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ケルンメッセ、「フォトキナ2020」の出展取りやめ企業に言及

ケルンメッセ(2016年9月。編集部撮影)

Koelnmesse GmbHは9月17日、2020年5月27日から30日にかけて開催する「フォトキナ2020」に関するプレスリリースを配信。その中に、出展を取りやめたカメラメーカーに関する言及が見られた。

フォトキナはドイツ・ケルンで1950年代から開催されている写真・映像関連の見本市。世界各国から大小様々な出展者が集まる商談の場であり、各社が大型新製品をメディアに披露する場としても知られている。前回のフォトキナ2018では、パナソニックLUMIX S1R/S1、Lマウントアライアンス(ライカ、パナソニック、シグマの協業)、富士フイルムGFX100、リコーGR IIIといった話題が注目を集めた。

フォトキナ2020のプレスリリースでは、「古典的なカメラ市場はセールスを落としているが、写真の楽しみは増え続けており、写真需要の増加に好ましい影響がある」と前置き、過去2回の開催で若い来場者が継続的に増えたことや、フォトキナという見本市への注目度は依然として高いとアピールしている。

続けて出展企業であるキヤノン、CEWE、GoPro、ソニー、パナソニック、コダック アラリス、シグマ、タムロン、カールツァイス、ハッセルブラッド、ハーネミューレ、ARRI、RODE、DJI、Insta360といった名前を挙げて期待を寄せつつ、「出展を取りやめたライカ、ニコン、オリンパスとは対照的だ」という旨を、こちらも名指しで記載している。

基本的に隔年開催だったフォトキナは、2018年9月の開催を最後に毎年開催へ切り換えることで「変化の速い時代にマッチした見本市になる」と強調。しかし2019年5月に開催を予定していた"フォトキナ2019"は、「フォトキナ2018の成功により次の目標設定がとても高く、7カ月では同じ状況を作り出せない」との理由で開催中止となった。

筆者が取材してきた2012年以降のフォトキナは、来場者数は横ばいだが、展示エリアの面積は縮小傾向という印象。フォトキナが自らの強みとアピールする出展企業の顔ぶれも、いわゆる大手カメラメーカーから"変化の速い時代"の象徴といえるスマートフォンメーカーなどの方面にシフトしている。今回の発表内容からは、カメラ業界のみならず、いわゆる大規模見本市のあり方にも時代の波が訪れていることが感じられた。

本誌:鈴木誠