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タムロン、眼底カメラ用の超広角レンズを開発。散瞳剤が不要に

奈良先端大の「近赤外光カラー眼底カメラ」に搭載

株式会社タムロンは、奈良先端科学技術大学院大学と共同で、広角撮影が可能な眼底カメラを研究開発。9月13日の第82回応用物理学会秋季学術講演会において「超広角近赤外カラー化眼底カメラの開発」として発表した。

タムロンが設計した超広角レンズを、奈良先端大で開発された近赤外光カラー眼底カメラに組み込むことで、約180度の視野角を得られたという。これにより瞳孔を拡げるための散瞳剤(点眼薬)を使用することなく、より広範囲の眼底像を取得できるようになったとしている。普及型の眼底カメラは視野角が60度程度で、眼底の一部しか検査できていないという。

なお、第82回応用物理学会秋季学術講演会の講演情報によると、この超広角レンズは2,500万画素クラスのAPS-Hサイズセンサーに対応。近赤外照明を用いた眼底カメラは、被験者が眩しさを感じないことが特徴となっている。

現在、日本人の主な失明原因である緑内障、網膜色素変性症、糖尿病網膜症の早期発見には定期的な眼底撮影検査が有効だとしており、より広い視野角で眼底を撮影・検査できれば、早期発見の確率を大幅に改善できる可能性があるとしている。

本誌:鈴木誠