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雪が降った5月のセコイア
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5月、霧のキングス・キャニオン
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サンタ・クルーズ島へ日帰りの旅
[2008/05/21]

春のデスバレー(後半)
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パソ・ロブレスの冬
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モハヴェ砂漠の冬(後半)
[2008/03/26]

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砂漠のルート66
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[2008/01/30]

12月のニューヨーク(後半)
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USCのダンスクラスを撮る


 前回にも触れたが、ロスエンジェルスのダウンタウンにあるUSCで、ダンスクラスの撮影をすることになった。

 USCはUniversity of Southern Californiaの略で、日本語では南カリフォルニア大学である。1880年に創立され、現在生徒数32,000人、スタッフ3,000人と大所帯で、年間の授業料は平均32,000ドルと高い有名私大だ。アートやスポーツも盛んで、特にフットボールは強く、数々の有名なプロフットボールプレイヤーもこの大学から出ていて、裁判で日本でも話題になったあのO.J.Simpsonもこの大学からプロに入った。


きれいなクラスルーム
シグマ 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL /HSM / F4 / 1/60秒 / ISO400 / 12mm
ダンスクラスが行なわれる建物

 アメリカの大学のキャンパスは広く、ポストオフィス、病院、それにクレジットユニオンも校内にあり、キャンパス専門のポリスもいるし、テレビ局もよく取材に来ていて、ひとつの町のようだ。キャンパスを歩いていると、映画を撮影していたり、色々なスポーツが行なわれていたり、また楽器のきれいな音色が聴こえたり、なんとも平和で創造的だ。LAの町がこの大学キャンパスのように安全であればいいなと思う。

 撮影は、クラスの風景を記録するためと、セミスターの終わりに各生徒に写真をプレゼントするためだ。大きくプリントも印刷しないので、記録画素数は大きくなくてもよい。EOS 20Dでの記録画質設定はスモールでも問題はなかったが、一応ミドルファインで35人ぐらいの2クラスを撮影した。ホワイトバランスはオート。レンズは特に表記しない限りシグマ 28-70mm F2.8 EX DGだ。

 ダンスクラスはビギナークラスで、1、2年生が多く、18歳から20歳の女子学生が主。中には子どものころからダンススタジオでお稽古して育ったような人もいるが、ほとんどの学生は、本格的なダンスクラスは初めてで、ダンサーらしい、かっこいい人の絵は撮れないだろうと思った。

 USCのダンスクラスに使う部屋は前回のダンススタジオとは違い、大きな窓があり、床も明るめの木なので、部屋全体が明るくてきれいだ。ダンススタジオと言うより、天井も高いので、自然光がよく入るハリウッドの撮影スタジオのようだ。いい空間を見るとすぐに僕は、ここはスタジオにいい、こんなスタジオが欲しいとつい思ってしまう。アウトドア、インドアを問わず、いい空間に出会うと、必ずまたそこに引き返す癖もある。

 さて、明るくて写真を撮りやすそうだが、太陽光が窓に入るアングル次第で、大きな窓がバックになる時は完全に逆光になる。レンズにフレアも出たが、少しでもダンサーらしい動きがあるので撮ってみた。


F4 / 1/125秒 / ISO800 / 56mm
F4 / 1/125秒 / ISO800 / 70mm

F4.5 / 1/60秒 / ISO800 / 42mm
F4 / 1/125秒 / ISO800 / 56mm

 場所を決め、ライティングを決め、自分のイメージを作り上げていく写真と違い、今回のように、カメラマンがライティングもポーズも付けられない撮影は、多少気に入らない状況でも、少しでもいいなあと思えばシャッターを切ろうとする気持ちが必要だと思う。

 これは特に僕には言えることだ。ニューヨークの広告撮影スタジオで、何か気に入らないところがあると、そこを直すまでシャッターを切らない撮影の仕事から始めたので、カメラを渡されて「ハイここで撮って」みたいな撮影は、最近まで好きになれなかった。撮影環境を整えないと、手抜きしているようで、写真が撮れなかったのだ。

 しかし、数年前からスナップ的な撮影も自分なりに何とかこなしてきたら、フットワークがよくなり、フレーミングや、自然光を読む速さなど、いろいろな決断が速くなった気がする。それから昔に比べて、少しは写真を気楽に撮れるようになったかもしれない。少し無責任な言い方だけど「何かいいのが写っているだろう」と思うことが増えた。

 それでもまだまだ撮影中は考え過ぎたり、不安げな顔をしてしまうことがあり、いつも何の問題もないという顔で仕事ができるようになりたいものだ。


F4 / 1/125秒 / ISO800 / 24mm
F4 / 1/125秒 / ISO800 / 70mm

F4 / 1/125秒 / ISO800 / 70mm
接近してくる女子学生をAL SEVOで撮影
F3.5 / 1/125秒 / ISO800/ 24mm

2クラス目は、雲がまったくなくなり、強い太陽光が窓から差し込んで来て、夕方にもなり、部屋が赤みを帯びてきた
F4.5 / 1/125秒 / ISO400 / 64mm
F2.8 / 1/125秒 / ISO400 / 70mm

F4.5 / 1/125秒 / ISO800 / 64mm
アクセサリーがお洒落な女子学生
F3.2 / 1/125秒 / ISO400 / 70mm

F2.8 / 1/125秒 / ISO400 / 24mm
撮影を終えると、外はもう暗く、マーチングバンドの練習がナイターで行なわれていた


URL
  バックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dialy_backnumber/



押本 龍一
(おしもとりゅういち)東京品川生まれ。英語習得目的のため2年間の予定で1982年に渡米する。1984年、ニューヨークで広告写真に出会い、予定変更。大手クライアントを持つコマ―シャルスタジオで働き始める。1988年にPhotographerで永住権取得。1991年よりフリー、1995年LAに移動。現在はLAを拠点にショービジネス関係の撮影が主。日本からの仕事も開拓中。 http://oshimoto.net

2006/03/23 01:20
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