素敵な洋館を撮影してフォトコンテストに応募!

普段入ることができない清泉女子大・旧島津公爵邸の内部を紹介

清泉女子大学は、旧島津公爵邸 竣工100年を記念して特別に一般公開し、フォトコンテストを開催します。

今回は、旧島津公爵邸 竣工100年記念フォトコンテストのオープニングイベントの様子をレポートします!

旧島津公爵邸(清泉女子大学本館)はレンガ造り、地上2階地下1階建て、建物約280坪の大邸宅。設計者は、鹿鳴館やニコライ堂を設計したジョサイア・コンドル。古典主義の規範に従ったルネッサンス様式を基調としています。

雨のやらわらかい光で独自の視点で切り取る

旧島津公爵邸(清泉女子大学本館)は、日本の近代建築の礎を気づいた英国人ジョサイア・コンドル晩年の代表作として知られ、2012年から東京都指定有形文化財に指定されました。

1915年に英国人建築家のジョサイア・コンドルにより竣工、1916年に洋画家の黒田清輝が内装を監修し、1917年に落成披露が行われました。

清泉女子大学は、2015〜2017年を竣工100年と位置づけ、ほぼ当時のままの姿で残され現役の学舎として活用されている旧島津公爵邸を特別に一般公開し、フォトコンテストを開催することにしたそうです。

4月5日のオープニングイベントでは、希望者にリコーイメージングのペンタックスブランド、防塵防滴の一眼レフのK-S2、K-3と、カラーバリエーションが豊富なミラーレスカメラQ7が貸し出されました。
この日は雨が降っていたこともあり、防塵防滴のK-S2、K-3が人気。コンパクトユーザーや女性の方は豊富なカラーバリエーションのQ7を選ばれる方も多く見られました。
清泉女子大学 学長の杉山晃氏。「本校は2015年から2017年を竣工100年と位置づけ、地域の皆さまに見ていただくため一般公開をいたしております。今後も地域とともに発展し、イキイキとした大学を目指していきます。たくさんの方に来ていただけて嬉しく思います」
本館ガイドのボランティアを務める酒井玲奈さん。「昨年の9月から本館ガイドを始め、季節の移り変わりや参加者の方からの質問で新しい建物の魅力に気づかされます。多くの方に旧島津邸のよさを知っていただきたいのと同時に、清泉女子大学の魅力もお伝えできればと思います」
本館ガイドの見学ツアーは事前申込みの方対象に行われました。大応接間の「泉の間」には、竣工100年にちなんで100本のバラが飾られていました。
玄関室のステンドグラス。内部は、玄関室や階段ホールなど、たくさんの場所にステンドグラスが使われています。
玄関のステンドグラスには、丸に十字の島津家の家紋が入っています。ヨーロッパではその家の紋章を入れる場所で、コンドルは日本の家紋は紋章にあたると解釈したそうです。
応接間や食堂、配膳室などのパブリックスペースの1階と、寝室や子ども部屋などのプライベートスペースの2階をつなぐ大階段。
英国伝来のチェッカー柄をタイルが貼られた2階ベランダ。柱頭飾りはイオニア様式を採用しています。
オープニングイベント当日、ベランダからはきれいに刈られた芝生と満開の桜を眺めることができました。
子ども部屋の暖炉。暖炉のタイルは部屋ごとに分けられ、薄緑や濃い緑のタイルの暖炉もありました。
小応接間は現在も応接室として使用されています。席に座ると、ベランダの柱と窓枠が重なって庭の景色が眺められるように計算されているそうです。
奥庭にそびえるフウの木は推定樹齢は250年以上と言われています。幹の周りは約3メートル、木の高さは約20m。この種の木は都内でも珍しく、品川区の天然記念樹に指定されているそうです。
1階ベランダのフラワーポット。この日はアジサイが飾られていました。
写真部の部員さんもイベントをサポート。撮影ポイントや見所を参加者の方にお伝えしていました。
本イベントに合わせ写真部は撮影会を行い、どこでどのような写真が撮れるのか島津邸の撮影ガイドを作成したそうです。

土田ヒロミ先生による豪華な撮影指導も!

午後からは、在学生による課外活動の発表が行われました。発表を行ったのは、チアリーディング部S.S.S.、南米民族音楽フォルクローレサークル、手話サークルH.A.C.S.、ラテンアメリカダンスサークル、聖歌隊の5組。

チアリーディング部S.S.S.の発表。元気な笑顔のパフォーマンスが圧巻でした。S.S.S.とは「SMILE」「SPARK」「SPIRITS」の略とのこと。
南米民族音楽フォルクローレサークル。フォルクローレの楽器は左から、ケーナ、サンポーニャ&ボンボ、クラシックチャランゴ、ギター。

午後にはフォトコンテストの審査委員長で写真家の土田ヒロミ先生による撮影指導も行われました。

「旧島津公爵邸は明治の息吹や、日本人が西洋文化を取り入れようとしたエネルギーを感じられる素晴らしい建物です。今日はあいにくの雨模様ですが雨に負けず、雨の日特有のやわらかい光を活かした撮り方をしてもらえればと思います」

「“建物を撮る”というと、全体の外観や内装を撮りがちですが、この建物は古典的な美しい装飾がいっぱいあります。独自の視点でディテールに注目して切り取るのも面白いと思います。常識にとらわれず、エゴイスティックに自分の感覚で撮ってください」

「写真は1回のシャッターで成功させようと思わないで、試行錯誤してみてください。たくさん撮って、試行錯誤することが大切なんです」

「今回のフォトコンテストは、特別公開日が数回あります。何度も足を運んでみてください。季節や天気が変われば、違う風景が撮れると思います。また、定点観測的なものを意識してみるのも面白いでしょう」

「雨の日は空が白く飛んでしまうので、極力入れないように望遠で切り取るのがオススメです。白い空が写らないように、桜のピンクや緑が画面に入るような撮影ポジションを探してみましょう」

写真家の土田ヒロミ先生。桜に合わせて、ピンクのQ7を選んだそうです。
桜の幹と花を大胆に切り取ったり、桜越しの島津公爵邸を撮影したりしました。
室内撮影ではディテールを意識して、独自の視点で切る撮ることを学びました。
オープニングイベント午後には、PRキャストの学生が鹿児島県の伝統工芸品本場大島紬の着物を着て登場。撮影指導のモデルになりました。
フォトコンテスト オープニングイベントのPRキャストを務めた高瀬さん(右)と松田(左)さん。

これから新緑が美しくなる季節、カメラを手に旧島津公爵邸へ行きフォトコンテストに応募してみてはいかがでしょうか。

旧島津公爵邸 竣工100年記念フォトコンテスト

テーマ

コンドルの建てた西洋館

第一応募期間

2015年4月1日(水)〜6月20日(土)必着

応募方法

応募票と、作品を同封の上郵送

審査員

審査委員長:土田ヒロミ氏
審査委員:清泉女子大学学長、清泉女子大学本館保存委員会委員長、島津家第32代当主

各賞と賞品(一般の部)

≪グランプリ≫ 1作品
 ・デジタル一眼レフカメラ/リコーイメージング
≪準グランプリ≫ 4作品
 ・清泉女子大学学長賞(大島紬ストール)
 ・島津宗家記念財団賞(薩摩切子)
 ・鹿児島県賞(品評会受賞焼酎)
 ・土田ヒロミ特別賞(写真集、セレスティンホテル宿泊券)
≪入選≫ 10作品
 ・清泉女子大学グッズ

※各賞には、副賞として鹿児島県より物産品が贈られます。

各賞と賞品(学生の部)

≪グランプリ≫ 1作品
 ・デジタル一眼カメラ/リコーイメージング
≪準グランプリ≫ 4作品
 ・清泉女子大学学長賞(大島紬ストール(14MB))
 ・清泉女子大学泉会賞(ディズニーリゾートペアチケット)
 ・清泉女子大学麗泉会賞(商品券)
 ・聖心侍女修道会賞(図書券)
≪入選≫ 10作品
 ・清泉女子大学グッズ

※各賞には、副賞として鹿児島県より物産品が贈られます。
※高校生・大学生が対象

撮影日(特別公開日)

4月15日(水)、4月17日(金)、4月22日(水)、4月25日(土)、5月13日(水)、5月16日(土)、5月27日(水)、5月29日(金)、6月10日(水)、6月13日(土)

※被写体が現在大学の施設として使用されている建物のため、限られた特別公開日の中で撮影してください。
※授業・会議等の都合により、邸内すべてのお部屋をご覧いただくことはできませんので、ご承知おきください。
※撮影可能時間は10:00〜15:00(要事前申込み)。

詳しくは、旧島津公爵邸竣工100年記念フォトコンテストでご確認ください。

(2015/4/20)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!