岡嶋和幸の「あとで買う」

73点目:現代アートの最前線で活躍する写真家の作品に触れる

ヴォルフガング・ティルマンスの写真集「Wolfgang Tillmans. four books. 40th Ed.」

この連載では、カメラや写真関連のアイテムを中心に、Amazonの私のショッピングカートの中身をお届けします。とはいえ、いずれも購入前の商品なので、実際に使ってみた感想や評価などは特にありません。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、岡嶋和幸の日々の物欲をお楽しみください。

ヴォルフガング・ティルマンスの写真集「Wolfgang Tillmans. four books. 40th Ed.」

ドイツ出身の写真家、ヴォルフガング・ティルマンス。50歳以下のイギリス人、もしくはイギリス在住の美術家に贈られる「ターナー賞」を2000年に、「写真界のノーベル賞」と言われているハッセルブラッド国際写真賞を2015年に受賞するなど、写真を主な表現手段とする現代アーティストとして高い評価を得ています。2015年に国立国際美術館(大阪)で開催された展覧会を鑑賞された読者もいることでしょう。私の周りにはティルマンスのファンが多いのですが、私自身はそれほど多く彼の作品を目にしているわけではありません。

2020年末、この写真集が発売になりました。ティルマンスはこれまでに、タッシェンという出版社から4冊の写真集を出していて、それらの中から選りすぐりの作品を1冊にまとめたものです。判型は大きくありませんが、512ページというすごいボリューム。販売価格が2,719円と手ごろなのは、タッシェン社の創業40周年を記念して作られたシリーズだからのようです。まずはこの写真集から、ヴォルフガング・ティルマンスの表現の世界に足を踏み入れてみたいと思います。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。