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ソニー「VLOGCAM ZV-E10 II」体験会レポート

画質・AF・バッテリーなど強化 APS-Cラインの新スタンダードモデル

VLOGCAM ZV-E10 II。装着レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II」

ソニーは7月11日(木)、ミラーレスカメラの新モデル「VLOGCAM ZV-E10 II」の関係者向け体験会を都内で開催した。ここではその模様をお伝えする。

既報の通り、ZV-E10 IIはAPS-Cセンサーを搭載するEマウントのミラーレスカメラ。従来モデル「ZV-E10」の後継機ではあるが、機能を向上させて実質的には上位に位置するモデルとなっている。発売は8月2日(金)。

ZV-E10とα6700の中間のポジショニングになる

ノイズの少ない裏面照射型センサーを採用

進化点は多岐にわたるが、新イメージセンサーによる画質向上や新画像処理エンジン「BIONZ XR」による処理速度向上があり、様々な新機能が加わっている。

従来機との比較

VLOGCAMシリーズということで動画性能も高めているが、従来機のユーザーは動画のみならず写真も多く撮影していることから、AFを強化するなど静止画撮影にも力を入れたカメラとなっている。

主な進化点
新レンズの「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II」を装着したところ
ホワイトもラインアップする

撮像素子は画素数が増えたほか、裏面照射型になり高感度性能がアップ。最高感度も高く設定できるようになった。ノイズが少なくなったことから色調も向上したとのこと。

イメージセンサーのサイズはAPS-C相当だ

色味を変えるクリエイティブルックも新搭載

美肌効果を使った際も色調表現が向上したほか、簡単に色味を変えられるクリエイティブルックやシネマティックVlog設定も搭載した。

クリエイティブルックでは、フィルム調やセピア調、モノクロなど様々に設定できる。例えばフィルム調の「FL」は撮って出しでも印象的に仕上げることができるそうだ。

クリエイティブルック:Standard
クリエイティブルック:FL
クリエイティブルックの例

AFでは静止画、動画とも位相差測距点が大幅に増えたほか、カバー率も広がっているという。瞳AFやトラッキングでは新たに「鳥」が加わった。

素早く動いている子供にもスッとピントが合った
動物瞳AFの例。犬の目にしっかり合焦している
撮影時の画面(動物瞳AF)※カメラのHDMIから出力
撮影時の画面(人物)※カメラのHDMIから出力

静止画の連写性能も向上し、特にJPEGでは1,000枚以上を高速連写できるようになった。動きものの撮影でも途切れること無くシャッターが切れる。またカードスロット(シングル)は従来UHS-Iだったところ、UHS-IIに対応した。

大容量バッテリーに対応

本体サイズは従来機をほぼ引き継いでいるが、グリップを大きくして持ちやすくした。またバッテリーが上位モデルと同じ「NP-FZ100」になったことで、従来モデルよりも約1.4倍ほど撮影可能枚数が増えている。USB充電/給電はこれまでもできたが、新たにUSB PDにも対応した。

バッテリーはNP-FZ100を新採用

背面モニターもより見やすくなった。動画撮影時には赤枠も表示される。

引き続きバリアングルモニターを採用

動画記録ではこれまで非対応だった、より高画質な記録も可能になった。4Kでは60pで滑らかな動画を撮影できるようになったほか、4:2:2 10bitやイントラ形式といった高度な後処理にも対応できるフォーマットに対応した。

手ブレ補正では、アクティブモードが進化した。これまでアクティブモードOFF時は1.2倍のクロップだったが、今回クロップがなくなった。そのため、アクティブモード時に補正に使えるマージンが増え、より強力な補正が可能になっている。

手ブレ補正「動画:アクティブ」の例。歩きながら撮影しているがかなりブレを抑えられている

音声関連では上位モデルの「ZV-E1」と同じ3カプセルのマイクを搭載。指向性を選択できるようになった。ウインドスクリーンも付属し、装着することで風切り音をかなり減らすことができる。

ウインドスクリーンを装着したところ

縦位置で自動的にレイアウトが回転

シネマティックな動画表現ということでは、肌のトーンを美しく再現する「S-Cinetone」を新搭載した。また、カメラにLUTを転送して適用できる「PPLUT」も利用できるようになった。加えてブリージング補正(対応レンズ使用時)も可能になっている。

縦位置に構えたときに、撮影情報のレイアウトが縦向きに自動的に切り替わるようになった。スマホ向けなど縦位置で動画を撮る際にも便利な機能だ。ソニーでは初の搭載となる。

縦位置表示の例

そのほかライブストリーミング機能を強化したり、カメラのリモコンなどとして使える「Creator's APP」への対応といった便利な新機能も盛り込まれている。

新レンズも登場

本体と同時に新レンズ「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II」が登場する。従来モデルからAF機能や動画での性能を向上させた”2型”となる。

鏡枠沈胴方式で、ズームスイッチも搭載している
こちらはシルバーの同レンズ

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。