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Joshua Tree National Parkを撮る


写真1
F9 / 1/8秒 / SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSM(12mm) / 三脚使用
日中、曇りだった空が、急にクリアーになった。砂漠の地面が、つぶれずによく出てくれた
 LAのダウンタウンから140マイル(224km)東に位置するJoshua Tree National Parkを撮影した。1994年10月31日にNational Parkとして認定され、面積3,196平方kmと広大な国立公園だ。LAからも近いし、雄大で魅力的な景色なので、TV CMやミュージックビデオなど、いろいろな撮影によく使われる。僕も何度か、撮影のためにこのParkを訪れたが、風景写真だけを撮りに来たのは今回が初めてだ。

 LAからはInterstate 10を東に走り、急な坂道になるCalif 62(Twenty Nine Palms Highway)に乗り換える。このあたりはもう砂漠地帯で、夏だと摂氏40度を越す暑さになるから、オーバーヒートが心配だ。実際トラブル車をよく見かけるから、気を付けたい上り坂だ。上り坂を上がりきると、平坦な道に変わり、Twenty Nine Palmsという小さい町に着く。北に海兵隊の基地があるぐらいで、ほかに何もなく、この町に来るほとんどの人は僕のように、Park Visitorだと思う。

 Parkの7日間有効パスは15ドル。Twenty Nine Palms Highwayからは、West EntranceとEast Entranceのふたつの入り口がある。Parkにはホテルはないから、宿泊はParkの外にあるホテルか、Parkにあるキャンプ場になる。僕も1度キャンプをしたが、シャワーも無い自然の中で、大きな岩に囲まれた砂漠のキャンプはすばらしい。僕のアメリカでのキャンプ経験の中では、ベスト3に入る。

 LAからは日帰りもできるが、日が暮れるころと(写真1、2、3)と日が昇る風景(写真4)を撮りたかったので、今回は、ホテルに1泊した。朝晩まだ冷え込む3月で、風もある日だったので、キャンプは、次回に見送った。

 この砂漠地帯にはたくさんの小動物が住んでいて、「ジャックラビット」と呼ばれるウサギはをよく見かける。砂漠特有の植物も多く、特にJoshua Treeはこの砂漠の風景に欠かせない木で、Parkの名前にもなっている。カリフォルニア、アリゾナ、ユタ、ネバタ州にまたがる、モアーヴィ砂漠の標高400~1800mの間に見られる。とがった葉と特殊な繊維で覆われている幹(写真5)からなるこのユニークな木は、高さは15mにもなるらしい(写真6、7)。


写真2
F13 / 1/15秒 / SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSM(12mm) / 三脚使用
太陽が完全に沈み、地面は真っ暗に
写真3
F7.1 / 1/25秒 / SIGMA 24-70mm F2.8 EX DG MACRO(28mm)
沈み行く赤みを帯びた太陽光が、岩にJoshua Treeの影を映し出す

写真4
F8 / 1/60秒 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC(78mm) / 三脚使用
曇りのサンライズ
写真5
F13 / 1/125秒 / SIGMA 24-70mm F2.8 EX DG MACRO(48mm)
繊維に覆われたJoshua Treeの幹

写真6
F13 / 1/60秒 / SIGMA 24-70mm F2.8 EX DG MACRO(70mm)
雲に隠れていた太陽が急に顔を出し、Parkを映し出す。暗い空とのコントラストに自然を感じる
写真7
F8 / 1/500秒 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC(134mm)
完全な青空ではなく、少し白っぽい空だが、雪山がよく出た

 そしてこのParkの風景に欠かせないもうひとつの要素は、ロッククライマーを魅了する、さまざまな形をした岩である。いろいろな岩を登れるのも楽しいし、地上から岩までのアクセスが比較的楽だから、何回も登れるのもロッククライマーには魅力となっている(写真8、9)。

 大きな岩は、高さ70mもある。多くの岩が重なり合った、丘のような岩の群れもあり(写真10、11)、また誰かが、遊んで、置いたような岩や(写真12)、造った彫刻のような岩もある(写真13、14、15)から、さまざまな岩を見ているだけでも、楽しい。

 Park内の道は、ダートロードを走らないと行けない所もある(写真16)が、ほとんどの道路は舗装されているから、普通の自動車でまったく問題ない。LAに来る機会があるなら、是非このParkを訪れ、肉眼で、このすばらしい風景を味わって欲しい。もちろん手にはカメラを持って。


写真8
F16 / 1/320秒 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC(55mm)
ロッククライマーとJoshua Tree
写真9
F8 / 1/500秒 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC(176mm)
写真8からズームイン。こんな時、ズームレンズは大変便利

写真10
F14 / 1/160秒 / SIGMA 24-70mm F2.8 EX DG MACRO(36mm)
写真11
F11 / 1/80秒 / SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSM(12mm)
岩陰もつぶれず、白い雲もとばずによく出た

写真12
F6.3 / 1/160秒 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC(86mm)
写真13
F14 / 1/125秒 / SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSM(12mm)

写真14
F8 / 1/125秒 / SIGMA 24-70mm F2.8 EX DG MACRO(24mm)
写真15
F8 / 1/100秒 / SIGMA 24-70mm F2.8 EX DG MACRO(24mm)

写真16
F11 / 1/125秒 / SIGMA 24-70mm F2.8 EX DG MACRO(34mm)



押本 龍一
(おしもとりゅういち)東京品川生まれ。英語習得目的のため2年間の予定で1982年に渡米する。1984年、ニューヨークで広告写真に出会い、予定変更。大手クライアントを持つコマ―シャルスタジオで働き始める。1988年にPhotographerで永住権取得。1991年よりフリー、1995年LAに移動。現在はLAを拠点にショービジネス関係の撮影が主。日本からの仕事も開拓中。 http://oshimoto.net

2006/06/14 16:04
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