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富士フイルム新レンズ「8-16mmF2.8」「200mmF2」続報
ついに正式発表された大口径の超広角ズーム&望遠単焦点
2018年7月20日 18:40
富士フイルム株式会社は7月20日、これまで開発ロードマップに存在していた2本のレンズを正式に発表。超広角および望遠域でのラインナップを強化した。
同日に行われた発表会では、富士フイルム株式会社光学・電子映像事業部長の飯田年久氏が登壇し、それぞれの狙いと特徴を語った。
発表されたのは、超広角ズームレンズの「XF8-16mmF2.8 R LM WR」と、開放F2の望遠レンズ「XF200mmF2 R LM OIS WR」。どちらもすでにスペックなど詳細を記事にしているので、あわせて読んでいただければと思う。
XF8-16mmF2.8 R LM WR
これまでのXレンズになかった、開放F値F2.8の超広角ズームレンズ。このレンズの登場で、標準ズームレンズXF16-55mmF2.8 R LM WR、望遠ズームレンズXF50-140mmF2.8 R LM OIS WRとあわせ、いわゆる大三元が揃うことになる。このレンズにもF2.8シリーズ一員の証としてレッド・バッジがついている。
121度の対角画角を実現するため、前から2枚目には、大口径46mmの非球面レンズを使用。絞りより後ろのバックセッションではバックフォーカスを短く取れるミラーレスカメラの特徴も生かした。
結果、F2.8固定の超広角ズームレンズとしてはかなり小型に仕上がっている印象だ。
絞りリングももちろん装備。クリックストップは1/3段刻み。
被せ式のレンズキャップが付属する。
発表会でこのレンズによる作品を披露した写真家の織作峰子さんは、以下の感想をコメントした。
「12mm相当の広い画角により、大きな被写体を1画面に捕らえられる」
「F2.8の明るさで星を撮るのにも有利」
「X-H1との組み合わせでバランスのとれた重量感」
「手ブレ補正機構は搭載されていないが、X-H1ならボディにあるので安心」
「富士フイルムの一番の強みは色再現」
XF200mmF2 R LM OIS WR
35mm判換算にして焦点距離305mm相当の望遠レンズ。APS-Cサイズのイメージセンサーに特化した設計とはいえ、この画角で開放F2の明るさはインパクト大。その割に小ぶりなサイズに収まったところに、Xシステムのメリットが現れている。鏡筒はマグネシウム製で、軽量化にもこだわった。
白色系の鏡筒はXレンズ初。ホフワイトではなくメタリックな輝きを持つマットシルバー塗装が施されている。これは屋外での気温対策のためで、ブラック塗装に比べて20度近く温度上昇を抑えるという。
最前面には面精度0.03μmの100m径レンズを採用。レンズを東京ドームの面積に比すると、髪の毛1本程度の精度が求められるという。続くレンズにもスーパーEDガラスなどを用い、望遠レンズにつきものの軸上色収差を丁寧に取り去ったとする。
絞りより後ろのレンズは、ミラーレスカメラの構造により小型化が可能になったという。フォーカスレンズ群は高トルクのリニアモーターで駆動され、AF合焦時間は0.217秒を誇る。発表会場で実際に試して見たところ、確かに高速で静かだ。
フォーカス・リミッター、フォーカス・セレクト・スイッチ、フォーカス・プリセット・ボタンも装備。
三脚座は取り外せない。4カ所にクリックストップがあり、下方向以外にも回転させて留めることができる。
特徴的な緑のラインがあしらわれたレンズフード。XレンズにこうしたFUJINONロゴがつくのは初めて。
レンズフードにはPLフィルターを操作するための切り欠きが設けられている。
レンズフードをつけて写真家の佐々木啓太さんに構えてもらった。「軽いしAFが速い」とのこと。
その他、テレコンバーターのXF1.4X TC F2 WRは、開放F2に合わせた専用設計だ。
発表会に参加した写真家のジョン・ルーク氏は、このレンズをル・マン24時間耐久レースで使用した際の経験を語った。
「とにかく軽い。1週間使ったが一度も一脚を使っていない」
「開放F2は被写体がくっきりと浮かび上がる効果がある」
「シャープさも際立っている」
「早朝、日没間際の暗い環境でも、高速シャッターで撮れる」
「シャッター速度が稼げるので、揺れるヘリの中でもいままでより楽に撮れた」