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ソニー、単露光方式で広ダイナミックレンジを実現。セキュリティカメラ向け1/1.2型CMOSセンサー

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は6月29日、セキュリティカメラ向け1/1.2型CMOSセンサーを商品化したと発表した。サンプルの出荷は7月を予定している。

センサーの名称は「IMX585」。高感度性能とHDRの両立化を図ったという技術「STARVIS 2」を独自開発で搭載。これまでのセンサーでHDRを実現するためには、異なる時間で撮影した複数枚の画像を重ね合わせる多重露光方式で撮影する必要があることから、特に動体撮影時にAIの誤認識の原因となるノイズが発生していたのだという。

新センサーに搭載されたSTARVIS 2では、画素サイズを大きくすることなく、88dbのダイナミックレンジを獲得。単露光方式による撮影を可能としたことでノイズの発生を低減したとしている。

また、近赤外領域における感度も向上。近赤外光の吸収率を高める独自のデバイス構造の採用(受光部の光の入射面に凹凸を設けることで入射光を回折させる仕組み)により、夜間など光量に乏しいシーンでも高い画質が得られるとしている。

カラーフィルターの配列はベイヤー方式を採用。有効画素数は約841万画素。

同センサーの開発背景について、同社は「セキュリティカメラの市場の拡大に伴い、高感度に加えHDRを実現する高い撮像性能を持ち、さまざまな環境下での撮影に応えるイメージセンサーが求められています」と説明。24時間の稼働に対応し、かつ動体の認識にも対応できる性能が求められているとして、高精度なモニタリングに応えられる製品だとアピールしている。

本誌:宮澤孝周