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ミラーレスAPS-C機「サムスンNX10」を購入してみた

Reported by 本誌:折本幸治

SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OISを装着したNX10

 エプソンR-D1xを除くと、APS-Cサイズ相当の撮像素子を搭載したレンズ交換式の現行製品で、唯一のミラーレス機がサムスンのNX10だ。2009年2月のPMAでモックアップを披露(当時の名称はNX)、その後2010年1月のInternational CESで発売を正式に発表。1月時点では「海外で3月に発売」というスケジュールが伝えられていた。

 しかし1月23日、サムスンはNX10を韓国でのみ先行して販売。日本での発売は相変わらず未定とのことで、それならばと、さっそくソウルで実機を入手してみた。ここでは速報として、実機を使ってみての簡単なレポートをお届けしたい。後日、写真家によるレポートも予定している。またNX10についての詳細な試用は、以前公開した「サムスン、APS-Cセンサーのミラーレス機NX10を展示」を参照していただきたい。

 購入したのはNX10本体と、交換レンズ3本。交換レンズは、パンケーキスタイルのSAMSUNG LENS 30mm F2、標準ズームレンズのSAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OIS、望遠ズームレンズのSAMSUNG ZOOM LENS 50-200mm F4-5.6 ED OISだ。現在買える対応レンズのすべてになる。

 買った場所は、ソウル市内の電気店が集まるヨンサンという街。個人店が集まるビルがいくつかあり、そのうちの1件で2月12日に購入した。価格は全部合わせて155万ウォン。さらにクレジットカード使用で約10%がチャージされ166万1,000ウォンに。1ウォン0.07円(執筆時の為替レートの例)で計算すると、約11万6,270円になる。

 ちなみに化粧箱には、サンディスクブランドのSDメモリーカード(2GB)が付属していた。充電器のコネクタ部は日本で使えないCタイプ。また、HDMIケーブルはもちろん、AVケーブルも付属していなかったのは意外だ。韓国で購入したため、説明書はハングル表記のみなのは予想の範囲内。

NX10ボディ 左から18-55mm F3.5-5.6 OIS、30mm F2、50-200mm F4-5.6 ED OIS
標準ズームレンズキットの化粧箱。なぜか購入時、すでにくたびれていた 内容物の一部。取扱説明書の表記はハングルのみだった

圧倒的に薄いボディ

 NX10を見てまず驚くのは、レンズ交換式カメラにしては、極端に奥行きが薄く感じるボディだろう。エプロン部の突出具合も少なく、見慣れた一眼レフスタイルのボディとは、かなり異なる印象を受ける。マイクロフォーサーズ機のLUMIX DMC-G1を最初に見たときの衝撃にも近いが、曲面を多用しているNX10の方が、さらに最薄部のインパクトが強い。また、ボディ表面は樹脂製だが、厚みを感じるがっしりした材質感だ。表面のざらつきもはっきりしており、実際に触ると予想以上の高級感が感じられた。

 パームグリップ部は、オリンパスのE-410やE-420を思わせる控えめなデザイン。ただしボディそのものがつまめるような薄さであるためか、意外にひっかかりがあり、手の中での収まりも良い。ラバーの吸い付きも良く、現時点で最も大きなレンズである50-200mm F4-5.6を装着した状態でも、不安定には感じなかった。


 背面の3型有機ELも特筆すべき装備だ。ペンタイル(Pen tile)方式61万4,000ドットの高精細を活かした滑らかなフォントや、グラデーション付きの各種表示が美しい。国内メーカーでいえば、α550に近いクオリティといえる。EVFも高精細。DMC-GH1ほどではないが、見た目の解像度や、表示品位の高さは十分だ。※2010年2月18日:EVFについて「DMC-GH1より上」との表現がありましたが、正しくはDMC-GH1の方が高性能なEVFを搭載しており、使用感もDMC-GH1の方が上です。また、AMOLEDのドット数を92万ドットとしていましたが、正しくは61万4,000ドットです。お詫びして訂正します。

特徴的な薄いグリップ。強く握ってもしっかりしている
手に持った状態。小指は少し余るものの、収まりが悪いというほどではない
有効1,460万画素のCMOSセンサーや、AMOLED(アクティブマトリクス有機EL)モニターを装備。どちらもサムスン製を謳う
SDHCメモリーカードスロット 上からDC IN、HDMI、リモコン、AV OUTの各端子
ポップアップストロボ。ガイドナンバーは11
シャッターボタン中央の凹みがクラシカルな雰囲気。ケーブルレリーズを取付けることはできない MENUボタンは左手側にある。視度補正ネジはクリック感がないタイプ
充電器と充電池 充電器と電源ケーブル
付属していたサンディスクのSDメモリーカード
モードダイヤルの「SMART」は、いわゆるシーン認識モード。自動的にシーンモードを選んでくれる プログラムモードでの表示例
ライブビュー機らしく、AFエリアを自由に動かせる MF時はフォーカスリングを回すと自動的に拡大。ただし中央部のみ
Fnボタンを押すと、7種類の機能へのショートカットが現れる さらに各機能はコマンドダイヤルでパラメーターを操作可能
顔認識能も装備 ホワイトバランス
ドライブ シーンモード
動画記録中の画面例
撮影メニュー1 高感度ノイズリダクションも備える
光学プレビューボタンを装備。ワンタッチWBにも設定できる 言語設定。日本語は見あたらなかった

十分に速いAF。軽快さが気持ち良いミラーレス機

 30mm F2や18-55mm F3.5-5.6をつけた状態でのAF速度は、DMC-GH1+LUMIX G VARIO 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.より同等、もしくは若干遅い程度か。いずれにしても、コントラストAFと考えると十分実用的な速度だろう。とはいうものの、現行のマイクロフォーサーズ機と同様、動きものに強いとはいえないレベルだ。

 インターフェイスで特徴的なのは、右手上部の特等席に設けられたグリーンボタンだ。露出補正、AFターゲットの位置、ホワイトバランス微調整など、様々なパラメーターをボタンひとつで初期値に戻すボタンになる。特にAFターゲットの位置を動かした後、一発で中央に戻せるのはとても便利。もっともパナソニックのDMC-GH1/G1も、十字ボタンと底面の間に配置された消去ボタンで中央に戻せる。しかし、シャッターボタンのすぐ横に置いたサムスンの考えは興味深い。

 使っていて強く違和感を覚えたのが、シャッターボタンのフィーリング。一般的にデジタル一眼レフカメラのエントリー〜ミドルクラスだと、途中に1回抵抗があり、「半押し」→「全押し」の2段階の感触が得られる。しかし購入したNX10は、半押しの前に弱い抵抗が1回ある。つまり「プレ半押し」→「半押し」→「全押し」といったフィーリングなのだ。1回目の抵抗はごく弱いものとはいえ、慣れるまで少し時間がかかってしまった。こうした感覚には個人差もあるだろうし、半押し時に少し強く押せば良いわけで、慣れれば実用上問題ないはずだ。

 今回はわずか1日間の試用なので、詳細な使用感や画質については言及を避けたい。ただしスナップ的な撮影なら、大きさやレスポンスなど、普段使っているDMC-GH1とほぼ同等の感覚で使えたのは確か。DMC-GF1やE-P2ほどのコンパクトさはないものの、エントリークラスのデジタル一眼レフカメラと異なる、独特な軽快感が得られる。

 個人的に魅力的を覚えたNX10だが、日本国内での保証が受けられない点や、新レンズや新アクセサリーが出た場合にどう調達するかなど、悩ましい部分もいくつかある。現時点での交換レンズの少なさや、その将来性についても不安を感じるところだろう。なお後日、写真家による詳細なレポートを掲載する予定だ。


パナソニックLUMIX DMC-GF1との比較


パナソニックLUMIX DMC-GH1との比較


オリンパス・ペンライトE-PL1との比較


オリンパスE-410との比較


SAMSUNG LENS 30mm F2


SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OIS

パナソニックのLUMIX G VARIO 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.と比較

SAMSUNG ZOOM LENS 50-200mm F4-5.6 ED OIS

このレンズのみ、リアキャップとは別にスタンドと思われる製品が付属していた
ポーチも付属

実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
NX10 / SAMSUNG LENS 30mm F2 / 約3.6MB / 4,592×3,056 / 1/80秒 / F2.4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm NX10 / SAMSUNG LENS 30mm F2 / 約5.3MB / 3,056×4,592 / 1/125秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm
NX10 / SAMSUNG LENS 30mm F2 / 約3.6MB / 4,592×3,056 / 1/60秒 / F2.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm NX10 / SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OIS / 約4.8MB / 4,592×3,056 / 1/250秒 / F9 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 19mm
NX10 / SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OIS / 約5.0MB / 4,592×3,056 / 1/180秒 / F9.5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 27mm NX10 / SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OIS / 約6.0MB / 3,056×4,592 / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 27mm
NX10 / SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OIS / 約6.1MB / 3,056×4,592 / 1/250秒 / F9.5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 19mm NX10 / SAMSUNG ZOOM LENS 18-55mm F3.5-5.6 OIS / 約4.8MB / 4,592×3,056 / 1/800秒 / F5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 18mm




本誌:折本幸治

2010/2/18 00:00