イベントレポート
暑さ対策はカメラだけでなく人体も。「第10回猛暑対策展」で見つけた真夏のクールアイテム
2024年7月28日 12:00
7月26日(金)まで東京ビッグサイトで開催していた「猛暑対策展」は、夏季の暑さに伴う課題の軽減・解決に特化した製品やサービスの専門展示会だ。工場など事業所向けの大型冷風機や建物用の断熱・耐熱素材、空調服や水冷服、ペルチェベストやネッククーラーなどが主な展示内容となっている。開催は今年で10回目。
近年の夏は30度台後半の気温を記録する日も珍しくなくなっており、屋外での撮影に出かける際には熱中症対策が必須といえる。展示物の多くは業務用だったが、中には個人で購入できる製品もあったので、この機会に紹介したい。
ただし展示会自体が事業者向けであることに加えて、開催時期はすでに真夏であり、一般向け販路に乗る製品については売り切れも多く見られた。あらかじめご容赦いただきたい。
山善「水冷服 ダイレクトクール」
内側に水冷チューブを内蔵した水冷服。背中側に冷水を入れるタンク(チャージボトル)を備えており、ここから電動のポンプで水を循環させる。電源は市販のモバイルバッテリーが利用できる。
4月に発売した「ダイレクトクール プレミアム」は、首周りと脇下に冷却チューブを配置したモデル。900mlのタンクが付属しており、連続冷却時間の目安は4.5時間(5,000mAhバッテリー使用時)。価格は2万3,800円。
冷却ファンを用いないことから粉塵の舞う現場でも使える点がメリットだが、静粛性が求められる映像の撮影現場でも需要があるという。
首元と脇下をカバーしない既存モデル「ダイレクトクール プロ(2024年モデル)」は1万5,999円、タンクとして650mlまでのペットボトルが使える「ダイレクトクール」は1万2,999円となっている。
サンコー「背負える日傘」「ネッククーラー」「リュッククーラー」など
様々な便利デバイスの開発・販売をしているサンコー株式会社のブースでは、空調服や水冷服、ペルチェベストをはじめ多くの夏物グッズを展示していた。
中でもユニークだったのが、6月に発売した「背負える日傘」。ベルトストラップとハーネスで体に固定した後に展開することで、頭部全体と首周りを覆って両手が自由に使える。価格は1万2,800円。
日中の作業や屋外での撮影にも活用できるとしている。不要なときは傘部分をたためるほか、ある程度雨も防げるという。
ネッククーラーは複数モデルを展開している。2024年モデルの「ネッククーラーAir」はペルチェ素子で首側面の2点を冷やせるほか、背面に冷却ファンを装備。温度を変化させるゆらぎ冷却モードも搭載した。
価格は5,980円だが今年の生産分は完売。
背中に当たる3点にペルチェを配置した「クーリュック2」は、熱がこもりがちな背中を冷やすリュック。ノートPCやタブレット、書類なども収納できる。価格は1万5,800円。
稼働時間の目安は弱運転時4時間、強運転時3時間(10,000mAhバッテリー使用時)。
ミズノ「アイスタッチデバイスベスト」
スポーツウェアメーカーのミズノが展開するワークウェアのひとつで、6月より試験販売していた製品。両脇と背中の3カ所を冷却する。冷却部には通電時に吸熱もしくは放熱を行なうペルチェ素子を採用(本機は冷却のみ)。CPUやスマホのクーラーでもおなじみのデバイスだ。
ベストのほかには、ヘルメットなどの下につけるインナーキャップとネッククーラーも用意。ペルチェデバイスは別売りで、各部位に装着して使う。連続稼働時間の目安は弱運転時6時間、中運転時4.5時間、強運転時3.5時間(10,000mAhバッテリー使用時)。
仕組みは他社製のペルチェベストと同じだが、ベスト本体の生地にスイムキャップなどに用いられるメッシュ素材を使用したほか、首元と消臭効果のあるデオドラントテープを配置している。
発売から2カ月足らずだが、今年は需要が高いとのことで予定販売数を終了している。来年も販売する予定だという。
富士通ゼネラル「Cómodo gear」(コモドギア)
ペルチェ素子により首周りの3点を冷やすネッククーラーだが、水冷式となっている。冷感/温感両対応。
ペルチェ素子は長時間の稼働で発熱して冷却性能が落ちるが、本機では水冷式にすることで高い冷却性能を維持している。稼働時間も2~7時間と長めだが、その代償に冷却ユニットとバッテリーを携行する必要がある。
冷却ユニット本体をバッテリーを収納する方法は、付属ボディバッグのほか背面に収納するワークベストタイプ、体の前面に収納するメッシュベストやワークウェアタイプなどを用意している。
価格は1セットで6万円だがレンタルプランも用意しており、こちらは1カ月1万円。
熱中症対策には水分と塩分の摂取も欠かせない。猛暑対策展では水冷服や冷風機など人体を冷やす方向性の製品だけでなく、数は少ないながら食品の展示も実施していた。
三和建設株式会社「しおゼリー」
建設会社の三和建設株式会社が現場作業に従事する職人向けに開発した一口サイズのゼリー。同社のECサイトで販売している。価格は1袋100個単位で4,320円(1個あたり43.2円)。
「建設業は就業中の熱中症による死傷者が多い」現状を改善すべく生まれた。固形物の塩飴やタブレット、たくわんでは口中の水分が奪われて摂取が進まない実情を踏まえて、食べやすい味を研究。りんご味、レモン味、ライチ味、マスカット味、ぶどう味を用意する。
アドバンス「O.R.S Hydration Tablets」
水に溶かして経口補水液が作れるタブレット。そのまま食べることもできる。価格は24個入りが3,942円、12個入りが1,971円。味はレモン、イチゴ、カシス。