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カラーネガフィルム「フジカラーREALA」が未来技術遺産に登録

人の眼が見たままに近くなる"第4の感色層"を導入

カラーネガフィルム「フジカラー REALA」

富士フイルム株式会社は9月5日、同社が販売していたカラーネガフィルム「フジカラーREALA」(リアラ)が独立行政法人国立科学博物館により重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)に登録されたと発表した。

フジカラーREALAは世界で初めてとなる「第4の感色層技術」を導入し、1989年2月に発売。人間の眼の光応答理論などの研究により、従来は困難だった紫や黄緑といった微妙な色の忠実再現を目指した。これにより写真の色再現性を飛躍的に向上させた点が、今回の登録において高く評価された。

人間の眼には青、緑、赤の色知覚があるが、青緑光が増えると赤成分が減少したように感知されるという。そのため、青緑光に感光し、現像時に現像抑制剤を放出することで赤の感色層の現像を抑制する第4の感色層(CL層、Color correction Layer)を設けた。

同製品の主な技術には、現像抑制剤の放出を行うために2段階の化学反応を起こす「新抑制剤レリーサー」、感度を損なわずにハロゲン化銀粒子の体積を1/3まで縮小した「新感光核形成技術」も使用された。

本誌:鈴木誠