岡嶋和幸の「あとで買う」

1,032点目:伝説になる前の写真家の姿を描く回想記

柳本尚規『プロヴォーク: 中平卓馬をめぐる50年目の日記』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

柳本尚規『プロヴォーク: 中平卓馬をめぐる50年目の日記』

東京国立近代美術館では現在、企画展『中平卓馬 火―氾濫』開催中です。伝説的写真家の約20年ぶりの大回顧展となるわけですが、未発表の作品が多数展示されているのでCP+2024が閉幕したら鑑賞するつもりでした。でも本日は月曜日で休館日。鑑賞する前に予習がてら読んでおきたいと考えているのが、発売になったばかりの本書です。『週刊読書人』の連載に加筆修正を行い書籍化したもので、伝説になる前の等身大の中平卓馬さんの姿を描く回想記。販売価格は3,850円です。

高梨豊さんらと共に創刊した写真同人誌『プロヴォーク』は、わずか3号と総括集の出版でした。2号から森山大道さんも参加されていて、日本の写真史に大きな功績を残しています。『カメラ毎日』の元編集長で写真評論家の西井一夫さんの著書『なぜ未だ「プロヴォーク」か』もこの機会に読んでみようと思います。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。