示を実施。暑さ指数を測れる熱中症計や対策のポイント、熱中症発生時の応急処置フローの利用・運用について周知を図ったほか、本プロジェクトの公式パートナー企業が展開している経口補水液や塩タブレットなどの一部商品についても配布していた。