オリンパスZUIKOレンズ 写真家インタビュー
所有する喜びを感じさせる質感と高い逆光耐性…神谷武志さん
M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0
2021年3月25日 12:00
オリンパスZUIKOレンズを使う写真家に、作品表現でのポイントや使い勝手をお聞きする本連載。
今回は公園機関車や路面電車をテーマにした作品が魅力的な神谷武志さんに、鉄道撮影や撮影機材について思うことをお聞きしました。小型で軽快な単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」を使った作品もご覧ください。
1963年東京都生まれ。国内外の蒸気機関車・路面電車などを撮影、鉄道雑誌や機内誌などに作品を発表している。オリンパス・フォトパスや旅行会社(クラブツーリズム社など)の鉄道撮影ツアーを企画実施、鉄道会社と共同で撮影会なども行う。「鉄道写真をもっとオトナの趣味に」をテーマに、新しい「鉄道写真の楽しみ方」を提案している。
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写真にのめり込むようになったきっかけは?
1972年、東京の下町を走る都電が廃止されました。どうしても撮りに行きたく、父のオリンパス・ペンDというハーフ版フィルムカメラを持って、学校終わってからぶっつけ本番、勇気をふるって出かけたのが最初です。9歳でしたから、一人で遠出する恐怖もありましたが、行きたい気持ちが勝ったのです
夕方で、しかもあてずっぽうの露出だったわりには32枚中10枚程度ちゃんと写っていて嬉しくなりました。「写真って楽しいな!」と、その時強く感じたのがきっかけです。
現在の主な写真活動は?
現在鉄道雑誌で各地の公園などに保存された機関車を撮り歩く連載を受け持っています。「公園機関車」はファンでも、なかなか被写体として認識されていないのが現状ですが、「栄光も歴史も背負った、れっきとした『鉄道車両』なのだ」と考え、さまざまな技法を生かした撮影で趣向を凝らしています。
あとは撮影ツアーを企画し、現地との交渉から同行講師までを請け負っています。撮るだけでなく、「相手も嬉しい・地元からも「また来てね」、そして我々も(特別なアングルで撮影出来て)Happy」な、オリジナル撮影ツアーをおこなっています。
路面電車を撮る面白さとは?
鉄道と人・風景との敷居が低く、生活に溶け込んだ路線が大半です。
路面電車は欧州では先進的な都市交通でもあり、決して郷愁だけの乗り物ではありませんが「生活に密着している」という点では古今東西同じ。もっとも撮影に適した、被写体になりやすい鉄道のひとつだと思います。
オリンパスOM-Dシステムで気に入っているところは?
たくさんあるのですが、なんといっても一番なのは「機動力」です。
鉄道撮影はスタジオワークではありません。外に持ち出してなんぼ、ですから。
とっさの撮影チャンスに、どれだけ的確に対応できるか。それにはずっしり重い機材を背負っていたのでは、戦う前にハンデを背負い込んでしまうも同然です。
今回ボディー一台・レンズ一本という「いまだかつてない最少機材」で出かけたのですが、あまりに荷物が軽くて「もしかしてどこかに置き忘れたりしてないだろうか」と不安になるくらいでした。
「機動力と高描写の一番美しい均衡点」がマイクロフォーサーズで、その頂点がOM-Dだと思います。
「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」の特徴や使い所など教えてください。
金属外装で高品位な質感は、まず「所有の喜び」を感じさせてくれます。梨地仕上げが美しいフードとのマッチングも素敵です。
太陽光線を生かした作品を、私は「アマテラスな鉄道写真」と命名して多用しているのですが、単レンズならではのゴースト・フレア耐性も心強いポイントです。レンズ内手ぶれ補正はありませんが、OM-Dボディーはボディー内手ぶれ補正機構を備えていますので、「手持ち2秒」を楽々こなす点も高ポイントです。
告知がありましたらぜひ!
昨年はさまざまなイベント・撮影企画がすべて中止になり、大変つらい一年となりました。
依然として油断をしてはいけない状況は続くとは思いますが、「新しい撮影様式」のルールの下、この4月あたりからツアー企画などは再開していく予定です。「私も鉄道写真に、『オトナの趣味』として接してみたい」という方、ぜひいらしてください。
協力:OMデジタルソリューションズ株式会社