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カメラグランプリ2025は「EOS R1」が大賞に キヤノンが3冠に輝く

「カメラグランプリ2025」の選考結果が、5月16日(金)に発表された。大賞はキヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R1」が受賞した。そのほか、各賞に計7製品が選出されている。

同グランプリは、2024年4月~2025年3月にかけて日本国内で発売した機種が対象。選考委員の投票により「大賞」および「レンズ賞」を選出する。また、一般ユーザーのWeb投票による「あなたが選ぶベストカメラ賞」「あなたが選ぶベストレンズ賞」、グランプリを運営するカメラ記者クラブが選出する「カメラ記者クラブ賞」も明らかになった。

大賞を受賞したのは、キヤノンがフラッグシップモデルとして2024年11月に投入した「EOS R1」。キヤノンはこのほか、あなたが選ぶベストカメラ賞に「EOS R5 Mark II」、あなたが選ぶベストレンズ賞に「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」が選出されており“3冠”に輝いた。

受賞製品と選考理由は次の通り。

大賞:キヤノン「EOS R1」

キヤノンのミラーレスカメラ「EOS Rシステム」初のフラッグシップ
モデルとして、プロフェッショナルの要求に応える高性能を実現。新
開発のフルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」、エンジンシステム「DIGIC Accelerator」により、高速連写や高感度性能を両立。電子シャッター時には最高約40コマ/秒の連写が可能で、ローリング歪みを大幅に低減した。測距エリア全域でクロスAFを実現し、デュアルピクセル Intelligent AFまにより被写体追尾性能を飛躍的に向上させた。また視線入力AFや「アクション優先」機能なども搭載。さらに約944万ドットの高精細電子ビューファインダーや最大約9600万画素の高解像度画像を生成する「カメラ内アップスケーリング」機能など、撮影体験を一新する機能を多数搭載する。これらの先進的な技術と高い完成度が高く評価され、「カメラグランプリ2025 大賞」に決定した。

選考理由

レンズ賞:ソニー「FE 28-70mm F2 GM」

ズーム全域で開放絞りF2を実現した初のEマウント標準ズームレンズ。AF駆動には4基のXDリニアモーターを搭載し、高速かつ静音なオートフォーカスを実現する。14群20枚のレンズ構成には、超高度非球面XAレンズやスーパーEDガラスなどを効率よく採用することで諸収差を抑制。また防塵防滴に配慮した設計やズームリングの操作感を切り替えられるスイッチなど、プロフェッショナルの要求に応える機能を備える。革新的な性能と高い完成度が評価され、「カメラグランプリ2025レンズ賞」に決定した。

選考理由

あなたが選ぶベストカメラ賞:キヤノン「EOS R5 Mark II」

  • EOS R5からの正統進化でさらにオールマイティなカメラに仕上がっている
  • 手頃な価格でフラッグシップ機のような性能
  • 視線入力によるピント合わせに感動した
  • 筐体の美しさ、機能、コスト、全てがバランス良いカメラ
  • 画質、AF、連写、動画に高いレベルで満足
  • 高画質でしかも厳しい条件でも精細な撮影が可能となった
  • 食いついて離れないAFトラッキングが素晴らしく、動物やスポーツ撮影において非常に重宝する機種であるため
  • ニューラルネットワークアップスケーリングの映像再現度の高さと、それをあのコンパクトなボディに搭載したキヤノンの技術力の高さに感銘した
  • 画質、AF、連写、動画に高いレベルで満足
  • 高画素機というイメージの5から完全に脱却し、連写・AFを含めた全方位で活躍できるカメラになっている
  • AI技術によるノイズ低減、高画素化技術、視線入力の採用など基本スペック以外の飛び道具も多い
  • オールランダー機能とサイズを踏襲しながら視線入力を採用したチャレンジ精神は素晴らしい
  • 伝統ある“5”の2世代目に、歴史に恥じない性能と描写力を評価した
  • 正確で画期的なフォーカス、圧倒的な描写力を備えつつ取り回しの良い軽さは唯一無二です
  • 8K動画も視野に入れた性能で長期に渡り使える。クーリングファンオプションも魅力

投票理由(一部抜粋/編集)

あなたが選ぶベストレンズ賞:キヤノン「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」

  • 解像力の高さ、明るさ、インナーズームによる取り回しの良さ、全てが良かった
  • RF70-200 F2.8 Lにテレコン(エクステンダー)が遂に装着できるようになったから
  • 画質の綺麗さ・焦点距離・本体サイズともに一番魅力的なレンズ
  • ボディカラーが撮影シーンを考慮した白黒の2色から選べる
  • コンパクトで解像度、コントラスト、色味のバランスがすばらしい。エクステンダーも使えるのでとても気に入っている
  • 静止画と動画のハイブリッドレンズだが、静止画性能も素晴らしく、70-200mmF2.8の魅力が詰まっている
  • キヤノンの歴代70-200mmF2.8の最高傑作
  • Lレンズとしての光学性能の高さに加えて、望遠レンズの中でも接写性能が高い
  • 静止画撮影と動画撮影において高性能レンズであることを両立している
  • 高価ですが信頼できるレンズです
  • アイリスリングを搭載している点も良いと思う
  • ワイド端からテレ端まで高画質を維持し、手持ちでも問題ない取り回しの良さ
  • 同じ焦点距離、F値のレンズがあるにもかかわらず発売されたレンズで、描写も非常に良く、動画にも使いやすくなったレンズで評価できます
  • スペックのわりに小さく、エクステンダーで1.4倍、2倍にしても画質の低下が気にならない
  • インナーズームを採用してる点。また防塵防滴に優れており、ズームリングの取り回しも良かった

投票理由(一部抜粋/編集)

カメラ記者クラブ賞(企画賞):リコーイメージング「PENTAX 17」

デジタルカメラ全盛の現代において、フィルム写真の魅力と撮影体験を再評価する製品として登場。35mmフィルムを使用したハーフサイズフォーマットを採用することで、1本のフィルムで通常の倍の撮影が可能で、縦位置フォーマットで撮影を楽しむことができる。手動巻き上げレバーやゾーンフォーカス方式など、撮影者がカメラの操作を楽しめる設計となっており、あえて全自動化を避けることで、撮影者の個性や創造性を引き出すことを目指した。アナログ写真の楽しさを現代に伝える象徴的なカメラである点を評価し、「カメラグランプリ2025のカメラ記者クラブ賞 企画賞」に選定した。

選考理由

カメラ記者クラブ賞(技術賞):ニコン「Z50II」

最新の画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載し、人物や動物、乗り物など9種類の被写体を自動検出する高度なAF性能を実現。最大約30コマ/秒の高速連写や、シャッターを押す前の瞬間を記録できる「プリキャプチャー」機能を備える。また20種類の色調やトーンを簡単に設定できる「ピクチャーコントロール」、プロのレシピを取り込める「イメージングレシピ」により、撮影者の創造性を刺激する。バリアングル式液晶モニターや、5.6Kオーバーサンプリングによる高解像度4K動画撮影、ライブ配信対応など、充実した動画機能も搭載されている。これらの機能により、初心者から上級者まで幅広いユーザーに新たな撮影体験を提供するカメラである点を評価し、「カメラグランプリ2025のカメラ記者クラブ賞 技術賞」に選定した。

選考理由

本誌:宮本義朗