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4月20日オープン「ライカGINZA SIX」内覧会レポート

かつて松坂屋銀座店があった銀座6丁目の地に、新しい商業施設「GINZA SIX」が完成した。その5階「ファッション&ライフストア」のフロアには、国内10店舗目となるライカ直営店が入る。4月20日の一般オープン前に店内を取材してきた。

ライカGINZA SIX

「ライカGINZA SIX」は、2006年にオープンした日本国内のフラッグシップストア「ライカ銀座店」から300mの距離にある。路面店として重厚な造りで、いささか敷居の高さも感じさせるライカ銀座店に対し、ライカGINZA SIXはガラス張りの開放感ある店構えで棲み分ける。また、6階の「銀座 蔦屋書店」には圧巻の写真集コーナーが用意されており、写真愛好家はこちらも見逃せない。

白を基調とした店内には、カメラのほかにアクセサリーやアパレル類も豊富に並び、通りがかった一見客にもアピールする。店舗内には作品12点を飾れるギャラリースペースも用意。奥に写真集の閲覧・購入が可能なコーナーを設ける構成は、ドイツ・ウェッツラーのライカ本社内にあるストアにも通じる作りだ。

同店オープンの記念モデルとしては、既報のとおり「ライカQ “GINZA SIX”」と「ライカTL エアロコンセプトエディション」が発表されている。

ライカQ “GINZA SIX”の2色
ライカTL エアロコンセプトエディションの展示。菅野氏により傍らに置かれたブレッソンの写真集や、同じく縮み塗装が施された名刺入れ(非売品)などは付属しない。

ライカTL エアロコンセプトエディションは、航空機部品を作る精密板金の技術を活かしてキャリングケースなどを製作する「エアロコンセプト」とのコラボレーションアイテム。限定5台・税別175万円で受注生産される。

同ブランドを手がける職人 菅野敬一氏がライカを愛用していることから実現したコラボレーションで、4月14日のGINZA SIX内覧会に出席していた菅野氏によると、縮み塗装はライツの引き伸ばし機であるフォコマートや、ライカM3用広角レンズの"メガネ"アタッチメントなど、高級な精密機器であることを連想させる昔ながらの質感を今に伝える。幼い頃からそれらに触れてきたという菅野氏自身のノスタルジーもあり、今回のジュラルミンケースにも縮み塗装(縮緬塗装とも呼ばれる)を施した。

菅野氏は長年のライカ好きとして、ジュラルミンケースの中に収まるカメラは伝統のM型ライカを望んだというが、実際に目にしたライカTLは「ライカIfに赤ズマロンで撮っていた頃を思い出した」そうで、納得のコンビネーションとなった。"赤ズマロン"とは1950年代のライカ用28mm広角レンズで、菅野氏はそれを距離計もファインダーもないカメラに取り付け、ノーファインダーでスナップ撮影をしていた。そのため、最新のミラーレスカメラであるライカTLには、ちょうど2016年に「ズマロンM 28mm F5.6」として復刻された赤ズマロンがマウントアダプター経由で組み合わされた。

ちなみに、GINZA SIXの6階にはエアロコンセプトのキャリングケースや名刺入れを販売しているコーナーがあり、ショーケースの中にはライカも一緒に並んでいた。

4月18日に行われたオープニングレセプションには、ライカカメラ社主のアンドレアス・カウフマン氏が出席。エルンスト・ライツの命を受けたパウル・シュミットが1896年に設立した「シュミット商会」において1925年からライカの輸入販売が始まった時からの、ライカと日本の歴史を振り返った。

また、2006年に世界で初めてのライカ直営店であるライカ銀座店がオープンしてから、現在では世界で70以上のライカストア(直営店)と230のライカブティックに発展したことを紹介した。

ライカカメラ社主のアンドレアス・カウフマン氏

店内ギャラリーで展示を行っているマーク・デ・パオラ氏は新店オープンに寄せて、ライカとはジャーナリズム、アート、歴史など、真実を捉えようとする誰にも使えるカメラであるとコメント。1976年に購入してから41年間使い続けているというノクティルックス50mm F1のレンズを、デジタルのライカM-Pサファリに組み合わせていた。

マーク・デ・パオラ氏

GINZA SIXの所在地は東京都中央区銀座6丁目。営業時間はライカGINZA SIXが10時30分〜20時30分、銀座 蔦屋書店が9時〜23時30分、レストラン・カフェが11時〜23時30分。

今後、店内のテーブルや大型モニターを使ってワークショップなどのイベントも行っていきたいという。
4月18日はGINZA SIX内の他店舗も招待客を迎え、夜遅くまで大変な賑わいだった。

本誌:鈴木誠