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報道写真の先駆者―写真家 名取洋之助展

(ミュゼふくおかカメラ館)

名取洋之助「アメリカ1937年」より
名取洋之助「アメリカ1937年」より

若くして1930年代のわが国に「報道写真」という最新の写真の読ませ方を導入した名取洋之助。外遊したアメリカではグラフ誌「LIFE」の日本人初契約写真家として活躍し、戦後は「岩波写真文庫」のために日本各地を取材、さらにヨーロッパのロマネスクに魅せられ写真集を上梓するなど、52歳で病没する直前まで世界を巡りカメラを離さなかったといいます。対外宣伝グラフ誌「NIPPON」ほか、報道写真発表の場として彼が携わった刊行物はその時代を象徴し、写真編集の立場で綴った「写真の読みかた」は、写真関係者の必携書として現在も読み継がれています。写真家の木村伊兵衛、土門拳ら、デザイナーの河野鷹思、亀倉雄策らと仕事を重ねた名取は報道写真の編集者やプロデューサーとして高く評価されたものの、優れた写真家であったことは忘れがちになっています。本展では1930年代から1960年代の欧米、日本、中国を活き活きと写した作品約140点を展示し、激動の時代の写真家・名取洋之助が、世界とどのように対峙したのか作品を通して見つめます。

(写真展情報より)

 白山眞理氏(日本カメラ博物館運営委員、本展監修)によるギャラリートークを2月9日(土)の14時から開催する。申し込み不要。

報道写真の先駆者―写真家 名取洋之助展

  • 会場:ミュゼふくおかカメラ館
  • 住所:富山県高岡市福岡町福岡新559番
  • 会期:2013年2月9日(土)~3月24日(日)
  • 時間:9時~17時
  • 休館:月曜(祝日除く)、2月12日、3月21日
  • 入館料:一般600円、大・高校生300円、小・中学生100円(土日祝日は高校生以下無料)

(本誌:武石修)