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FUJIFILM X-T2

より頼もしく仕上がった高速ミラーレス

富士フイルムが9月に発売するミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T2」の外観写真をお届けする。まだ操作画面などを紹介できない段階の試作機である点をお含みいただきたい。

X-T2は、レンズ交換式のXシリーズカメラにおいて「FUJIFILM X-Pro2」と並ぶ"ダブルフラッグシップ"の一翼を担うモデル。レンジファインダーカメラ風スタイルのX-Pro2に対し、ファインダーが中央に位置する一眼レフカメラ風スタイルでの使い分けが想定されている。

ボディを手にすると、X-T1に比べるとわずかに厚さや重量は増しているが、依然としてミラーレスカメラのサイズ的優位性を強く感じる仕上がり。発表会で実機を手にした際には、本体とともにグリップが厚くなったことで、望遠ズームレンズ装着時の取り回しがよくなっているように感じられた。

左からX-T2、X-T1

細部の操作性改良も、X-T1への要望と、X-Pro2で好評という点を取り入れている。シャッター速度ダイヤルのロック機構はプッシュ/プッシュ式に改められ、感度ダイヤルは操作性向上のために高さを増した。露出補正ダイヤルはCポジションを新設し、範囲は±5EV。好みで電子ダイヤルと併用/使い分けられる。

シャッターボタンの押し心地は、全押しにクリック感がある従来通りのもの。X-T2ではケーブルレリーズ用のネジが切られており、防塵防滴との両立には工夫が必要だったという

背面のジョイスティックはAFエリアを操作するためのもので、X-Pro2から継承。十字キーもクリック感を改善したという。記録メディアスロットはUHS-II対応のSDデュアルになった。

左がX-T2

画期的なのは、背面モニターを横方向に開ける3方向チルト機構の搭載。厚ぼったくならずスマートに組み込まれている。ここに新機構があるとは、言われなければ気付かないレベルかもしれない。

別売の「縦位置パワーブースターグリップ」を取り付けると、ホールディングやバッテリー寿命(カメラに1個+グリップに2個で計3個を搭載)だけでなく、各種撮影レスポンスも向上するのが興味深い。

銀塩一眼レフのモータードライブを扱っているような気分になる

カメラの詳細はまだ試せていないが、興味深かった点にオートパワーオフ設定「15秒」の新設があった。一般的には短くても1分程度のところ、X-T2はスリープ復帰の速さを前提に、細かくカメラを休ませる設定を設けた。

例えば15秒が経過してオートパワーオフになると、カメラを首から提げていてもEVFのアイセンサーが反応せず、背面モニターも消灯するため、バッテリー温存に役立つという。この設定は、X-Pro2にも今後のファームウェアアップデートで追加予定としている。

こうした細かな改良の積み重ねと、公式発表で大きく謳われている連写性能や動体追従性の向上で、いまだ"一眼レフ優勢"と言われるスピード性能がどれほどのものになったか期待が高まる。本誌では後日、実写を交えた製品レビューをお届けする予定だ。

本誌:鈴木誠