オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 大浦タケシ

E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約4.9MB / 4,032×3,024 / 1/800秒 / F6.3 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mm

 金属製外装を持つマイクロフォーサーズ用広角単焦点レンズだ。今年2月に開催されたCP+で“謎のハイグレードレンズ”としてモックモデルが展示されていたことは記憶に新しい。

E-P3に装着。価格は9万9,750円。発売は7月22日

 手にした印象は、小さいながら質感のあるもので、いい絵の撮れる予感を強く抱かせる。フォーカスリングのローレットは精巧に削られ、シャンパンゴールドの外装は落ち着いた光りを放つ。OLYMPUS PEN E-P3との見た目の相性も違和感がない。光学系には、非球面レンズをはじめ超高屈折率レンズ、特殊低分散レンズと高性能なレンズを多数採用、同社の開発した最新のコーティングも施されるなど贅沢な仕上がりのレンズとなる。

 さらに注目すべきところは「スナップショットフォーカス機構」を搭載することだろう。フォーカスリングをカメラ側にスライドさせるとAFからMFに切り換わり、同時にあらかじめ設定した撮影距離にフォーカスが移動する。この機構と絞り優先AEもしくはマニュアル露出を用いていれば、常時パンフォーカスの状態とすることも可能で、文字どおりスナップショットの撮影では重宝する。もちろん、レンズ鏡筒には被写界深度目盛と距離目盛を備えているので、設定した絞りでどの程度の範囲の距離にフォーカスするかは一目瞭然である。

 描写については述べるまでもないだろう。解像感が高く、ヌケも上々。撮影条件によっては画面周辺部にわずかな色のにじみと解像感の低下が発生することがあるものの、エッジの線の細さや良好なコントラストなど単焦点レンズらしい高い描写が得られる。絞り開放での解像感の低下や周辺減光が少ないのも特長で、ハイグレードレンズの名にふさわしい仕上りである。

 操作感についても、フォーカスリングの前後スライドは軽くスムース。MF時のフォーカスリングのトルク感も適度な重さと滑らかを兼ね備え、工作精度の高さを感じさせる操作性といってよい。

 別売とはなるが、オプションとして金属製の角型レンズフード、同じく金属製のレンズキャップなどが用意されているのもこのレンズの魅力。ぜひ揃えてみたいところである。マイクロフォーサーズ用のレンズとしては高価な部類に入るが、このシリーズの今後の展開を期待せずにはいられない1本である。

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E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約4.0MB / 4,032×3,024 / 1/800秒 / F6.3 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mmE-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約6.0MB / 4,032×3,024 / 1/640秒 / F6.3 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mm
E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約5.0MB / 4,032×3,024 / 1/800秒 / F7.1 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 12mmE-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約4.6MB / 4,032×3,024 / 1/2,500秒 / F4 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 12mm
E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約4.8MB / 4,032×3,024 / 1/640秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mmE-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約5.8MB / 4,032×3,024 / 1/500秒 / F9 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 12mm
E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約5.7MB / 4,032×3,024 / 1/640秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mmE-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約6.4MB / 4,032×3,024 / 1/100秒 / F13 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 12mm
E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約6.5MB / 3024x4032 / 1/640秒 / F5.6 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 12mmE-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約5.8MB / 3024x4032 / 1/400秒 / F5 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 12mm
E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約6.0MB / 3024x4032 / 1/200秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 12mmE-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約4.8MB / 4,032×3,024 / 1/4,000秒 / F2 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mm
E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約5.2MB / 3024x4032 / 1/100秒 / F2.5 / -1.0EV / ISO200 / WB:オート / 12mmE-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約5.7MB / 3024x4032 / 1/400秒 / F4.5 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mm
E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約5.2MB / 3024x4032 / 1/320秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mmE-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約5.1MB / 3024x4032 / 1/500秒 / F4 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mm

E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2 / 約5.6MB / 4,032×3,024 / 1/400秒 / F5 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 12mm







大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2011/8/26 00:00