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エプソン、「エコタンク」搭載プリンターに全色顔料インクを採用

低コスト訴求のビジネス機 設置性・画質・生産性を向上

エプソンは、「エコタンク」を搭載するインクジェット複合機4モデルを7月9日に発売する。機種は「PX-M6712FT」「PX-M6711FT」「PX-M791FT」「EW-M5610FT」。いずれもは価格はオープン。

今回新たにラインアップされた4モデルは、ビジネス用途など大量印刷時の低コストを訴求するエコタンク搭載の新モデル。従来のエコタンク搭載モデルの特長に加えて、設置性、画質、生産性も高めたとしている。

「エコタンク」とは、本体に搭載している大容量のインクタンクのこと。ランニングコストを抑えつつ、インクボトル1本あたりの印刷可能枚数を増やすことで、トータルコストや消耗品交換の手間を軽減できるとしている。A4モノクロ印刷の場合、1枚当たり約0.8円。インクボトル1本につき約7,500枚の印刷が可能という。

また、同社はエコタンク搭載モデルの強みとしてインクボトルの価格の安さをあげている。レーザープリンターの場合、ブラックのトナーは1本あたり税別1万3,800円で、A4モノクロ約6,300枚の印刷を可能としている。エコタンクのインクボトルの場合、上述の通り7,500枚の印刷で1本あたり税別5,200円。印刷におけるコスト面で、エコタンク搭載モデルに優位性があり、長く使うほどトータルコストに差が出るとしている。

※価格は参考価格。

新たな3つの価値

同社は、これまでのエコタンク搭載モデルでは実現できなかった価値を提供するために、新商品の開発ポイントとして「高い設置性」「高画質」「高生産性・使い勝手」の3つの価値を実現したとしている。従来からのエコタンク搭載モデルの強みである低コストと手間の軽減に、この3つの価値をプラスすることで、SOHO(small office home offce)や店舗のバックヤード業務に応えるビジネス向けとしての使い方を提案している。

高い設置性

本体をコンパクトかつシンプルに設計したことで、従来機よりもサイズダウンさせたという。同社は、狭い店舗のバックヤードでも設置がしやすいとしている。また、印刷時の省スペース化も図ったという。排紙トレイは使用時のみに出てくる仕様となっており、印刷ジョブのA4とA3を見分けて自動で排紙トレイの開放幅を調整するという。

高画質

全色顔料インク(EW-M5610FTのみカラーは染料)の使用で高画質を実現しているという。濡れてもにじみにくい、マーカーを引いてもにじみにくい、裏移りしにくい点が顔料インクの特長であり、ビジネスの用途でも安心して使用ができるとしている。同社はエコタンク搭載モデルに対応したビジネスインクとして「DURABriteET(デュラブライトイーティー)」を開発。耐久性を意味するDurabilityを語源とした。

プリンター側の工夫としては、文字を読みやすくするために、文字の輪郭の滲みを抑えて可読性を向上させたほか、バーコードモードを搭載し、印刷したバーコードの認識率を向上させたとしている。

このほか、大量印刷時の紙・インクの無駄を抑制することを目的としたノズル自己診断システムを搭載し、ノズル抜けを自動的に検知して画質を調整するという。

高生産性・使い勝手

ビジネスでもストレスなく使用できるように、ファーストプリントまでの時間を短縮させたという。あわせて、両面印刷の速度や、スキャン速度も向上させたとしている。

エコタンク搭載により一度のインク交換で大量印刷を可能としたほか、本体前面にインクタンクを配したことで、メンテナンスボックスを含めた交換作業をしやすくしたとしている。なお、インクタンク設置部は残量の確認もできる仕様となっているという。

給紙容量を増やしたことで、用紙補充の手間を軽減したという。このほか、耐久性の向上も実現させたとしている。印刷量の多い業務用途でも安心して使用できるという。

PX-M6712FT/PX-M6711FT

A3カラー印刷に対応するインクジェットプリンター。エプソンダイレクトショップでの販売価格はPX-M6712FTが税別13万9,980円。PX-M6711FTが税別10万9,980円。

FAXやADF機能、A3スキャンにも対応。2機種の違いは印刷速度と出張保証の有無。全色顔料インクを使用するモデル。

従来機のEW-M5071FTと比較して、体積比で30%ダウン、面積比で20%ダウンさせ、省スペース化を実現したという。

主な製品の仕様

最大用紙サイズ:A3ノビ
ランニングコスト:2.0円(カラー)/0.8円(モノクロ)
ファーストプリントタイム:5.5秒(カラー、PX-M6711FTは8.5秒)/5.5秒(モノクロ)
耐久性:20万枚
給紙容量:550枚
インク:全色顔料(ブラック・シアン・マゼンタ・イエロー)
インクタンク容量:約6,000枚(カラー)/約7,500枚(モノクロ)
外形寸法:515×500×350mm

PX-M791FT

PX-M6712FTのA4モデルに位置づける製品。エプソンダイレクトショップでの販売価格は税別8万9,980円。

自動両面印刷も可能で、Wi-Fiでの通信にも対応している。

主な製品の仕様

最大用紙サイズ:A4
ランニングコスト:2.0円(カラー)/0.8円(モノクロ)
ファーストプリントタイム:5.5秒(カラー)/5.5秒(モノクロ)
耐久性:20万枚
給紙容量:550枚
インク:全色顔料(ブラック・シアン・マゼンタ・イエロー)
インクタンク容量:約6,000枚(カラー)/約7,500枚(モノクロ)
外形寸法:425×500×350mm

EW-M5610FT

A3ノビプリントとA4スキャンにに対応するモデル。エプソンダイレクトショップでの販売価格は税別6万9,980円。

カラー印刷1枚当たり0.9円という低コストが特徴となっている。インクはブラックが顔料でカラーが染料。

2.7型の液晶パネルを採用している。自動両面印刷も可能で、Wi-Fiでの通信にも対応している。

主な製品の仕様

最大用紙サイズ:A3ノビ
ランニングコスト:0.9円(カラー)/0.4円(モノクロ)
ファーストプリントタイム:15秒(カラー)/9秒(モノクロ)
耐久性:10万枚
給紙容量:270枚
インク:顔料1色(ブラック)、染料3色(シアン、マゼンタ、イエロー)
インクタンク容量:約6,000枚(カラー)/約7,500枚(モノクロ)
外形寸法:498×358×245mm

本誌:宮本義朗