連載バックナンバー
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モノ・レイク(後編)
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モノ・レイク(前編)
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雪が降った5月のセコイア
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5月、霧のキングス・キャニオン
[2008/06/11]
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サンタ・クルーズ島へ日帰りの旅
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春のデスバレー(後半)
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春のデスバレー(前半)
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パソ・ロブレスの冬
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モハヴェ砂漠の冬(後半)
[2008/03/26]
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モハヴェ砂漠の冬(前半)
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砂漠のルート66
[2008/02/27]
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サークル・Xランチ、サンタモニカ・マウンテンズ
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冬のカーピンテリア
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アリゾナ州セドナへの旅
セドナと私
私の住んでいるロサンゼルスから、車でアリゾナ州のセドナに行った。フェニクスまでは、インターステイトフリーウェイ10、通称「I-10」を使う。I-10は、カリフォルニア州、サンタモニカからアリゾナ州、ニューメキシコ州、テキサス州、ルイジアナ州、ミシシッピー州、アラバマ州、フロリダ州、ジャクソンビルまで繋がっている。つまり、アメリカ合衆国の下の方をパシフィックオーシャンの海岸線からアトランテックオーシャンの海岸線までを横切っているのだ。ジャクソンに入り、海岸線に近くなると一般道路になるようだ。テキサス州では、メキシコとの国境沿いを走る感じだ。
そのI-10で、LAのダウンタウンを越えて1時間半も走り、有名なリゾート地パームスプリングスに到着するころは、車内から見える景色はすっかり砂漠となる。(写真1)この辺りは、強い風がよく吹き、横風でトラックが横転する事後も珍しくないから気を付けてドライブしたい。
アリゾナ州に入ると、制限速度は65マイルから75マイル(120キロ)に上がる(写真2)。アメリカ人はスピード狂が多く、制限速度で走っていると皆に抜かれる。若い女の子でもびっくりするぐらいのスピードで、マイペースで走る私を追い越して行く。
写真1
ブレを出して、車から撮影した感じを出した
ISO100 / F16 / 1/60秒 / 55-200mm / 焦点距離55mm
写真2
フォーカスをAL SERVOにして接近するサインを撮る。この写真も写真1と同じ効果を狙った
ISO100 / F16 / 1/60秒 / 55-200mm / 焦点距離200mm
今回の旅は、キャノン EOS 20Dとシグマの24-70mmの他に、シグマの12-24mmと55-200mmを持って行った。これはシグマ55-200mm。歩きが多い今回のような旅には、コンパクトで軽く荷物にならないレンズがいい。310gでポケットに入れても歩ける。それに低価格なのも嬉しい。APS-Cサイズ用
シグマ12-24mm。APS-Cサイズでも、広角レンズとして満足な画角。フルサイズ用のレンズなので、キャップを付けるためのリングを付けたままでも、APS-Cサイズのカメラではケラレない
さてアリゾナ州だが、すぐ目に付くものがある。それはサボテンだ(写真3、4)。南下してツーソンまで行くとその数が増し、保護されたパークもあり、サボテンの群れが見られる。20年以上前、渡米間もない私は、アラバマ州でホームステイしていたホストファミリーと、彼らの親戚が住むニューメキシコまで、モーターホームで訪れた事があった。そこから私はレンタカーを借り、ツーソンまで足を延ばし、サボテンを撮りに来た事がある。当時、2年の滞在予定で渡米した私が今もアメリカに住んでいるとは、人生の計画はどこで変わるかわからない。
写真3
サボテンの陰に隠れて撮影。アリゾナの強い太陽をレンズに入れ、露出アンダーで撮影
ISO100 / F20 / 1/200秒 / 24-70mm / 焦点距離34mm
写真4
サボテンの下から見上げる。ストロボに緑のカバーをかけて緑色の光にして、サボテンの緑を強調してみた。露出が難しいが、すぐ確認できるデジタルがありがたい
ISO100 / F8 / 1/200 / 12-24mm / 焦点距離12mm
サボテンを撮影する時、ストロボに緑のカバーをかけた
写真5
太陽がもうすぐ沈む冬のセドナ。有名な撮影スポット。露出は赤い岩に合わせ、三脚使用
ISO100 / F16 / 1/50秒 / 24-70mm / 焦点距離39mm
フェニクスからはI-17に乗りかえて、北へ1時間45分ぐらいのドライブでセドナに着いた。セドナは「レッドロックカントリー」と呼ばれ、西部劇映画でよく撮影された土地で、赤い岩からなるその独特の景色がすばらしく、観光客も多い。最近は、ニューエイジでスピリチュアルな土地としても、その世界に興味がある人には聖地とされている憧れの土地なのだ。ヒーラー、サイキックはもちろんだが、アーティスト、映画関係の人も多く住んでいる。
ボルテックスと言う言葉をお聞きになったことがあるだろうか。直訳は渦巻きと言う意味だと思うが、ここセドナには、ボルテックスと呼ばれる強いエネルギースポットがいくつもあるといわれている(写真6、7。写真はベルロック)。先のキャセドラルロックも有名なボルテックスのひとつだ。そのエネルギーに敏感なジュニパーツリーは、その影響で捻じ曲がってしまうそうだ(写真8)。つまりこのジュニパーツリーが曲がったところはすごいパワースポットだ。そのパワースポットでは万病が良くなったり、すごい閃きがあるらしく、私もすこし瞑想気分に浸ってみた(記事冒頭の写真)。町の観光名所のひとつ、トラキバキへ行ってみると、小さくかわいい絵になる教会があった(写真10、11)。
写真6
ベルロックのトレイル入り口。手前のサインにフォーカスした
ISO100 / F11 / 1/125秒 / 12-24mm / 焦点距離12mm
写真7
ベルロックで。手前の岩にフォーカスする
ISO100 / F14 / 1/60秒 / 12-24mm / 焦点距離12mm
写真8
ジュニパーツリーとセドナの風景
ISO100 / F11 / 1/100秒 / 12-24mm / 焦点距離14mm、
写真10
冬のやわらかい光に包まれる教会。手前の十字架にピントを合わせて、教会を好みのボケぐあいに撮影した
ISO100 / F3.5 / 1/1000秒 / 24-70mm / 焦点距離24mm
写真11
写真10を撮影した場所からズームインして、教会の鐘を撮る
ISO100 / F3.5 / 1/1000秒 / 24-70mm / 焦点距離60mm
セドナは新緑の春と紅葉の秋がシーズンで、是非その頃、訪れてみたい。LAまでの帰路、フリーウェイを降りて、どこまでも続いているような1本道と電信柱を撮影(写真12)。少し場所を移動して、夕焼けでも撮影した(写真13)。
写真12
ちょうど車が来たのを入れて撮る
ISO100 / F4.5 / 1/500秒 / 55-200mm / 焦点距離94mm
写真13
三脚使用。露出は夕焼けの空に合わせた
ISO200 / F5.6 / 1/10秒 / 55-200mm / 焦点距離147mm
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URL
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http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dialy_backnumber/
押本 龍一
(おしもとりゅういち)東京品川生まれ。英語習得目的のため2年間の予定で1982年に渡米する。1984年、ニューヨークで広告写真に出会い、予定変更。大手クライアントを持つコマ―シャルスタジオで働き始める。1988年にPhotographerで永住権取得。1991年よりフリー、1995年LAに移動。現在はLAを拠点にショービジネス関係の撮影が主。日本からの仕事も開拓中。
http://oshimoto.net
2006/02/20 15:37
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