ニュース

OM SYSTEM「E-M1 Mark lll」に天体撮影専用モデル

「ボディーマウントフィルター」が同梱

OMデジタルソリューションズ株式会社は、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ「OM SYSTEM E-M1 Mark lll ASTRO」を7月25日(木)に発売する。直販価格は税込32万7,800円。

「OM-D E-M1 Mark lll」(2020年2月発売)をベースに特殊なチューニングを施した“天体撮影専用カメラ”。天体写真愛好家に人気の高いという、赤い星雲も鮮やかに撮影できるのが特徴。天体以外の一般的な被写体の撮影は非推奨としている。

E-M1 Mark lll都の外観上の違いは、「ASTRO」マークの有無のみ
Hα線の効果比較
「OM SYSTEM E-M1 Mark lll ASTRO」で撮影。手持ちハイレゾショット 1枚撮り(60秒、F2.8、ISO 5000)。光害カットフィルター「BMF-LPC01」使用。赤道儀使用。ソフトウェアで画像処理済み
「OM SYSTEM E-M1 Mark lll」で撮影。手持ちハイレゾショット 1枚撮り(60秒、F2.8、ISO 5000)。赤道儀使用。ソフトウェアで画像処理済み

天体撮影で重要となるHα線の透過率が約100%となるよう、イメージセンサーの前方に配置するIRカットフィルターの光学特性を最適にチューニング。そのため、一般的なデジタルカメラでは撮影が難しいとされている、Hα線により発光する星雲の形と色を鮮やかに捉えられるという。

E-M1 Mark lllに搭載された「手持ちハイレゾショット」も利用可能。この機能を三脚や赤道議に固定して使用することで、天体写真でよく使われる、いわゆる「スタッキング処理」をボディ内で行うことができる。画像の高精細化やノイズ低減といった効果が得られるとしている。

手持ちハイレゾショットは、撮影中に発生するわずかな位置ずれを利用して、16回撮影した画像をもとに約5,000万画素の高解像写真を生成する機能。例えば三脚に固定した状態でこの機能を利用すると、日周運動による星の動きが補正された合成画像を生成できるという。赤道儀との組み合わせでは、追尾誤差で生じる星のずれが補正された合成画像を生成できる。

そのほかにもE-M1 Mark lllから、星空AFやライブコンポジット機能といった、星空撮影に活用できる機能を踏襲している。USB給電も同じく可能で、長時間におよぶ撮影にも対応するという。

カスタムモードC1、C2には、あらかじめ星空撮影に便利な設定がセットされている(変更可能)。

「OM SYSTEM E-M1 Mark lll ASTRO」で撮影。M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0を装着(20秒、F2.0、ISO 5000)

ボディ内フィルターも登場

製品には2種類の「ボディーマウントフィルター」が付属する。マウント部とイメージセンサーの間に装着して使用するもので、レンズ交換をしても同じ効果が得られるのが特徴の1つ。7月25日(木)よりそれぞれ単品販売も実施する。

ひとつ目は光害カットフィルター「BMF-LPC01」。街明かりや街灯などの人工光源による光をカットして、夜空に色かぶりが生じるのを防ぐ。単品での希望小売価格は税込5万2,250円。

光害カットフィルター「BMF-LPC01」

2つ目はソフトフィルター「BMF-SE01」。点光源をにじませて強調する効果が得られるため、星や星座を際立たせることができるという。輝きの強い星ほどにじんで大きく写せるほか、星の色も強調できる。単品での希望小売価格は税込3万7,400円。

ソフトフィルター「BMF-SE01」

いずれのフィルターも、E-M1 Mark lllのほか「OM-1」「OM-1 Mark ll」に対応する。

「OM SYSTEM E-M1 Mark lll ASTRO」で撮影。手持ちハイレゾショットを活用した、計96枚の加算平均合成画像。赤道儀使用
「OM SYSTEM E-M1 Mark lll ASTRO」で撮影。手持ちハイレゾショットで撮影した画像2枚を加算平均合成。赤道儀使用
本誌:宮本義朗