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第8回新宿クラシックカメラ博の注目アイテムはこれだ!
8月22日まで 土日には写真家のトークショーも
2016年8月19日 07:00
今年も暑い夏がやってきた。と言っても季節そのもののことではなく、新宿高島屋で開催される「新宿クラシックカメラ博」のことだ。
オールドカメラファン、オールドレンズマニアにとって毎年恒例の大切な中古カメラの展示即売会であり、8回目を迎える本年は、8月16日(火)から8月22日(月)までの7日間、同デパート11階催会場にて開催されている。
デジタル一眼レフカメラも多数並ぶ
今回は21のカメラショップと2つの協賛企業が出店。ここではその様子をお伝えするとともに、筆者が気になったオールドカメラ、オールドレンズをいくつかピックアップする。
まずは主催する写真機商振興会の会長・川田治徹氏にこの即売会のコンセプトとカメラ博初日の様子をうかがった。
「多くの方々にクラシックカメラの面白さ、楽しさを知ってほしいという思いから始まった展示即売会です。そのためトークショーのようなイベントも会場内で開催いたします。初日の様子としては、円高の影響もあるかと思いますが、外国人バイヤーの姿が昨年にくらべやや落ち着いたように見受けられます。ただ、来場者数としては例年と同じかそれ以上にように思えます」
ちなみにこのようなイベントでは、初日の午前中がもっとも人の入りが多い。実際、開店前に会場に入る行列ができることも常である。ただし、じっくりとアイテムを見たいなら連日の夕刻がオススメ。
「夕方ですと人の入りも落ち着きますので、お目当てのカメラ、レンズをゆっくりと探すにはちょうどよいかと思います。じっくり触れますし、ショップの店員との相談もしやすいはずです」とのことである。
【注意】掲載した商品は、取材時のものです。すでに完売や予約済みになっている場合があることをご承知置きください。
ソニーFE 24-240mm F3.5-6.3 OSS
35mmフルサイズ対応Eマウントの高倍率ズームレンズ。1本でほとんどの撮影は事足りてしまうので使い勝手はよいことだろう。標準ズームを持っているα7シリーズユーザーも検討してみてほしい。(ユーシーエス)
コムラーレンズ コムラノン28mm F2.5
1980年に倒産したコムラーレンズ製の広角単焦点レンズ。この当時多くのレンズメーカーは28mm前後の短焦点レンズをリリースしていたが、本レンズもそのような1本。対応マウントはニコンF(非Ai)。(元町カメラ)
旭光学工業 SMCペンタックス 20mmF4
初代Kマウントの20mm F4。発売から1年ほどでパンケーキタイプのSMCペンタックスM 20mm F4に切り替わったので、どちらかといえばレアなモデルと述べてよい。妥協のない光学系が魅力の超広角レンズ。(元町カメラ)
アンジェニューR11(28mmF3.5)、ズーマー マクロキラー40mm F2.8
アンジェニーは言わずと知れたフランスのレンズメーカー。レトロフォーカスの光学系はこのレンズからはじまる。ズーマーは世界初となる一眼レフ用マクロレンズである。いずれもEFマウント化されている。(カメラのゴゴー商会)
キヤノンFD 55mm F1.2 S.S.C.アスフェリカル
1975年に発売された大口径標準レンズ。その特徴はいうまもなく、当時珍しかった非球面レンズを採用していることだろう。最新の高画素ミラーレスモデルでその描写を楽しんでみたいレンズである。(セキ写真)
日本光学工業 フィッシュアイニッコール8mm F8
固定焦点の全周魚眼レンズ。製造初年は1962年で1980年代初頭までつくられた息の長いモデルである。一眼レフで使用する場合ミラーアップが必要であるため、使用するカメラに制限がある。(セキ写真)
富士フイルムXF 56mm F1.2R
富士フイルムのレンズ交換式カメラ、XシリーズのフォーマットはAPS-Cだが、35mmフルサイズに負けないほどの大きく柔らかいボケ味が楽しめるレンズ。ポートレート撮影などでは大いに活躍してくれそうな1本である。(コセキフォトテック)
メイヤーオプティックTrioplan 100mm F2.8
1916年に発売された同名のレンズをオマージュしたレンズである。同レンズは美しい玉ボケが出やすいレンズとして特に有名だが、新しいTrioplan 100mmF2.8はほぼ同じ光学系としているため、期待できそうだ。(ステレオカメラ)
田中光学タナックIVS+タナー5cm F2、テレタナー13.5cm F3.5
田中光学は1950年代のわずかな期間に存在したカメラメーカー。タナックはそのレンジファインダーカメラで、写真のIVSは1955年に発売されたモデル。人とはちょっと異なるレンジファインダーで撮影を楽しみたいひとに。(ハットリカメラ)
フォクトレンダー ノクトン50mm F1.5アスフェリカル
1950年代に発売されたノクトンをオマージュしたデジタル時代のノクトン。写真のシルバーモデルは真鍮&クロームメッキ仕上げで重量は293g。ちなみにブラックモデルもあり、そちらはアルミ&アルマイト仕上げで220gとしている。(ハットリカメラ)
フォクトレンダー ズーマー36-82mm F2.8
スチル用として初めて市販されたズームレンズである。発売開始は1960年。独特のシェイプの鏡筒もさることながら、開放絞り値を通しでF2.8としていることにも驚かされる。掲載したレンズはデッケルマウント。(日東商事)
日本光学工業 AiAFニッコール80mm F2.8S
ニコンF3 AFともにに1983年に発売されたAF中望遠レンズ。光学系は新たに設計されたもので4群6枚。最短撮影距離は1m。スペック的には特別見るべきところはないが、そのキレの良い描写は定評がある。(日東商事)
ペトリ ペトリコンパクトE
緑色のファインダー前面保護ガラスが特徴のハーフサイズカメラ。デザイン的なバランスは先代モデルの「ペトリハーフ」が上だが、こちらはセレン式の露出計を備え実用的なモデルといえる。(ユーシーエス)
キヤノンNewF-1ハイスピードモータードライブカメラ
1984年開催のロサンゼルスオリピックに合わせプロ、報道カメラマン向けに発売されたハイスピードモデル。最高速は14コマ/秒で、これは36枚撮りフィルムをわずか2.57秒で撮り終えてしまうものである。(カメラのゴゴー商会)
エクサクタVX
左はテッサー40mm F4.5を装着したエクサクタVX。おそらくは1950年代初頭のカメラだ。右はオートキナロン5mm F2.8を装着するエクサクタVX。こちらは1950年代半ばのカメラである。いずれも優雅なシェイプを持つ35mm一眼レフだ。(コセキフォトテック。掲載した写真は値札の位置が入れ替わっています)
ライカQ(Typ116)
大口径広角単焦点レンズを搭載するライカのコンパクトデジタルカメラ。EVFを内蔵しており、しっかりとアングルを決めたい作品撮影にも適している。フォーカスリングの回転でMFとAFが切り替えられるのはユニーク。(ステレオカメラ)
フォクトレンダー ノクトン 25mm F0.95
フォクトレンダーブランドの大口径レンズである。画角は35mm判換算50mm相当で、ポートレートやスナップなどではその開放値を活かした柔らかな描写が楽しめる。フォーカスリングの操作感も秀逸だ。(スズキカメラ商会)
リコーXRリケノン フィッシュアイ16mm F2.8
リケノンブランドの対角線魚眼レンズ。一説にはシグマ製と言われている。前玉と後玉が分離し、その間に付属するフィルターを挿入する(掲載したアイテムももちろんフィルターが付属)。PENTAX K-1ユーザーにもオススメの1本。(スズキカメラ商会)
オリオンカメラ ミランダT
1955年に発売された一眼レフカメラ。クイックリターンミラーにアイレベルファインダーの搭載、倍数系列化されたシャッタースピードなど当時としては最新のスペックを誇った。ズノー50mm F1.9はこのカメラのオリジナル。(フジイカメラ)
レクタフレックス レクタフレックスローター(アンジェニーセット)
ムービーカメラのレンズターレットをヒントに製造されたレクタフレックスローター。カメラはシリーズ25000。装着するレンズは全てアンジェニュー製で、R1(35mm F2.5)、Z2(50mm F2.9)、Y2(135mm F3.5)。(フジイカメラ)
写真家によるトークショーも開催
写真機商振興会として年1回のビッグイベントとなるだけに、各ショップが厳選したカメラや交換レンズ、アクセサリーなどが一同に並ぶ。実際、ズノーの一眼レフやライカの大口径レンズなどといった希少珍品と言われるカメラ・交換レンズもショーケースに多数並ぶ。
「気になったアイテムと出会いましたら、ぜひ手にとって見てください。欲しかったアイテムと必ず出会えるはず」と川田さんは話す。
今回のカメラ博では、前述のとおりトークショーも開催される。8月20日(土)13時からは写真家 かくたみほ氏と同じく大村祐里子氏による「写真談義・カメラ談義」、21日(日)の13時からは写真家 赤城耕一氏による「写真家とカメラ」が予定されている。
さらに、デジタル一眼レフカメラのセンサー清掃コーナー(対象カメラはキヤノンおよびニコン)や、土日限定のジャンク品コーナーも開設。「カメラ愛好家の方々により広くカメラ博を楽しんでいただきたい」とのことである。
オリンピックや高校野球などのテレビ中継もあり、暑い夏は引き込もってしまうことも少なくない。しかし、この機会にカメラ・交換レンズなど手に入れ、残り少なくなった夏を写真に収めるのもありかと思う。