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【 2014/10/17 】

【特別企画】お父さんのための「夏の星空撮影講座」

Reported by 西村春彦


 7月ももう下旬。いよいよ子ども達には、待ちに待った夏休みが到来しました。

 夏休みは家族で帰省やキャンプ、海水浴に登山など、旅行やアウトドアなどに出かけることも多く、そんな外出先で楽しいひとときの夜、星空を見上げる機会も多いはず。

 普段生活している街から一歩郊外へ出ると、いつも以上にきれいな星空が見え、さらにキャンプ場や山間部などの大自然の中では驚くほどの数の星達を大空いっぱいに見ることができるチャンスもあります。

 満天に広がる星空では、有名な星座だけではなく天の川も見ることができますし、また7月下旬には、やぎ座α(アルファ)流星群(7月20日〜8月25日頃まで)や、8月に入ると三大流星群のひとつでもあるペルセウス座流星群(7月20日〜8月20日頃まで)や、はくちょう座κ(カッパ)流星群(8月8日〜8月25日頃まで)と、夏休みは期間中を通して数々の流星を観測するには、実は絶好のタイミングなのです。

 ここ数年、小惑星探査機のはやぶさをはじめとした宇宙にまつわる話や、金環日食などの天体ショーが脚光を浴びています。宇宙や星空に思いをはせるお子さんも多いのではないでしょうか。

 狙いを定めて惑星や星雲、星団などを大きくクローズアップして観測するのとは違い、大空に広がる星々を画面いっぱいに広く撮影するためには、天体望遠鏡や赤道儀をといった専門的な機材は必要ありません。一眼レフカメラやノンレフレックス(ミラーレス)カメラといった一般的な機材で撮影することが可能ですので、お子さんの夏休みの自由研究ともあわせて、夏の夜の星空を家族で一緒に見上げながら撮影してみてはいかがでしょうか。

 今回は、初めて星空を撮影するお父さんに向けて、星空の撮影方法を解説していきましょう。


用意するもの

 画面いっぱいに数々の星たくさん入れて満天の星空を撮影するには、ある程度高感度に強く、さらにシャッター速度が10秒以上からバルブ(B/BULB)といった長時間露光での撮影が可能なデジタル一眼レフカメラやノンレフレックスカメラが必要。最近のカメラなら、超高感度に対応した機種もかなり増え、また超高感度時もキレイに撮ることができるようになりました。

 レンズは標準ズームレンズがあれば良いでしょう。その広角側で撮影が楽しめますが、より画面に広く大空の星々を写すなら、広角ズームが用意できると、さらに迫力のある星空を撮影することができます。

 星空を止めるか、星が動く軌跡を撮るかで露光時間は変わってきますが、いずれにしても10秒以上からバルブ(B/BULB)といった長時間露光での撮影になりますので、カメラを固定する三脚は必須になります。

 長時間露光など遅いシャッター速度での撮影になるのでレリーズを用意することをオススメします。特に撮影方法でバルブを使用する場合は、バルブ撮影に対応したレリーズが必須になりますので必ず用意しましょう。


星の撮影では長時間露光になるので、カメラを三脚に固定して撮影する。長時間露光での撮影はレリーズが必需品だ。

大空に広がる星空は広角で撮影する。標準ズームのワイド端よりも広い画角の広角ズームなら無数の星たちを画面いっぱいに入れて撮ることができる。写真はEF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM。 三脚も必須アイテムだ。今回はベルボンのジオ・カルマーニュN635Mをチョイス。

 他にもあると便利なのは、星の動きがわかる全天星座板(星座の早見盤)や方位磁石、小型の懐中電灯です。

 先日、100円ショップをのぞいたときに、全天星座板(星座の早見盤)が売られていたので購入しました。子どもと一緒に星座を観測するには必要不可欠なアイテムの1つだといえます。

暗いところでの撮影は、カメラの操作部が見えないのでポケットに入る小型の懐中電灯は必需品だ。また子どもと一緒に天体観測をするときは、方位磁石や星座の早見盤などがあると便利だ。

撮影場所を決めよう

 都市部などの明るい街の中では、星があまり見えません。これは街の灯りや周囲の明るさなどにより、暗い星空が見えにくくなってしまう、いわゆる「光害」の影響が大きな原因になります。

 つまり普段よりも多くの星を見たいなら、郊外や山間部へ移動する必要があります。もちろん雲のない晴れた日がベストです。

 そういう意味では、キャンプ場や海水浴場といった環境や、郊外にある道の駅なども、周囲にある街灯などの強い光りを避けて暗がりで夜空を見上げることができれば、普段よりも手軽に見ることができるという意味でオススメのスポットになります。

 より無数の星達が一面に広がる星空を見ることができる環境としては、街や住宅地などから遠く離れ周囲を山に囲まれた山間部や、登山した山の上などが挙げられます。島や半島など周囲が海に囲まれているところも、星空を見るためにはベストな場所選択といえるでしょう。


撮影の準備

 まず、カメラを三脚に取り付けます。長時間露光をするため三脚は軽くて細いものよりも太くてガッシリとしたものがオススメになります。

 今回使用した三脚のジオ・カルマーニュN635Mは、大口径望遠レンズや中判カメラなどにも対応可能な中型のカーボン三脚で、マグネシウム製の雲台は従来よりも大幅に軽量化。さらにクイックシューはカメラの装着がワンタッチなので、スムーズに三脚へ固定できます。

 星空の撮影では、カメラを見上げた角度にすることが多くなりますが、3ウェイ雲台では、通常のカメラの取り付け方でカメラを上に向けると、パン棒が三脚やセンターポールに当たってしまうことがあります。

 そのような場合は雲台にカメラを前後逆に装着すると、真上にカメラを向けることができます。

 また風などの影響によるブレを抑えるには、三脚のエレベーターやセンターポールをできるだけ伸ばさずに使用するようにすると、長時間露光でもカメラをより安定させられます。


センターポールを伸ばすと、伸ばしていないときよりも上に向けることができるが、それでも途中で止まってしまう。パン棒がセンターポールに当たるからだ そこでカメラを雲台に逆向きにセット。パン棒がレンズ側になり、真上にカメラを向けることが可能になる。

 次に重要になるのは、カメラのピント合わせの方法です。

 星空に向けて画面全体が星空の場合、つまり画面が暗闇の状態で、カメラのAF機能を使ったピント合わせは不可能です。

 まず画面いっぱいに星空を撮影する場合、ズームを広角端(ワイド端)にします。

 三脚を使用してカメラを固定して撮影するので、手ブレ補正機能はオフにします。

 ピントは無限遠です。周囲がまだ明るいうちに広角端にして一番遠景の場所にAFでピントを合わせ、MFに切り替えておくという方法が確実ですが、うっかりピントリングに触れてしまいピント位置がズレてしまう危険性もあります。

 インナーフォーカスのレンズならAFでピントを合わせた後にMFに切り替え、ピントリングにテープなどを貼り固定しておくことは可能です。しかし一般的なレンズの場合、ズームとピントリングが連動して繰り出す構造なので、テープなどで固定すると、レンズ鏡筒の内側にテープをうっかり巻き込んでしまったり、レンズ自体にも無理な負荷がかかります。故障の原因になってしまう恐れがあるので、テープなどで固定することはやらないようにしてください。


三脚にカメラを固定したら、まず手ブレ補正機能はオフにしよう。

一般的なレンズは、ズームとピントリングが1つの筒で連動して動く。テープなどを貼って固定しようとすると、内側に巻き込んでしまったり、負荷がかかり故障の原因になるので危険だ インナーフォーカスのレンズは、ズームリングとピントリングが別の筒になっているので、MFに切り替えてピントリングにテープを貼りピントを位置を固定することができる

 ピント合わせのしやすさという意味では、日が沈む前の明るいうちからピント合わせをしておくことが最善の方法ですが、それが難しい場合は暗くなってからピントを合わせなければなりません。その場合いくつかの方法があります。

 まず、最も遠景にある夜景など灯りの強い点光源や月を利用すると、光学ファインダー内の中央の測距点(AFフレーム)を選択しAFでピントを合わせることが可能です。

 ライブビューが使えるなら、背面モニターでピント合わせができます。AFでピントが合わない場合は、MFに切り替え、液晶モニター画面を見ながら手動でピント合わせを行ないます。

 具体的には、AFからMFに切り替え、次に背面モニター画面の明るさを一番明るい状態に設定し、一番明るい点光源を拡大して手動でピントを合わせる方法です。

 ピントが合っていないと点光源の周辺部は光りがにじみボヤッと見えますが、ピントが合うと点光源の周辺部のにじみが無くクッキリとします。そのいちばん遠くにある点光源が、無限遠でのピント位置ということになります。

 もし点光源や月が出ていない場合は、やや難易度が高くなりますが、星空でピントを合わせるしかありません。その場合はいちばん明るく輝く0等星や1等星などを背面モニターで拡大してMFでピントを合わせることになります。

月や遠景の街の灯りといった強い点光源なら、光学ファインダーでピントを合わせられることもある。精度の高い中央AFのAFセンサーが信頼できる。

ライブビューでピントを合わせる場合は、まず背面モニター画面の明るさを最大にする。

大きな点光源や強い点光源を見つけたら、拡大してピントを合わせる

 ピントを合わせた焦点距離からズームをして画角を変えて撮影する場合は、レンズによってピントの位置が変わることがありますので、撮影する画角で再度ピント合わせを行なう必要があります。

 また、ピント位置の距離指標などがあるレンズの場合、無限遠の指標はある程度のゆとりを設けて設計してあります。それはズームの場合、レンズの構造上の焦点距離(ズームの位置)によって無限遠のピントの位置が変わったり、個体差なども考慮しているためです。無限遠の指標に合わせても実際にはピントが合っていない場合がありますので、まず撮影する画角を決めてから、その都度ピントを合わせるようにしましょう。

 背面モニター画面でのピント合わせが終了したら、撮影環境の暗さに合わせて液晶画面の明るさを暗く設定しておく必要があります。

 撮影している環境の明るさに対して背面モニターが明るすぎると、実際に撮れた画像の明るさが暗く写っていても、モニター上では明るく写っているように見えてしまい、画像の明るさの判断を間違ってしまう可能性があるからです。

 周囲が真っ暗な環境なら、おおむね1番目か2番目に暗い設定しておくとよいでしょう。

ピント合わせが終わったら、背面モニター明るさを撮影環境の暗さに合わせておこう

カメラの設定

 ピント合わせの他にも、撮影前にあらかじめ設定しておくべきことがあります。

 まず、撮影時の設定で長秒時(長時間)露光ノイズ低減はオフにしておきます。

 長時間露光するのになぜ? と思うかもしれませんが、この長秒時(長時間)露光ノイズ低減機能を使うと、長時間露光した時間と同じ時間、ノイズリダクション処理(何も写っていない画像を同じ時間だけ内部的に撮影し、最初に撮影した画像と合成する)が行なわれます。

 例えば1分シャッターを開ける(露光する)と、シャッターが閉じてからのデータの書き込みに要する時間が、さらに1分間かかるわけです。露光時間+ノイズ処理でトータル2分の時間、つまり倍の時間がかかります。

 しかも次のシャッターを切るには、そのノイズ処理+データの書き込みが終了しないと行なえません。露光時間が長いほど次のシャッターを切るため、待ち時間が長くなってしまいます。


長秒時(長時間)露光ノイズ低減はオフ(しない)に設定する

 1カット決め撃ちなら構いませんが、やはりせっかくのチャンスですから、たくさんいろいろなカットを撮影しておきたいものです。長秒時(長時間)露光ノイズ低減はオフにしておくことをオススメします。

 もし、ノイズがどうしても気になるなら、撮影データをRAW+JPEGデータで撮影しておき、撮影後にパソコンでノイズ処理を行なうことができます。

 長秒時(長時間)露光ノイズ低減に加えて、高感度撮影時のノイズ低減もありますが、この機能はデータ書き込み時の処理時間に影響がないので、「強め」に設定しておくとよいでしょう。

高感度撮影時のノイズ低減はオンのままでOK。星空の撮影では超高感度も使用するので「強め」に設定しておくと安心だ

天の川を止めて写す

 地球から天体を見ると、地球の自転により天体は東から西へ動いているように見えます。それを日周運動といいます。その日周運動の速さは1時間で15度ずつ動いていきます。

 その動きは小さな星をじっと見ていても肉眼では動いているようには感じられず、時間が経ってから見ると位置が動いていることでわかるくらいの速さ、つまり見た目ではほとんど感じられない速さですが、静止画を撮影するカメラの被写体としては、動体ということになります。

 よく天体の動きを光りの軌跡として捉えた写真を目にしますが、それはカメラで長時間露光をして撮影しています。星空の撮影では最も一般的な撮影方法になります。

 星の光を軌跡として撮影する方法は、カメラを三脚に固定しピントを無限遠にしっかり合わせ、ISO100などの低感度で、一般的な標準ズームなら絞り開放F値(F3.5)から絞ってもF5.6くらいまでを目安に設定して、バルブ(B/BULB)モードで数分から数十分間、バルブ対応のレリーズを使いシャッターを開けっ放しにしておくだけ。

 シャッターを開けておく時間は、撮影する場所や方角の夜空の明るさや設定する絞り値でも変わるので一概にはいえませんが、おおむねISO100、絞り開放からF4で露光時間を5分程度から試し、撮影した画像を確認して露光時間を調整するとよいでしょう。

 夜空が明るすぎて写ってしまったら露光時間を短くし、逆に暗すぎて写ったら露光時間を長くするようにします。


超広角ズームレンズの広角端で南の空を撮影。約8分間弱の露光で星の軌跡を撮影することができた。
上の写真とは反対の方角になる北の空にカメラを向けた。北極星を中心に星が回転している。また北極星から遠ざかるほど星の軌跡が長くなっていることがわかる。

 天体を軌跡ではなく止めて写したいときは、高感度に設定し、撮影モードをM(マニュアル)モードにして、露光時間と絞り値をそれぞれ設定して撮影します。

 感度設定のうち、超高感度側の性能はカメラによってもさまざまですが、最近の製品ならISO3200くらいまでの超高感度を常用感度としています。まずはおおむね、どのカメラでも撮影が可能なISO3200を基準に設定してみましょう。

 露光時間は、空の明るさによって変わってきます。

 周囲に明るい街の灯りや夜空に月が出ている場合は明るく写ってしまい、逆に街などから遠く月も出ていない暗い環境では夜空も暗く写ってしまいます。

 星の見える数も夜空の明るさによって変わってきますが、周囲の街の灯りや月の影響だけではなく、大気の湿度や霞など気候的な影響でも変わってきます。

 まず、ひとつの基準になる露出値としてISO3200、絞りF3.5(一般的な標準ズームの開放F値)、露光時間30秒で撮影してみましょう。


夜空が暗く見える場所で、月もまだ出ていない時間。南側の空の天の川を撮影した。天の川がしっかりと確認できる明るさになった。
上の写真と同じ露出で撮影。画面に端に入れた木々は周囲の街灯の影響が出ている。また上空にうっすらと雲が出ているため空がやや明るく写った。カメラを向けた方角は南側の空。
画面には写っていないが、半月よりもやや大きな月が画面左下に出ていたので、画面の空の明るさにムラができてしまった。月が明るさが影響し、天の川がハッキリと写らなかった。

 そんなに大きな写真ではないとパッと見、天体は止まっているようにも見えますが、拡大してみると実は露光時間が30秒でも、天体が画面上でほんのちょっとだけ動いていることがわかります。

 この動きをもう少し抑えるには、より広い画角で撮ることです。画角が狭いほど星の流れは大きくなりますが、画角が広くなるほど(星の写る大きさは小さくなりますが)目立たなくできます。標準ズームレンズより、超広角ズームレンズの方が使いやすい理由です。


露光時間を同じにしたまま、焦点距離を変えて撮影。55mm 35mm
24mm 18mm

 星の軌跡のブレを抑える他の方法としては、撮影するレンズの開放絞りが明るいレンズでより絞りを開け、さらに高感度にして露光時間を切りつめなければ撮ることはできません。


明るさが同じになるようにしつつ。感度を変えて撮影。ISO200 ISO400
ISO800 ISO1600
ISO3200 ISO6400

 また、他にもカメラを向ける方角でも星の軌跡の長さは変わってきます。簡単にいうと北の空なら動きが少なく、逆に北極星から遠ざかるにつれて大きな弧を描きます。天体は北極星を中心にして回っているためです。そのため露光時間でも北とは反対側の南の空が弧を描く軌跡が一番長くなるというわけです。


ソフトフィルターでファンタジックに撮る

 星空を止めて撮ると夜空に星の点光源だけが写りますが、広角側で撮ると星は小さく写ってしまい、キレイではありますが何となくボリューム感が欠けて見えてしまいます。

 そんなときは、レンズにソフトフィルターを付けて撮影すると星の周囲がふんわりとにじみ、フィルターがない状態よりも星が大きく写るので星の光のボリューム感が増します。さらにファンタジックな印象にもなります。


今回の撮影ではマルミのシルキーソフトAを使って撮影した。Aより効果が強いシルキーソフトBもある。


ソフトフィルター使用
ソフトフィルター未使用

 撮影時の注意点としては、まずビントがしっかり合っていることが重要です。ピンボケとソフトフィルターの効果は違いますので、しっかりピントを合わせてからソフトフィルターを使用するようにしましょう。


運が良ければ流星も

 8月お盆の頃は三大流星群といわれるペルセウス座流星群や、その前後の期間にもやぎ座α(アルファ)流星群、はくちょう座κ(カッパ)流星群と、夏休み期間中は流星観測をするチャンスです。

 それぞれの流星群は出現する方角がありますが、いつ流れるか、カメラを向けている方角で流れるか、シャッターを開けているタイミングで流れるかなど、撮影できるかはかなりの偶然性を伴いますが、しかし運次第では流星が写っている可能性は大いにあります。

 あとから写真を見て流星とよく間違いやすいのは飛行機。上空には、意外に夜でも飛行機が飛んでいますので、飛行機の軌跡を流星と間違いやすいので注意しましょう。

 撮影方法としては、星を軌跡として撮影する長時間露光では流星か飛行機か判断しにくい場合があるので露光時間30秒に設定し、カメラを連写機能に設定し、レリーズのバルブ撮影時と同様にスイッチを押したまま、とにかくたくさんシャッターを切ること以外にありません。

 30秒程度の露光時間で連写しておくと、画像に大きく流れている軌跡が写っていた場合、前後カットにもその軌跡が写っていれば飛行機とわかります。

 流星と飛行機が同じ画面に写っている写真で解説すると、中央上部の軌跡が流星、中央部やや右側下部の軌跡は飛行機です。飛行機は前後カットにも進行方向上で動いているのが写っていることで確認できました。

 またそれぞれの軌跡を拡大してみると流星は前後の先が細く色が青白い感じですが、飛行機は同じ太さの軌跡で一定間隔の点滅も確認できます。

上の写真から拡大して表示。これは流星 こちらは飛行機

 写真に写る流星の色については、それぞれに違いがありますが、前後カットがあれば流星か飛行機か違いを判断しやすくなります。


撮影時の注意点

 暗闇ではカメラの操作部などが見えず操作しにくいことや落としてしまったり、三脚にぶつかってしまったりする危険性もあります。不慣れならなおさらのこと、時間と気持ちに余裕を持ってイライラせずに撮影しましょう。

 また、山間部なのどは夜から朝にかけて夏でも冷え込み、夜露などでレンズが曇ることがありますので、レンズの曇りやカメラの設定などをこまめに確認するようにしましょう。


夜露などでレンズが曇ってしまうと、画像の全体や部分的に不鮮明ににじんで写ってしまうので、こまめに確認しながら撮影しよう。

 星空だけをきれいに写すには、街の灯りや月の明るさの影響が無い部分を撮ります。近くに街の夜景や月の光あると、写真に写る夜空に光のムラが写ってしまうので注意しよう。

画面左上は月、画面右下は夜景の灯りによる影響で、ムラになってしまった。

 画面の端に周囲の山や木々などを入れて撮るのも、風景として思い出に残る星空になるのでオススメです。

 その際、画面に周囲の風景を入れずに星座だけをただ見上げて写す場合は、カメラの水平や垂直はあまり気になりませんが、周囲に風景を入れて撮影する場合はカメラの水平を出してから撮影するようにします。

 最近ではカメラ内に電子水準器が装備されているカメラもありますし、今回使用したベルボンのジオ・カルマーニュN635Mのように雲台に水準器が装備されている三脚もあります。そのような機能を使うとよいでしょう。


手前の木々の向こう側に、遠く水平線が写っている。画面の周囲に風景を入れて撮るとカメラの傾きが気になるので、カメラの水平を出してから撮影しよう。

 高台から遠くに見える夜景と星座を一緒に撮る場合は、夜景と星空の明るさの差があり、また夜空も明るいので露光時間に注意して撮影します。

 写真が横位置なら広がりを表現できますが、縦位置にすると高さを表現することができます。

山の高台から遠くの街の夜景と星空を一緒に撮影した。カメラを縦位置にして星空の高さを表現することができた。

RAW現像

 JPEGだけでなく、RAWデータで撮影しておくと、写真の明るさやホワイトバランスを調整したり、またノイズリダクションを後から施すことができるので、思い描いたイメージに近づけやすくなります。

空がうっすらと曇っていて、画面中央右側に遠くの街の灯りが影響したことと、月が出ていたたことが重なり、露光時間10分で夜空がかなり明るく写ってしまった。
RAW現像で露出補正を-0.5で全体を暗くし、ホワイトバランスを4500Kにして全体的に青っぽくすることで夜の雰囲気で仕上げた。同時にコントラストと画像のノイズリダクション処理を行なった(SILKYPIX Developer Studio Pro 5を使用)

ISO1600、絞りF3.5、露光時間30秒で撮影したら暗く写ってしまった
RAW現像で露出補正を+0.7で明るく調整し、ホワイトバランスを4,000Kで夜空の青っぽさを再現した。さらにコントラスト、発色、ノイズ低減などの処理も行なった(SILKYPIX Developer Studio Pro 5を使用)

 以上、撮影のポイントをかいつまんで説明しました。

 この夏、お子様と旅行に出た際、満天の星空に恵まれるようなことがありましたら、一緒に夜空を見上げてください。感動することまちがいないです。そしてそのときの空をデジタルカメラで撮影しておけば、大切な思い出となります。デジタルカメラをお持ちなら、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

(協力:ベルボン株式会社)





(にしむら はるひこ)1969年秋田県由利本荘市出身。日本写真芸術専門学校卒業後、朝日新聞社出版写真部委託カメラマンを経てフリーに。雑誌・出版系や広告、WEBなど各メディアで活動中。カメラ雑誌などでは撮影テクニック解説なども手掛ける。写真にならないモノでも写真にする意気込みで写真職人を目指し、プロフェッショナルとして日々精進している。ブログ:http://n-haruhiko.sblo.jp/

2012/7/23 12:33