キヤノン、2009年は57.4%の減益、来期は50%超の増益目指す


 キヤノンは27日、2009年12月期(2009年1月1日~2009年12月31日)の連結業績を発表した。売上高は3兆2,092億100万円(前年同期比21.6%減、以下同)、営業利益は2,170億5,500万円(56.2%減)、純利益は1,316億4,700万円(57.4%減)。カメラやインクジェットプリンターなどのコンシューマー向け製品は下げ止まりの傾向を見せたものの、通期では減収減益となった。

 コンシューマビジネスユニットは、コンパクトデジタルカメラが需要の停滞と販売価格の下落を受け低迷したものの、デジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X3」や「EOS 7D」を中心として堅調に推移。インクジェットプリンターもアメリカやアジアを中心に販売台数を伸ばしたが、円高の影響を大きく受けて売上高は1兆3,012億円(10.6%減)、営業利益は1,835億円(17.8%減)となった。

 デジタルカメラの売上高は、2009年第4四半期では前年同期比16.5%と、前回の予想を上回る実績を得たものの、通年では同6.7%減。このうちデジタル一眼レフの比率は金額ベースで49%、台数ベースで18%。交換レンズは前年同期比12.5%減となった。

 オフィスビジネスユニットは、需要の低下によりネットワーク複合機とレーザープリンターの販売が伸び悩み、円高の影響も加わって、売上高は1兆6,451億円(26.8%減)、営業利益は2,294億円(49.8%減)となった。

 産業機器その他ビジネスユニットは、売上高3,580億円(31.5%減)、営業損失は760億円。半導体用露光装置の販売低迷に加え、液晶用露光装置でもパネルメーカーの設備投資手控えにより影響が出た。

 2010年の業績は売上高3兆4,500億円(7.5%減)、営業利益3,300億円(52%増)、純利益2,000億円(51.9%増)を見込む。為替レートを米ドルが90円、ユーロが130円と想定し、これを前提に直近の経済見通しなどを加味した。ただし、各国の景気対策や金融政策が効果を挙げてきてはいるものの、世界経済全体の本格的な回復にはなお時間を要すると見ている。

 コンシューマ市場では、デジタル一眼レフカメラの需要が堅調な拡大を続けるとともに、コンパクトデジタルカメラやインクジェットプリンターの需要も回復基調に向かうと予想し、売上高で前年比5.3%増、営業利益で同16.6%増を見込む。このうち交換レンズなどを含むデジタルカメラに関しては同4.5%増と予想した。

 オフィス市場と産業機器市場においても、緩やかな市況回復とともに需要も上向いていくと見ている。



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2010/1/28 14:36