キヤノン「PIXUS PRO-10」「PIXUS PRO-100」発表会レポート
キヤノンは26日、インクジェットプリンターの発表会を都内で開催した。ここで主に写真愛好家向けの2モデルをレポートする。製品の詳細はキヤノン、ハイアマ向けA3ノビプリンター「PIXUS PRO-10」「PIXUS PRO-100」を参照されたい。
写真愛好家向けのA3ノビモデル3機種が揃った |
新たに登場するの「PIXUS PRO-10」(9色顔料インク)と「PIXUS PRO-100」(8色染料インク)はプロ向け最上位モデル「PIXUS PRO-1」に次ぐモデル。これら3機種をもって「写真作品専用設計“PIXUS PRO LINE”、完成」と謳う。
PIXUS PRO-10 |
PIXUS PRO-100 |
キヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長の川崎正己氏は、「写真愛好家向けに自信を持って提供できるプリンターができた」と紹介した。新モデルは、PIXUS PRO-1より安価にすることでより幅広いユーザーに訴求する。
キヤノンマーケティングジャパン取締役 専務執行役員 イメージングシステムカンパニープレジデントの佐々木統氏は、「ハイアマチュアが使用している中級機以上のカメラは(国内で)100万台以上あり、こうしたユーザーは大きなサイズのプリント作成にも積極的」と分析する。
レンズ交換式カメラの拡大でプリントニーズは高まってるという |
プロやハイアマチュアに求められる性能を実現したとする |
「日本で好まれる鮮やかな発色は染料インクのPIXUS PRO-100のほうが得意。どちらか迷っているのであれば、キヤノンとしてはPIXUS PRO-100をお薦めする。一方、PIXUS PRO-10はPIXUS PRO-100に比べて落ち着いた発色になるが、クロマオプティマイザーを塗布することで光沢感を出している」(説明員)とする。なお、長期間の保存性では顔料インクが有利だとしている。また顔料インクの方が、インクが乾いて安定するまで早いメリットもある。同社では顔料プリンター、染料プリンターのどちらかに偏って注力することは無いとしている。
PIXUS PRO-10では従来機に比べて色域を大幅に拡大したという | クロマオプティマイザーにより光沢均一性 |
PIXUS PRO-100は黒系インクを3色使いモノクロの階調性を向上させた | 両機ともインクの組み合わせを最適に決定するOIG Systemを採用する |
両機種でプロ向けのワークフローに対応する機能を搭載した |
従来は試し刷りを繰り返して作品を仕上げる場合もあったが、新機種では、ディスプレイ上のイメージをそのままプリントできる「PROモード」を搭載した |
同梱ソフト「Print Studio Pro」では各画像編集ソフトと連携して作品を仕上げられる。調整ミスを防ぐUIを採用することで作品作りに集中でき、生産性が高まるとしている |
他社製用紙のICCプロファイルも提供する | PIXUS PRO-10(左)とPIXUS PRO-100(右)の出力サンプル |
新機種のうちPIXUS PRO-10を上位モデルと位置づける。新機種の販売比率については、過去の実績からPIXUS PRO-10:PIXUS PRO-100を1:3程度と見込んでいる。価格については、インクの色数が多いことと販売台数がより少なくなることからPIXUS PRO-10の方が高くなったとしている。
PIXUS PRO-1とPIXUS PRO-10の違いは、PIXUS PRO-1がインクタンク容量などの点でプロユーザーのワークフローに対応している点を挙げた。画質については、PIXUS PRO-10はPIXUS PRO-1に迫る色域を実現したとしている。
6名の写真家に新モデルを使用してもらい、実際にプリントしたサンプルを会場に展示していた |
■桐谷美玲さんと芦田愛菜さん出演のPIXUS新テレビCMを公開
キヤノンは同日、家庭向けインクジェット複合機およびインクジェットプリンターも発表している。製品の詳細はキヤノン、「ロースタイル」「前面2段給紙カセット」など秋冬インクジェットプリンターを参照されたい。
家庭向けインクジェット複合機およびインクジェットプリンターの新モデル | 会場に駆けつけた桐谷美玲さん(左)と芦田愛菜さん(右) |
発表会にはPIXUSの新コミュニケーションパートナーとなる桐谷美玲さんと芦田愛菜さんが応援に駆けつけた。2人が出演する新テレビCMは10月4日から全国で放映する。会場では桐谷さんと芦田さんがCMのポーズを披露し来場者を沸かせていた。新CMでは2人が“スマートダンス”で新PIXUSを紹介する。
「新しいPIXUSの素晴らしいところをお伝えできるように、私もスマートに使いこなせるようにしたいです」(桐谷さん) |
「“スマートダンス”を覚えてみんなに踊って欲しいです」(芦田さん) |
新機種が高さを抑えたことをアピールするポーズ | 全機種で無線LAN機能を備えたことから電波が飛んでいるポーズも |
2人は写真に手書き文字を添えてプリントできる「フォトレター」の作品も披露した |
・新テレビCMの映像
2人は姉妹という設定で、「PIXUS登場期 Wi-Fi機能篇」と「PIXUS登場期 タッチでかんたん篇」を製作した。
■プロ・ハイアマ向けプリンターもトップシェア目指す
インクジェットプリンターでは2月以降にシェアを復活し、機種別ではナンバーワンになったという。2012年上半期の販売は、2011年および2010年を上回るペースだとしている。
国内インクジェットプリンター市場は、買い換え需要によって微増している |
年末商戦、シェア、写真愛好家向けモデルの全てでてトップシェアを目指す |
なお、2011年にタイの洪水でプリンターを生産するアユタヤ県のハイテク工場が被災し、一事生産が中断していたが、「当時タイに建設中だったラチャシマ工場をいち早く稼働させ安定生産を確立した」(キヤノン取締役インクジェット事業本部長の大塚尚次氏)という。現在はハイテク工場も復旧している。
2011年の年末商戦はタイ洪水の影響で大きくシェアを落としたが、2月にトップシェアを奪還した |
洪水で水没したタイのハイテク工場の様子 | 現在は復旧した |
被災後は170km離れたラチャシマ工場の稼働を前倒しした。ラチャシマ工場は高地にあり洪水の被害は無かった | ラチャシマ工場 |
左から佐々木統氏、桐谷美玲さん、川崎正己氏、同芦田愛菜さん、大塚尚次氏 |
2012/9/26 21:18