岡嶋和幸の「あとで買う」

710点目:伝説の写真家の軌跡を辿る展覧会の図録

深瀬昌久『深瀬昌久 1961-1991レトロスペクティブ』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

深瀬昌久『深瀬昌久 1961-1991レトロスペクティブ』

143点目で写真集『サスケ』を紹介しましたが、その作者である写真家の深瀬昌久さんの展覧会『深瀬昌久 1961-1991レトロスペクティブ』が、東京都写真美術館で2023年6月4日まで開催されています。まだ鑑賞していないのですが、この展覧会図録を先に購入。販売価格は3,300円です。

図録には出品作品の図版やリストのほか、東京都写真美術館学芸員の鈴木佳子さん、深瀬昌久アーカイブス ディレクターのトモ・コスガさんによる展覧会ノートや解説が収録されています。それらを事前に読んでから鑑賞しようというわけです。ちなみに年譜を読むのが好きで、展覧会でも隅々まで目を通すのですが、今回は本書でばっちり予習しました。

写真集『サスケ』を紹介したときにも触れましたが、深瀬さんを題材にした映画『Ravens』の公開を心待ちにしています。代表作『洋子』がどのように描かれているのか、俳優の浅野忠信さんと瀧内公美さんがどのように演じられるのかなど興味津々で、すごく楽しみです。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。