連載バックナンバー
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モノ・レイク(後編)
[2008/07/30]
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モノ・レイク(前編)
[2008/07/09]
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雪が降った5月のセコイア
[2008/06/25]
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5月、霧のキングス・キャニオン
[2008/06/11]
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サンタ・クルーズ島へ日帰りの旅
[2008/05/21]
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春のデスバレー(後半)
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春のデスバレー(前半)
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パソ・ロブレスの冬
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モハヴェ砂漠の冬(後半)
[2008/03/26]
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モハヴェ砂漠の冬(前半)
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砂漠のルート66
[2008/02/27]
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サークル・Xランチ、サンタモニカ・マウンテンズ
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冬のカーピンテリア
[2008/01/30]
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12月のニューヨーク(後半)
[2008/01/16]
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2005年
ビーチバレーボール
写真1
EOS 5D / シグマ 24-70mm F2.8 EX DG Macro(34mm) / F11 / 1/200秒
ストロボ使用。小さな脚立に乗って撮影した
※画像をクリックすると等倍の画像を別ウィンドウで開きます。
※すべてホワイトバランスは昼光色、感度はISO100です。
※RAWで撮影した画像をJPEGに変換しています。
※画像下のデータはカメラ / レンズ / 絞り / シャッター速度です。
ロサンゼルスに遊びに来た友人を飛行場に見送りに行く際、最近僕が必ず立ち寄るレストランがハモーサビーチにある。飛行場まで15分のドライブだから時間を気にすることなくコーヒーが飲め、目の前に広がる海岸の風景を目に焼き付け、機上の人となってもらうのには最高のロケーションなのだ。
先日の朝も、ニューヨークから遊びに来た友人を飛行場に送る途中、このレストランに寄り朝食を食べた。友人は目玉焼きとフレンチフライにトーストが付いたお決まりのアメリカンブレックファースト、僕はソーセージ付のパンケーキを注文した。すっかりおじさんの域に達し、食べる量が随分と減った2人には珍しく、お皿にある物全てを残さず食べ終えた。
そして、黙っているとウエイトレスが永遠にコーヒーカップに注いでくれる薄いコーヒーを何杯も飲み、たわいのない昔話をしながら窓を眺めていると、ビキニ姿の長身の3人の女性がさっそうと現れてビーチバレーボールを始めた。レストランの窓ガラスから見える彼女らの引き締まった身体は、かなり本格的ではと思わせる。ジャンプも高く打ち出すボールも強くレシーブも砂まみれになるまでボールを追っている。
この辺りに住む人には珍しくない、日常的なビーチバレーボールだが、友人にとっては新鮮で刺激的だったようで「すごいジャンプだね、西海岸だね」と、しきりに感動してくれたのが嬉しかった。僕は、レストランから3人のビーチバレープレーヤーがいるコートまで歩いて行き、声をかけた。3人のうちの2人は明日も同じ時刻にここで練習をしていると言うので、写真を撮らせてもらう約束をして、友人を飛行場に送り届けた。
写真2
EOS 5D / シグマ 24-70mm F2.8 EX DG Macro(56mm) / F13 / 1/200秒
ストロボ使用。写真1と同様に脚立に乗っている。ほとんど逆光なので、左手で光をカットしながら右手でカメラをホールドして撮影
写真3
EOS 5D / シグマ 24-70mm F2.8 EX DG Macro(64mm) / F13 / 1/200秒
ストロボ使用。海の向こうにはサンタモニカの山々が見える
写真4
EOS 5D / シグマ 24-70mm F2.8 EX DG Macro(52mm) / F13 / 1/200秒
ストロボなし
1980年代から、ビーチバレーボールはロサンゼルス国際空港から南に車で15分ほどに位置するハモーサビーチをキャピタルとして、人々に親しまれ広がった。今日、南カリフォルニアのビーチになくてはならない風景のひとつとなっている。1920年代のサンタモニカが発祥の地と言われ、数年遅れてフランスでも始まり、1940年代にはサンタモニカで最初の男子のトーナメントが開かれ、1996年にはオリンンピックの正式種目になった。現在アメリカとブラジルが2強だが、オーストラリアがそれに食い込んで来る勢いを見せている。
ビーチバレーボールプレイヤーはこの競技の性質上、男性も女性も長身で引き締まった体で、フォトジェニックな人が多い。特に女性はビキニ姿でプレイするので、美人でスタイルのいいセクシーな選手はスポンサーが付きやすく、ここ数年スタープレーヤーも出ているし、モデルとして忙しくなる人も多く、男性より女性プレイヤーが注目されることが多い。考えてみると、鍛えて締まった身体のビキニ姿の女性に人気が出るのは、当然なのかもしれない。
翌日の朝、僕は昨日と同じ時刻にハモーサビーチに行った。青空の下、ビーチバレーボールを元気に練習している女性2人がそこにいた。僕は練習の邪魔にならないように写真を撮った。
柔らかい砂の上は思った以上に足がもぐり歩きにくい。ここからジャンプするとなると10cmぐらいしか飛べないような気がする。こんな砂の上で速く動いたり飛んだりするのには、かなり強靭な足腰が必要だろう。
僕は砂に足を取られてカメラを落とすのが心配で、少しナーバスになって写真を撮っていた。そんな僕の心とは裏腹に「私たち、ビーチでは何も怖いものがないわ」とでも言いたげに、砂の上を自由で楽しそうに飛び回っていた。彼女らのパワーはいったいどこから来るのだろう。眼下に広がる大きな海がそのエネルギー源なのだろうか。撮影を終え、久しぶりにのんびりと潮風に吹かれていると、何か大きなエネルギーを海から吸収した気がした。
写真5
EOS 20D / シグマ 55-200mm F4-5.6 DC(123mm) / F5.6 / 1/250秒
1~4の写真を撮影した日とは別の日。この日の朝は霧が出ていたが、ビーチバレーボールのクラスが行なわれていた
写真6
EOS 20D / シグマ 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro(40mm) / F6.3 / 1/250秒
写真7
EOS 20D / シグマ 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro(28mm) / F6.3 / 1/250秒
写真8
EOS 20D / シグマ 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro(23mm) / F6.3 / 1/250秒
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http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dialy_backnumber/
押本 龍一
(おしもとりゅういち)東京品川生まれ。英語習得目的のため2年間の予定で1982年に渡米する。1984年、ニューヨークで広告写真に出会い、予定変更。大手クライアントを持つコマ―シャルスタジオで働き始める。1988年にPhotographerで永住権取得。1991年よりフリー、1995年LAに移動。現在はLAを拠点にショービジネス関係の撮影が主。日本からの仕事も開拓中。
http://oshimoto.net
2007/02/28 01:01
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