赤城耕一の「アカギカメラ」

第90回:見てくれは気になるけど使ってみたら好印象 ミラーレス時代の先駆者「Nikon 1 V1」

今回は今さらですが、Nikon 1 V1の話をしようかと思います。初登場は2011年です。そう忘れてはいけない東日本大震災の年の秋ではなかったかなあ。たしか発表だか発売が予定よりも遅れたような記憶があります。

デジカメでは十分にクラシック領域に入りますが、事実上のニコン初ミラーレス機でしたが、2018年には、Nikon 1シリーズはすべて終了しています。あまりそのことを表立って発表もしていなかったのではないでしょうか。

はた目からみると、失礼ですが、ニコン自身でさえ、Nikon 1シリーズをなかったことにしたいのではないように見受けられます。同じミラーレス機であるZシリーズが好調なのですから、なおさらかもしれません。

でも、一度、世に出した製品を消し去ることは不可能であります。世界単位でみればユーザーもたくさんいるはずです。

じつは筆者自身もNikon 1シリーズはいずれの機種も、長いこと食わず嫌いだったわけで、自分の記憶の片隅にも置かれてはいませんでした。

ところが先日、東京の有名な観光地で新製品の機材を使って作例の撮影をしていたら、若い女性ふたりが、Nikon 1 J1(だと思います)を手にすばらしく軽いフットワークで道を歩きながら楽しげに撮影している現場に遭遇しました。

「おお、スマホで撮影をしていない!」おじいさんはここにも感動しました。

しかも撮影している姿が非常にカッコよかったわけであります。こういうことに憧れて、すぐに影響される筆者です。デブの白髪ジジイでもNikon 1シリーズのカメラを手にすれば、軽やかに歩きながらスナップをキメることができるのではないかと妄想してしまったわけです。こういう妄想は年齢とは関係ないですね。

この連載でも幾度も申しあげておりますが、ミラーレス機は小型軽量であることが正義と考えています。ミラーの存在という面倒な制約を取り払ったのですから、同じフォーマットの一眼レフよりもカメラやレンズ大型化するなど、ありえないと考えているからです。

Nikon 1シリーズで当初狙った機種はNikon 1 V3であります。この仮面ライダーみたいな名前は、いまひとつですが、アクセサリー関連をコンプリートした姿はなかなかソソるものがありました。

ところがですね、現在でもなかなかの価格設定となっています。筆者に限らないかもしれませんが、カメラって、もし、お互いのカラダが合わなかった場合、いったいどうするのだ。という大きな問題があります。

ゆえにまずはNikon 1シリーズの初号機であるNikon 1 V1にお越しいただいて、お互いをわかり合い、少し時間をかけつつ慣らしてゆこうではないかと考えた次第であります。お越しいただいた個体は使用感のほとんどない、とても綺麗なものでしたが、その価格は、先日の居酒屋宴会の会費と同じでした。ずいぶんと不人気なんだなあと。登場時は10万円コースだったはずです。

カメラのレビューなど訳知り顔で行っている筆者ですが、自身が購入して実際に使うカメラに対しては、スペックなどに文句を言うことはあまりありません。

それはカメラを購入する動機が別のところにあるからです。とくにプライベートな撮影に比重を置きたいカメラでは、スペックを気にすることはないのです。その理由は単純です。ほら、筆者にはデザインの美しさが何よりもカメラ選択の中で優先されるからであります。

つまり、ミラーレスの初号機、このNikon 1 V1のデザインに1ミリたりともソソられることがなかったということでありますね。正直に言ってしまうと、かなりのブスにみえました。だから、搭載された1インチセンサーが小さすぎるとか、画質がどうの、ということがニコン1シリーズを使用しなかった理由ではないのです。

じつはNikon 1 V1を使用するのははじめてではなくて、かつての「日本カメラ」で発売時にレビューのために使用したことがあります。

ただし、その時にどういう斬り口で記事を構成したのかまったく記憶がないのです。何を撮影したのか、何を書いたのか、ひとつも思い出せないカメラはいくら記憶力の悪い筆者でも珍しく、それほど気乗りがしなかったのかもしれません。

Nikon 1 V1発売当時2011年10月に撮影を行ったレビューのRAWファイルが出てきたので、最新のNikon NX Studioで現像してみました。当時の印象よりも像がひき締まってみえるような。いや、気のせいかも
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 PD-ZOOM/15.1mm(40mm相当)/プログラムAE(1/100秒、F5.6、±0.0EV)/ISO 100

登場から13年を経ても、Nikon 1 V1は変わることなく絶望的にカッコ悪いままでありました。

ほら、時を経ると筆者の価値観も変わることがあるので、ブスなカメラでも美しくみえてくることがあるのです。お前に言われたくないという人もいらっしゃるかもしれませんが、それをさておき、発言をしております。

実際にNikon 1 V1はどのようなカメラだったのでしょうか。まず、ニコン自体の呼び名が気になりますね。ニコンは「レンズ交換式アドバンストカメラ」とアナウンスしました。この時に「ミラーレス」という言い方があったのかどうかは覚えておりませんが、次世代のカメラを担うんだぜという未来志向の雰囲気はありました。

イメージセンサーは8.8×13.2mm の1インチ。ニコンでのフォーマット名称はFX(35mmフルサイズ)、DX(APS-C)CXと呼びますが、このような呼び名も記憶に薄いわけです。

有効画素数は1,010万画素。ISO感度設定範囲はISO100-3200。拡張機能でHi(ISO6400相当)までとこのあたりのスペックは時代を感じますが、筆者のスナップでは実用的には十分であります。画像処理エンジンは「EXPEED 3」ですね。

光の足りないコントラストの低い場所では、階調の再現が独自の雰囲気になることがわかりました
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/110mm(297mm相当)/絞り優先AE(1/320秒、F6.3、−1.0EV)/ISO 400
ISO 1600設定で撮影しました。ハーフトーンにはノイズが出てきますが、極端なトリミングでもしない限りは、実用できると思います
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/110mm(297mm相当)/プログラムAE(1/2,500秒、F5.6、−0.7EV)/ISO 1600

Nikon 1 V1で注目されたのが像面位相差方式のAFが搭載されたことではないかと。現在のミラーレス機のような爆速感はありませんが、現在でも通用すると思います。コントラストAFも併用しているので、条件によってはフォーカスをサーチする感じにはなるんですが、ストレスはありませんでした。フォーカスポイントは73点あります。

像面位相差AFがうまく機能するのかを知りたくて、電車を撮影してみました。もちろん被写体認識などはない時代のカメラですがフォーカスの食いつきは良好でした
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/83.2mm(224mm相当)/絞り優先AE(1/2,500秒、F7.1、−0.7EV)/ISO 400

ただ筆者としてはMF時の操作がちょっとありえない感じがします。レンズにフォーカスリングはなく、ボディ背面の小さなダイヤルをくるくる回して行います。操作しているうちにだんだん思い出してきましたが、登場時に本機のMF時のUIがカラダに合わなかったことも、本機への関心が薄くなったことへの理由の一つだったのかもしれません。でも、それから私も優しくなりましたので文句は言いません。本機はAFだけで使えばいいんです。

どのみち被写界深度は深いのですから、合焦しない場合などはMFに切り替えることなく合焦するところでフォーカシングしてフォーカスロックをガンガン多用し撮影すればいいのです。それでも大勢に影響はないでしょう。

ボディがそこそこに重たいのは、ニコンデジタル一眼レフの多くに採用されているバッテリーのEN-EL15のせいもありますね。これはニコンのデジタル一眼レフでもZシリーズでも採用されていますね。ミラーレス機にしてはえらくバッテリーの持ちがよいのは安心感が大きいですし、多くはないでしょうけど、それらのカメラと共用する場合もバッテリーが共通なのはとてもいいわけですね。

Nikon 1 V1に今回使用したレンズは「1 NIKKOR VR 30-110mm F3.8-5.6」であります。

35mm判換算で81-297mmの画角に相当する望遠ズームですが、えらく小さく軽い「1 NIKKOR VR 30-110mm F3.8-5.6」。これはすごくいいですね

筆者は知らなかったのですが、標準ズームレンズ「1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6」は過去、通信の不具合問題があったということで、導入を見送ることにしました。問題なく使える「1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 PD-ZOOM」を探したのですが、なかなか気に入った個体と遭遇できなかったこともあります。

1 NIKKOR VR 30-110mm F3.8-5.6は、35mm判換算で81-297mmの焦点距離に相当します。筆者がよくプライベートで撮影するスナップショットには長焦点すぎるのですが、こうした“縛り”で撮影するのも、たまには面白いのではないかと柔軟に考えました。レンズ構成は12群18枚(EDレンズ2枚)とのことでニコンの本気が伝わります。

ビル上にあった装飾です。普段は意識していなかったのですが、今回は「望遠の目」で歩いたので、見つけることができたようです。きわめてエッジのキレのよい描写で歪曲の補正も良好です
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/51.2mm(138mm相当)/絞り優先AE(1/800秒、F10、−0.7EV)/ISO 400

ただ、最短撮影距離は1mなので、被写体を選んでしまいますね。VR(手ブレ補正)内蔵です。

最短撮影距離1m。テレ端に設定しても、撮影倍率は高くはありませんが、望遠マクロ的な描写になります。描写はすばらしくシャープです
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/110mm(297mm相当)/絞り優先AE(1/1,600秒、F8.0、−1.0EV)/ISO 400
こちらもテレ端に設定して少し絞り込んで撮影しています。至近距離でも性能の低下はありません。質感描写も優れています
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/110mm(297mm相当)/絞り優先AE(1/640秒、F8.0、−0.7EV)/ISO 400

Nikon 1 V1、実際にホールディングした印象は、指がかりが悪いために、本体だけでは少々辛いものがありますね。今回の装着レンズは小さいとはいえ望遠ズームレンズですし、本体は重量があり、バランスはよくありません。でも本体に専用のグリップ「GR-N1000」を装着することで、不満はほとんど解消されました。ただ、グリップを装着すると、バッテリー室兼メディアスロットにアクセスすることができませんね。

戸惑うのは撮影モードダイヤルをカメラまわりに用意していないことでしょうか。筆者は撮影モードダイヤルがカメラ上部にあるのがイヤと公言しており、デザインブスな本機で唯一評価しているのですが、さすがに撮影モードの切り替えをメニュー画面から選択するのみという割り切った方式だと、少々辛く感じました。

ちなみに背面のダイヤルは、静止画、動画、に加えて、スマートフォトセレクター(1ショットで画像5コマを自動的に記録し最適な1枚を自動的に選択)、モーションスナップショットモード(静止画と短時間の動画を同時記録)があり、必要に応じて撮影者が選択し設定します。

趣味の撮影なら興味深いなあと思わせるモードもあるのですが、筆者はこれらのモードを使用しなくても、残りの人生を問題なくやってゆくことができます。ところがですね、使用頻度が少ないこのダイヤル、動きが軽く、知らない間にダイヤルが変わりモードが切り替わってしまうのでパーマセルテープで固定して使用することにしました。

緑のアイコンが通常の静止画撮影モードですが、フツーは緑色のアイコンは、全自動モードによく使われるわけで、なんだかセットすると恥ずかしいですね。このダイヤルは軽く回るので通常はパーマセルテープを貼り見えないようにしていますからいいけどね
AEロックとか露光補正とか、メニュー、セルフタイマー設定や切り替えとかに使います。ダイヤルも軽いのですが、慣れたらファインダーを覗いたまま、操作設定できるようになりました。見た目よりも意外と使いやすいです
ファンクションボタンに拡大、縮小レバー。ファインダーを覗きながらでも意外にイケるんじゃないかという操作性であります

シャッターボタンのストローク感は浅めですが、感触は悪くありません。筆者はプライベートな撮影ではメカシャッターを使いたい人ですから、その感触も気になったのですが、これもなかなか良好でした。もちろん電子シャッターへ切り替えて、無音撮影もできます。

電源ボタン、シャッターボタン、動画撮影ボタンがボディ上部とツライチってのが萌えます。突出部分を作らないぜっというデザインの思想を感じます。でもカメラ全体をみると……。いや、やめときましょう
アイピースが四角いのが、高級機としてはどうよとは思いますが、13年前のカメラにしてはファインダーは悪くありません。あと一回り大きかったらなとは思いますし、少し温調に見えるような気もしますけど、撮影時には不満は感じませんでした

コマ速は、メカシャッターで最高約5コマ/秒、電子シャッターで約10コマ/秒(AF追従)。AF固定だと最高約60コマ/秒なのですが、動画撮影へのシフトを見据えつつこうしたスペックとなっているのでしょう。

今回は望遠スナップに慣れるまで少し時間を要しました。ズームリングに表記された実焦点距離と、筆者自身がこれまで経験として培ってきた焦点距離に対する想定画角との乖離が大きかったからです。画角だけではなく、焦点距離も違いますから写真の印象も変わりますね。

実焦点距離×2.7が35mm判換算時画角の焦点距離なのは認識しているのですが、加齢によって、頭の回転がさらに鈍くなっているためもあり、とっさのスナップ撮影ではこの計算を忘れてしまうわけです。注意力も不足気味でありますね。

ただ、筆者は35mm判フルサイズカメラはもちろん、異なるフォーマットサイズのカメラを使用する場合も、画角や撮影範囲と同じくらい実焦点距離を意識しながら、被写界深度や空間構成を考えて撮影したほうがメリットが大きく、意味があるのではと考えています。

たとえばNikon 1シリーズでは、望遠レンズでも実焦点距離が短いわけですから、被写界深度が深く、パンフォーカス撮影を容易に行うことが可能です。風景撮影とか、静物撮影などでは利用しない手はないわけです。逆に被写体の前後を大きくボカすという場合には少々不利になりますね。

焦点距離設定は36mmくらいで、少し絞り込んで撮影してみました。パンフォーカスの描写です。画角は望遠域ですが、被写界深度は深いという不思議な画になります
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/36.1mm(97mm相当)/絞り優先AE(1/1,600秒、F10、−0.7EV)/ISO 400
手前の風見鶏と背景の建物はそこそこの距離があったのですが、壁のひびも見えるくらいのパンフォーカス描写になりました
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/49.3mm(133mm相当)/絞り優先AE(1/4,000秒、F5.6、−0.3EV)/ISO 400
圧縮効果とパンフォーカス効果を同時になることを期待して、鉄塔の一部を切り取ってみました。碍子の描写などすばらしく鮮鋭で驚いております
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/49.3mm(133mm相当)/絞り優先AE(1/1,000秒、F8.0、−0.3EV)/ISO 400
110mmという焦点距離、開放F値5.6なので開放絞りでも、大きなボケは期待できませんが、クセのない描写で好感が持てます
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/110mm(297mm相当)/絞り優先AE(1/2,000秒、F5.6、−0.7EV)/ISO 400

もちろんレタッチもきわめて簡単になり、擬似的なボケなどいくらいでも可能になった現在でも、筆者は無理をせずに撮影目的に応じて、フォーマットサイズが異なるカメラを使い分けるのが楽しいのではないかと、いつも大きな声で叫んでいます。これもカメラ業界のタメではないかと。

フォーマットサイズによって異なる特性やレンズの焦点距離
を認識し、使いこなすことができれば、自分自身だけではなく、家人に対してもフォーマットサイズの異なるカメラを集める、じゃなかった、揃えることについて、その理由が明確になり、カメラを新しく買うにあたり強い説得力をもつことができるのではないかと考えています(個人の印象です)。

テレ端で撮影。至近距離では1/3絞りほど絞り込むと、エッジのキレが増す印象で落ち着きが出てきます。ハイライトの描写もいい感じです
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/110mm(297mm相当)/絞り優先AE(1/4,000秒、F6.3、−0.7EV)/ISO 400
低い位置に咲いていた水仙です。モニターはチルトできないので、レンズをテレ端にセットしてから腰のあたりにカメラを構えて、ファインダーを覗かずにおおよそのフレーミングで角度を変えて数カットを撮影、花が画面の中央にあるものを選びました。光線状態も今ひとつなのですが、階調再現性に優れます
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/110mm(297mm相当)/絞り優先AE(1/1,600秒、F7.1、−0.7EV)/ISO 400
RAWファイルから最新のニコンNX Studioでピクチャーコントロールのディープトーンモノクロームを反映させ現像しました。ニコンZ fで注目されたモノクロモードですが、適度な空のノイズが良い効果をあげています
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/38.5mm(103mm相当)/絞り優先AE(1/1,600秒、F8.0、−0.7EV)/ISO 400
廃業したパチンコ店の看板。錆で腐食した看板が味を出していました。遠い位置にありましたが、画面いっぱいに引き寄せました。被写界深度が深く、隅々までディテールを再現します
Nikon 1 V1/1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6/83.2mm(224mm相当)/絞り優先AE(1/1,250秒、F7.1、−0.7EV)/ISO 400

Nikon 1 V1本体は絶望的にカッコ悪いのですが、携行時も負担にならず使用していて次第に気に入りましたぜ。なぜ今回、発売時に行ったレビューの時より全体の印象が良好に感じたのかは筆者自身にもよくわかりません。

カメラ博愛主義者なのにレビューの時にあまりよい印象を持たなかったのは、二日酔いで気持ち悪かったとか、お腹の調子が悪いとか、機嫌が悪かった可能性があります。覚えてないけど。それに本機が登場した時は、ミラーレス機の数が少なかったということもあり、比較するカメラが少なかったということもありますし、1インチのセンサーサイズに対する期待値がさほど高くなかったからでしょう。

今回のNikon 1 V1を見直すにあたり、その印象が想像よりも良かったのは、筆者が本格的なミラーレス機時代に入るまえに思い描き、期待していたサイズ感が、Nikon 1 V1においてきちんと実現していたからかもしれませんね。

良い機会なのでコボレ話をひとつ。「1 NIKKOR VR 30-110mm F3.8-5.6」レンズキャップのウラを見たら、フィルターアタッチメント40.5mmとあります。おおー、これは!というわけで手持ちのライカスクリューマウント互換のニッコール50mm F2にキャップをつけてみました。ニコン純正同士だからいいんじゃないですか?時代に整合しないって怒られるのかしら
赤城耕一

1961年東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒。一般雑誌や広告、PR誌の撮影をするかたわら、ライターとしてデジカメ Watchをはじめとする各種カメラ雑誌へ、メカニズムの論評、写真評、書評を寄稿している。またワークショップ講師、芸術系大学、専門学校などの講師を務める。日本作例写真家協会(JSPA)会長。著書に「アカギカメラ—偏愛だって、いいじゃない。」(インプレス)「フィルムカメラ放蕩記」(ホビージャパン)「赤城写真機診療所 MarkII」(玄光社)など多数。