クルマとカメラ、車中泊

#08:冬支度。するけど寒けりゃとっとと逃げよ

まずは今日の一枚から。とっぷり暮れて8時くらいになると東の空に木星が見えてくる。スバル、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ。明るい星が並んで華やかだ。今年の冬は木星が見頃ですぞ

11月に入っても暖かい日が続き、冬の訪れを感じられないのだが流石にそろそろ冬支度ということで車中冬装備の虫干しをしましたよ。冬装備って、もうこれ安眠するための装備であります。

①②はシュラフ、③はテントシューズ、④電熱肩掛け、⑤電熱ベストです。さてまずはそれぞれウンチクを。

シュラフ

僕が愛用しているシュラフは、モンベルダウンハガー800 #2と#3の2つ。ざっくり#2が冬用、#3が冬以外の3シーズン用です。現在はアップグレードされてちょっとシリーズが変わっているので、最新リンクがこちら。

#2 https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1121400
#3 https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1121401

登山をする人はよく知っているシュラフだと思うけれども、伸縮性が良くてシュラフの中であぐらをかけるぐらいなのだ。これ車中泊でも大事なことで、シュラフの中で着替えができるかどうか、もっと正直にいうなら着替えをする気になれるかどうかに関わるのだ。愛用の理由はここなのです。

さて、シュラフで一番大事だと思うのはその使用可能温度です。モンベルのシュラフにははっきりと表示されているのですよ。#2は快適温度0度、使用可能温度-5度、#3では快適温度4度、使用可能温度-1度となっています。

まあ、車中泊は冬山のようなエクストリームな条件ではないので快適温度を基準に考えています。ですが。ですよ。この温度はヨーロッパの規格で、我々日本人にはちと寒いんですよ。快適温度はそれぞれプラス5度から7度って感じではないでしょうか。

収納時の大きさも結構違います。左が#3、右が#2

なので、夜明けの気温が10度を少し下回るくらいなら#3、5度くらいになりそうなら#2を選びます。でももっと寒くなることもありますよね。山梨にある僕の天体観測所も真冬は-5度近くになります。そんな時は#2と#3を重ねるんです。この時も伸縮性に優れているから、重ねてもシュラフに潜り込みやすいんです。

#2と#3を重ねて使うとこんな感じ。足元にあるのはテントシューズ

この使い方をするのなら、買うときに気をつけなければいけないことが一つ。モンベルのシュラフではジッパーの方向を選べるんですが、2つのシュラフのジッパーの方向を統一しておかないと、えらく出入りの難しいシュラフになっちゃいます。別々にしておくと2つのシュラフを繋げて使えたりするんですが、重ねて使うことを考えるならジッパーは同じ方向にしておくことがおすすめです。

テントシューズ

そして③のテントシューズ、これも必須装備です。もちろんこれを履いて寝るんです。ダウン入りのスリッパとでも言いましょうか。足先が暖かいので安眠度が違ってきますよ〜。テントシューズは文字通りテントの中で履くものなので、ほとんどのものが靴底がありません。僕は靴底のあるタイプを使っています。とはいえ、地下タビの底より薄いものですが、これがあるだけでちょっと外に出られます。

靴底があるタイプが使いやすい

電熱肩掛け

さてさて。さらに寒い時は電熱モノの出番ですね〜。④は電熱肩掛け。正直ネットでの評判は大したことないです。ですが、シュラフの下に敷き毛布としてひく。あるいはシュラフの中に引くと、じんわり暖かくていいんですね、これ。

電熱肩掛けの電源ボタン付近。オレンジ色はUSBモバイルバッテリー。別売です

電熱ベスト

そしてがっつり温まりたい時はこれ。というか、デフォルト装備かな、電熱ベスト。電熱ベストというと大体がベスト一体型なのだけど、これは発熱体だけをベルトで留めるタイプ。これまでも電熱ベストをいくつも買ったんですが、これが一番よかったかな。ベスト一体でないので着膨れしないので、アウターを自由に選べるんですね。また発熱面自体が大きいし、基本背中側を温めるんですが、胸側に装着も可能です。

恥ずかしながら僕が着るとこんな感じ

以上5点セットで就寝すると-10度でも快眠OK。さらにダウンジャケットやダウンパンツで武装すれば、も少しいけますねえ。

けど、撤退も大事

しかしですよ、車中泊。車で移動できるんですから無理しないのが一番。あんまり冷え込むようならとっとと移動しましょう。標高が高いところにいるなら下界に。北の方にいるなら南に。2〜3度変わるだけで体感は随分違います。当日の天気・気温を知るならSCW(https://supercweather.com/)がおすすめです。

体感温度といえば思い出すのがスペインに行った時のことなんだけど、陽光麗かな大西洋の海水浴場でのこと。穴場らしくほとんど観光客もいなくて美しい砂浜で楽しそうに泳ぎはしゃぎ回っているグループがいて、こりゃオイラも泳ごうと波打ち際に駆け出したんですが、くるぶしまで入ったところで、あまりの冷たさにびっくり仰天。心臓止まるかと思いました。それを見ていた売店のおばちゃんが笑いながら何かを叫んでた。

同行のスペイン語がわかる者によると「あんた、彼らはドイツ人だから真似しちゃいけない」って。地中海でも同じこと言われたなあ。ドイツの人ってそんなに寒さに強いの? やっぱり、寒けりゃ「撤退」が一番ですな。

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。またドローンでの撮影や、国家資格の審査員も行なっている。コロナ禍の影響で拠点を九十九里に移してから、ネット通販、特にAmazonの利用機会が増加。ちょっとくらい評価が悪くても買ってしまう“密林の探索者”を自認している。