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【特別企画】バッファロー「おもいでばこ」徹底レビュー

スマホ連携も可能。意外にマニアックな“デジタルフォト・アルバム”
Reported by 北村智史


 バッファローの「おもいでばこ」は、家庭用テレビの大画面で写真や動画をパソコンなしで楽しむためのデジタルフォト・アルバム。テレビにつないで使うHDD内蔵ストレージャーだと思えば分かりやすい。機能を欲張っていない分、価格は抑えめで、シンプルかつ簡単な操作であつかえるのが特徴。起動の速さも一般的なWindows PCより高速だ。

 ACアダプター、赤外線リモコン、HDMIケーブル、AVケーブルなどが付属している。大手量販店の店頭価格は1万6,600円となっている。


多彩なメモリーカードからの取り込みに対応

 データの取り込みは前面のSDメモリーカードをスロットに差し込んで「とりこみ」ボタンを押すだけ。なので、相当なメカ音痴でもないかぎりは問題なく利用できる。基本的には、「写真は好きだが、パソコンは苦手」という人向けの製品といえるが、我が家の場合、整理下手なカミサンや、撮ったあとの処理は他人任せにしてはばからないムスメに使わせたいアイテムである。ただ、後述するように凝った機能もそれなりにあるので、メカ好きな男性にもハマる要素はあるかもしれない。

 内蔵HDDの容量は320GBで、同社のWebサイトの情報によると、静止画なら約6万枚(1枚あたり約4MBとして)、動画は約32時間(17MbpsのH.264形式)の保存が可能とある。かなりのヘビーユーザーでなければ十分な容量だ。対応するファイル形式は、静止画はJPEGのみ。動画はMotion JPEG、MP4、H.264/AVC、AVCHDが扱える。

 もちろん、重複した写真や動画は取り込み時に自動的にスキップしてくれるので(ファイル名と日付で区別しているのではなく、内部的にファイルを比較しているという)、すでに取り込んだデータをダブって取り込んでしまう心配はない。大容量のカードにどんどん撮り溜めていくタイプの人でも、無駄に容量を食われることがないのはいい点だ。

起動直後の「ホーム」画面。画面のテーマは、初期設定の「キャンバス」のほか「デスク」「フローリング」「スケッチブック」「テーブルクロス」がある。

画像の取り込みは、前面のSDスロットにカードを差し込んで「とりこみ」ボタンを押すだけ。簡単です。

取り込み中の画面。重複している写真や動画はちゃんとチェックしてダブらないようにしてくれる。

 前面と背面にUSB 2.0端子を備えており、前面の端子にはカードリーダーや外付けのHDD、USBメモリー、iPhoneのドックコネクタUSBケーブルを接続できる。SDメモリーカード以外のメモリーカードを使うカメラをお持ちの方や、すでにパソコンに溜まっている画像データを取り込みたい人にも便利な仕様だ。さらに一部のデジタルカメラ、Android端末などもUSBケーブル経由で接続できる。


おもいでばこ前面

前面のUSB2.0端子には、メモリーカードリーダーや外付けのHDDもつなげられるので、SDメモリー以外のカードも利用できる。

 背面の端子にはバックアップ用の外付けHDDが接続できる。こちらは特に設定は必要なくて、つないでおきさえすれば、あとは自動でバックアップをしてくれる。らくちんだ。どうせなら、外付けHDDを「追加」として使えるモードもあればいいのに、と思う。


おもいでばこ背面

 ちなみに、背面のLAN端子はGPSデータに対応するためのもので、位置情報を持つ写真を見るときにインターネット経由で撮影した場所の地図が表示してくれる。ネットワーク経由でのファームウェアアップデートにも対応しており、アップデートがあった場合はホーム画面ですぐに気づくようになっている。LAN端子にWi-Fiルーターをつなげていれば、後述するスマホ対応も可能になる。


背面の端子。テレビと接続するHDMI端子、バックアップ用の外付けHDDがつなげられるUSB端子がある。

同じく背面のLAN端子。これはインターネットと接続して地図を表示するために利用する。残念ながらNAS機能はない。

位置情報付きの画像だと、サムネイルにマークが付いて、1枚表示の画面ではこんなふうに撮影場所の地図が表示される。

意外に強力なアルバム機能

 テレビの画面で写真や動画を見るのは案外に楽しい。なんたって画面がでかい。筆者が使っているパソコン用モニターは23型で解像度は1,920×1,200ピクセル。一方、テレビは37型だ。解像度はほぼ互角だが、画面サイズの違いは歴然。対角線長の差が35cmもあるのだから、迫力がまるっきり違う。

 ただ、家庭用のテレビだけに、キャリブレーション済みのパソコン用モニターとは発色がずいぶん違うのは少々気になるが(彩度とコントラストがずっと高いのだ)、これは「おもいでばこ」のせいではないし、エンターテインメントとして楽しむ分には悪くないから気にしないことにする。

 取り込んだ写真や動画は日付ごとに自動的に整理した状態で表示される。基本はカレンダー表示で、月別や年別のカレンダーもあるし、タイムライン表示にもできる。このタイムライン表示がなかなかいい。月別や年別に、撮った写真のサムネイルを表示してくれるのだが、その時期にどんな写真を撮ったかが概観できる。アルバムの目次が写真で構成されていて、それを眺めるような感じの表示なのだ。


「日」ごとのカレンダー。何日に何枚撮りましたよってのが分かる仕組み。もちろん、カレンダー上に表示する画像を変えることもできる。

「月」ごとのカレンダー表示。同じようにその月に何枚撮ったかが表示されている。で、リモコンのボタンの機能も分かるようになっている。シンプルで親切。

こちらは「年」ごとの表示。年、月、日の画面を切り替えて使い分けることで、移動したい日付に素早く移動できる。

「タイムライン表示」の画面。ブロックごとにピックアップされた画像がサムネイル表示される。

これは「月」のタイムライン表示。比較作例撮ってる関係で、似たようなサムネイルが並んじゃったりするのだ。

「日」のタイムライン表示。毎日撮る人ならみっちり詰まるんだろうけど、筆者だとすかすか。

 もちろん、1枚の写真を全画面表示したり、部分拡大もできるし、BGM付きのスライドショーも楽しめる。任意の写真に「お気に入り」のマークを付けることやコメントを入力することも可能。コメントは付属のリモコンで入力できるし、専用アプリをインストールしたスマートフォンから入力することもできる。


1枚表示の画面。撮影データとかは細かくは表示してくれない。下部はコメント表示欄。

全画面表示の状態。しばらく放置すると「リモコン操作」のパネルやサムネイル表示は消える。

ちょっぴり拡大している状態。

画面右上で、どの部分を拡大しているかが分かる。

めいっぱい拡大した状態。ピクセル見えるまで拡大しなくていいんですけどね。

「メニュー」を開くとこんな感じ。

写真を回転させても画質の劣化はしないとのこと。自動回転してくれないカメラを使っている人には重要なポイント。ボタン一つで90度に回転できる。

表示している画像を「お気に入り」にしたり、外したり。普通の機能だが、あると便利なのは間違いない。

「お気に入り」にすると、サムネイルに「★」マークが付く。

絞り込み検索の方法はいろいろ。ここでは「カメラ名」を選んでみる。

「おもいでばこ」に保存されている画像を撮ったカメラの名前がずらずらっと出てくる。

で、選ぶと指定したカメラで撮った画像だけのカレンダー表示になる。

スライドショーの画面が切り替わるときのエフェクトを選択する画面。「ディゾルブ」とか「回転」とか選べる。

スライドショーのBGMは内蔵されている曲から選べるほか、MP3の音楽ファイルを取り込んで利用することもできる。

こちらはコメントを付けるときのメニュー画面。

付属のリモコン。下半分は携帯電話っぽくて、実際、携帯電話と同じように日本語入力ができる。

コメント入力中の画面。携帯電話といっしょだ。

で、入力したコメントはこんなふうに表示される。入力した文字数に応じてコメントの大きさが変わる。

スマホアプリとの連携も

 ちなみに、スマートフォンアプリは文字入力だけでなく、写真や動画を「おもいでばこ」に送ったり、「おもいでばこ」から受け取ったりもできるほか、リモコンとしても利用できる。このあたりの発想は今風で、面白い。


Android用に続いて、iPhone用アプリも登場。iPhoneはWi-Fi、「おもいでばこ」は有線LANで接続しておく。 「リモコン」の画面。もちろん、タッチ操作である。上下左右の隅の部分は「メニュー」や「タイムライン」への切り替えなどに使う。

指で画面をなぞるとコマ送りとかの操作が可能だ。 iPhoneで撮った写真や動画を「おもいでばこ」に転送できる。

ちゃんと重複のチェックもやってくれる。マメである。
iPhoneからの画像を受信中の画面はこんな感じ。

画像にコメントを付けるのもiPhoneからやれる。入力したら、「送信」ボタンを押せばOK。
送ったコメントは即座に反映される。使い慣れた変換機能が利用できるのはありがたい。

コメントを入力し終わったところ。
「おもいでばこ」の画像を、iPhoneに送ることもできる。送りたい画像にチェックして「完了」。

で、送信先とかを確認して「決定」すればOKだ。

「おもいでばこ」からiPhoneに画像を送っているところ。 送った画像は「カメラロール」に。簡単だし、操作に悩むこともない。

 アルバム機能もちょっと凝っている。家族の誕生日などをあらかじめ「記念日」として設定しておくと、以前にその「記念日」に撮った画像を自動的にアルバムにまとめてくれるのだが、これから撮る画像も自動で追加してくれるようになっている。手間いらずである。こういうのは機械に慣れない人にはとてもありがたいだろうし、慣れている人にとってもらくちんで便利なのである。任意の画像を集めて作品集的なアルバムを作ることももちろんできる。動作スピードはけして速くはないが、ソフトのできはなかなかいいと思う。


「記念日」作成中の画面。ちゃんと予測変換もやってる。

「はい」で記念日作成完了。

そうすると、カレンダーにおめでたい感じのマークが表示される。ちなみに筆者の誕生日である。プレゼントは年中受け付けてます。

「自動アルバム」作成機能を備えている。祝日のアルバムや記念日のアルバムを自動で作ってくれる。

これは「祝日アルバム」を作成した後。祝日に撮った写真が自動的にアルバムになっている。もちろん、自分で作った「記念日アルバム」なんかもここに表示される。

 あと、動画に強いのも気に入った点。筆者の場合、パソコン環境が貧弱なものだから、フルHD動画(特にAVCHD)の再生がちょっとばかり厳しいのである。特に、再生スタートしてから数秒くらいまでの動きはじめの部分で、動きが滑らかでなくなったり、変なブロックノイズが出たりするし、たぶん、インターレースのだろうシマシマも目立ってうとましい。

 その点、「おもいでばこ」を使えばストレスはぐっと減る。当たり前のように滑らかに動いてくれるし、シマシマも気にならない。このあたり、餅は餅屋だねぇって思ってしまう。AVCHDなんかはフォルダー構造はややこしいしファイル管理も辛気くさいから、全部こっちにまかせちゃうなんてのも手かもしれない。動画専用の保管ツールとして使うのもありだなと思う。


テレビ接続型の機械だけあって、動画にも強い。ただし、大半の動画ファイルはカメラ名が分からないのが不便な点ではある。

筆者の貧弱なパソコンと違って、AVCHD動画でもばっちりスムーズに再生してくれる。それだけで十分ありがたみがあるなぁって思う。

まとめ

 個人的には自分の写真はパソコンで管理するほうがやりやすいので、「おもいでばこ」のメインのターゲットからは外れてしまうが、カミサン用とかムスメ用としては便利そうな気がしている。HDDのあちこちに写真を隠し持っているカミサンは、まるっきり整理ができないし(いつも収拾が付かなくなってから助けを求めてくるのだ)、ムスメはムスメで撮る以外のことには興味はないらしい(そのくせ、いついつに撮ったなんとかの写真を出して、とか平然というのだ)。そういう人たちにはぴったりの製品だと思う。

 一方、デジタルフォトの上級者向けとしては、お気に入りを集めた作品ボックスとして使えるだろう。持ち運びを前提にした製品ではないが、それほど大きくも重くもないからどこにでも持って行ける。テレビのある場所ならどこででも作品の展示ができてしまう。「おもいでばこ」とテレビだけの超コンパクトな写真展なんてのもやれる。いろんな可能性のある製品だと思う。

(協力:株式会社バッファロー)






北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。

2012/8/28 00:00