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ソニー、新構造の“2層トランジスタ画素積層型”CMOSセンサーを採用した「Xperia 1 V」。低照度性能が約2倍向上

ソニーは、スマートフォン「Xperia 1 V」のSIMフリーモデル(XQ-DQ44)を7月中旬以降に発売する。カラーはブラック、カーキグリーン、プラチナシルバー。価格はオープン。店頭予想価格は税込19万5,000円前後。キャリアモデルは6月中旬以降に発売予定だという。

Xperiaシリーズのフラッグシップモデルを意味する“1”シリーズに属する製品。新開発の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」を採用し、低照度性能をXperia 1 IV比で約2倍(24mm相当カメラ同士での比較)に向上したのが特徴。

リアカメラの構成は次の通り。
・16mm相当F2.2(Exmor RS。1/2.5型・12MP)
・24mm相当F1.9(Exmor T。1/1.35型・有効48MP・12MP記録。OIS)
・85-125mm相当F2.3-2.8(Exmor RS。1/3.5型・12MP。OIS)

Xperia 1 Vが採用するExmor Tは、センサーサイズが従来の1.7倍になり、加えて画素構造を2層分離とした。1層目はフォトダイオードの容量を拡大して取り込む光を最大化し、2層目はトランジスタを拡大して耐ノイズ性能を最大化。2層に分離することで、それぞれを拡大できるのが特徴だとしている。

新開発イメージセンサー「Exmor T for mobile」のイメージ

24mmカメラのExmor Tセンサーは「マルチアスペクトレシオ イメージセンサー」とし、アスペクト比は4.3:3。16:9の動画撮影時にも有効エリアを約20%広く確保できるため、手ブレ補正が向上するという。解像度はフルアスペクト時で52MP、静止画および動画撮影時の有効エリアは48MPとなる。

ソニーのCMOSセンサーは、裏面照射型のExmor Rで高感度を実現し、積層型のExmor RSで小型かつ高感度を実現してきた。Xperia 1 Vにおいても、24mm相当カメラ以外では積層型のExmor RSを採用している。

AF機能は、デジタルカメラαシリーズの技術と「AI深度推定」を組み合わせて高精度化。AF/AE追従最高30コマ/秒の連写が可能。AI深度推定はリアルタイムの撮影映像をもとに、AIで深度情報を推定することで、ToFセンサーが苦手としていた被写体(遠くや画面の端にあるもの)にも高精度でAFできるという。ほかにもホワイトバランスや露出決定にAI技術を活用する。

動画撮影向けには、カラーグレーディングを施さなくても人肌の質感をきれいに描写するという「S-Conetone for mobile」を搭載。暗部ノイズを抑えてソフトな色合いの映像になるとしている。静止画/動画で共通の絵作り機能には、6種類の「Creative Look」を用意。

Photo Pro、Video Pro、Cinema Proがピーキング表示に対応した
ミラーレスカメラαと接続し、モニタリングしながらXperiaのストレージに保存できる
動画ライブ配信中にチャット閲覧が可能

また、Vlog撮影向けの機能として、同社VLOGCAMに搭載されている「商品用レビュー」のAF設定を搭載。指向性のある「声優先マイク」をトリプルカメラの部分に備え、正面の被写体の声を鮮明に収音するという。

搭載ディスプレイは6.5"(アスペクト比21:9)。4K HDR/120Hz表示に対応。

チップセットはSnapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform。ネットワークは5G Sub6に対応。メモリ容量は16GB RAM+512GB ROM。最大1TBのmicroSDカードを使用可能。3.5mmヘッドフォン端子を搭載している。バッテリー容量は5,000mAh。ワイヤレス充電(Qi)が可能。

外形寸法は165×71×8.3mm。質量は187g。

キックスタンド付きの純正カバーも用意する
紙素材を用いた新パッケージ。プラスチック不使用
本誌:鈴木誠