連載バックナンバー
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モノ・レイク(後編)
[2008/07/30]
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モノ・レイク(前編)
[2008/07/09]
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雪が降った5月のセコイア
[2008/06/25]
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5月、霧のキングス・キャニオン
[2008/06/11]
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サンタ・クルーズ島へ日帰りの旅
[2008/05/21]
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春のデスバレー(後半)
[2008/05/07]
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春のデスバレー(前半)
[2008/04/23]
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パソ・ロブレスの冬
[2008/04/09]
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モハヴェ砂漠の冬(後半)
[2008/03/26]
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モハヴェ砂漠の冬(前半)
[2008/03/12]
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砂漠のルート66
[2008/02/27]
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サークル・Xランチ、サンタモニカ・マウンテンズ
[2008/02/14]
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冬のカーピンテリア
[2008/01/30]
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12月のニューヨーク(後半)
[2008/01/16]
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2007年
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2006年
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2005年
新人ファションモデルを撮る(前編)
メイクのタッチアップ中
知り合いのモデルクラブのオーナーに、「これから積極的に売り出したいモデルがいるから撮影してくれ」と頼まれた。スーパーモデルにはなれないけど、うまくいけばいい線まで行けそうなモデルだと言う。それでは会いましょうということになり、ヘアメイクを連れて一度彼女に会ってみた。
身長は173cmぐらいで、けっしてモデルとしては高いほうではない。顔は、アングルによってどこか東洋人の血が入っているようにも見える。性格は素直で、笑顔も可愛いし、なんとなく僕は気に入った。ヘアメイクに言わせると、今の肌の状態はぎりぎりの線。髪は痛みすぎで、もともとのブラウンヘアにゴールドのメッシュを入れてあり、これは下品でまずいとの厳しい意見。
このままではいい写真は撮れそうにない。僕は早速このモデルを、ビバリーヒルズにある高級ヘアサロンへ送り込んだ。ゴールドを少し赤系のブラウンに変え、カットもしてサロンから出てきた彼女は、別人だった。これでやっと何とかなりそうだとヘアメイクも納得。
しかし、撮影数日前にアクシデントが発生した。モデルが転んで顎を床に強く打ったのだ。何とか腫れがひいたものの、メイクでは隠し切れない。しかもモデルの誕生日が数日前で、そのパーティーで油ものを食べ過ぎて、頬に吹き出物が出てしまっていた。少し待ちたいところだが、時間も限られていたし、撮影をすることにした。
撮影は、時間を気にせずなるべく多くのルックスを撮りたかったので、自宅に隣接している小さなマイスタジオ(写真1)と、木が唯一自慢のマイガーデン(写真2)でゆっくり撮影した。最初のカットは、白いジャケットを素っ裸の上から着てもらった。バックはグレー紙を使用。ライトはカメラマンの右横から、ソフトボックスでカバーしたライトひとつ。
撮影した庭
撮影に使用したバック紙等
このモデルは、アメリカではどちらかと言えば可愛いタイプだ。だから、ストレートに撮ると芸能人のような可愛いポートレイトになる(写真3)。ファッション写真では、可愛いより、クールで格好よさを求められる。だから、可愛いもいいけど、何とか格好いいモデルに撮りたかった。ヘアスタイルを変え、徐々にセクシーな雰囲気に撮っていく(写真4)。
※使用したカメラはキャノン EOS 20D、レンズはシグマ 24-70mm F2.8 EX DG MACRO。すべてオートホワイトバランス、ISO100、RAWで撮影しています。
写真3
F16 / 1/250秒 / 70mm
女優のポートレイト的で、イマイチ
写真4
F16 / 1/250秒 / 56mm
やっとファッションらしくなった
最近はかなりセクシーさを強調する傾向がある。ここに掲載した写真より、かなりセクシーなカットも撮影した。しかし、あまりセクシーさに固執すると、ファション写真でなくなる。どこまでもファションモデルという匂いを出さねばならない。日常生活から着かず離れずの範囲の格好よさ、粋なポーズ、表情等がファションではないかと自分なりに解釈しているが、人それぞれ考え方は違うようだ。
さて次のカットは、彼女のヘアの色に合わせて、皮っぽい布でできているブラウン系のカーテンを白い壁から50cmぐらい離して垂らした。モデルを椅子に座らせたり(写真5)、膝を椅子に乗せたり(写真6)、どこかをボーと見つめている表情をしたり(写真7)、お菓子をやけ食いしたり(写真8)、いろいろ撮ってみた。ライティングは、カメラから見て左上からソフトボックスひとつ。
写真5
F14 / 1/250秒 / 60mm
写真6
F14 / 1/250秒 / 56mm
写真7
F14 / 1/250秒 / 45mm
写真8
F14 / 1/250秒 / 45mm
ちょっと悪びれたのが受けるこの頃
次は庭に出た。この日は天気がよく、きれいな木漏れ日を利用して撮影した。葉と葉の隙間から差し込む光は、ドラマチックだけど柔らかい光。こんなライティングはスタジオでは作れない。レフや補助のストロボは必要なかった。やはり自然光が一番美しい。全身を撮るカットは、彼女のセールスポイントのひざ下が美しく見えるように心がけた。またシャープになり過ぎないよう、絞りは開放に近くしている(写真9、10、11、12)。
写真9
F4 / 1/200秒 / 56mm
写真10
F2.8 / 1/200秒 / 70mm
はしごに乗って上から撮影
写真11
F4 / 1/200秒 / 56mm
写真12
F3.2 / 1/200秒 / 52mm
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URL
バックナンバー
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dialy_backnumber/
押本 龍一
(おしもとりゅういち)東京品川生まれ。英語習得目的のため2年間の予定で1982年に渡米する。1984年、ニューヨークで広告写真に出会い、予定変更。大手クライアントを持つコマ―シャルスタジオで働き始める。1988年にPhotographerで永住権取得。1991年よりフリー、1995年LAに移動。現在はLAを拠点にショービジネス関係の撮影が主。日本からの仕事も開拓中。
http://oshimoto.net
2006/09/06 03:25
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