ニュース

アップル、拡張性を大幅に強化した新型Mac Pro

最大28コアのXeonを搭載 GPUも新しい接続方式に

アップルは6月4日、開発者向けイベント「WWDC 2019」で、デスクトップ型Mac Proを刷新・発表した。発売時期は今秋の予定で、米国での販売価格は5,999ドルからの予定となることがアナウンスされている。

筐体を2013年に発売された円筒形のものから刷新。前後にパンチングメタルのような通風孔が設けられた箱型の形状となった。材質はフレームがステンレススチール、ハウジングはアルミニウム製。ハンドル部を含めた外形寸法は、高さ52.9×幅21.8×奥行き45.0cm。重量は約18.0kg。

内部

CPUはIntel Xeonプロセッサーを採用、8、12、16、24、28コアから選択することができ、最大となる28コアの場合、クロック数は2.5GHz、スレッド数56となる。同社の公表しているスピード比較では、Adobe Photoshopのフィルター処理で前世代12コアのモデルに比べて、28コアのモデルは4.2倍の処理速度を実現しているとしている。

ストレージはSSDを採用。256GB、1TB、2TB、4TBから選択できる。

メモリーは12スロット(6チャンネル、DIMM)設けられており、最大1.5TBまでサポート(8コアプロセッサは2,666MHzで動作、12コア〜28コアプロセッサは2,933MHzで動作)する。

GPUにはMPXという独自のモジュール構造(Apple MPX Module)が採用された。最大で8台の4Kディスプレイ、または4台の5Kディスプレイをサポートする「AMD Radeon Pro Vega IIデュオ」が選択できる。同時発表された32インチRetina 6Kディスプレイ「Pro Display XDR」は4台まで接続できるとしている。

8Kビデオの編集ニーズに向けて、8K ProRes RAWビデオストリームを3本まで同時再生できるアクセラレーターカード「Apple Afterburner」も用意されている。

拡張スロットは、2基のMPXまたは4基のPCI Express x16(排他)スロットを含めた計8基を有しており、拡張性に乏しいと言われてきた前モデルから一新して、使用環境やニーズに応じた柔軟なカスタマイズが可能になるとみられる。

セキュリティコプロセッサとして「T2」を搭載しており、ストレージの暗号化やセキュアブートに対応する。

外部インターフェースは、背面側が、USB 3.0×2、Thunderbolt 3×4、10Gigabit Ethrnet×2。天面に最大40Gb/sと最大10Gb/秒をサポートするUSB Type-Cポートと、DisplayPortを備える。

Wi-Fiは、IEEE 802.11a/b/g/n/acモジュールを搭載。Bluetooth 5.0も備える。

天面
背面
同時発表のPro Display XDRと組み合わせた状態

本誌:宮澤孝周