パナソニック「ビエラ・ワンセグSV-ME700」

~デジタルフォトフレームとしても使える5型ポータブルテレビ

 今やデジタル家電の一ジャンルとして定着した感があるデジタルフォトフレーム。この1年で多様化も進み、無線LANへの対応や、PCのサブディスプレイとして使用できる製品なども登場している。このコーナーでは、デジカメWatchがピックアップしたデジタルフォトフレームについて、特徴的な機能や使用感を紹介する。

ビエラ・ワンセグSV-ME700

 パナソニックの「ビエラ・ワンセグSV-ME700」は、デジタルフォトフレームとしても使用できるワンセグ専用テレビだ。浴室での視聴を意識した防水機能を特徴としている。実勢価格は3万4,800円。

 「ビエラ・ワンセグ」という名前が示す通り、メインの機能はポータブル・テレビとしての用途を想定したものだが、本コーナーではデジタルフォトフレームとしての側面を見ていきたいと思う。


 特徴的なのは、据え置き型のデジタルフォトフレームと比べてフラットなデザインだろう。一般的なデジタルフォトフレームは表示面を広く取り、背後に操作キーやメモリーカードスロットを備えたユニットがついた四角錐のような形状が多い。この点、SV-ME700では背面が出っ張らない形状をしている。これは持ち運びを重視したSV-ME700らしい要素といえる。本体サイズは166×19.8×91.5mm(幅×奥行き×高さ)。スタンドは、背面に収納されているツメのような形状をした部品を手前に起こすことで使用できる。対応メディアはSDHC/SDメモリーカード。

 また、メニューや十字キーなどの操作ボタンの配置から、どことなくデジタルカメラの背面操作部を思わせる表示面も印象的。ボタンは大きく、操作のレスポンスも軽快。この点も、濡れた手で持って操作するという前提に立ったデザインなのだと感じた。ちなみにリモコンは存在しない。画面サイズは携帯ゲーム機のPSP(4.3型)やニンテンドーDSi LL(4.2型)などよりも一回り大きい5型。アスペクト比は16:9。

操作部上面には電源ボタンとボリューム調節ボタンを備える

 浴室などでの使用も訴求している通り、メモリーカードスロットや外部出力端子部にはゴムパッキンを備え、水や湿気が入り込みにくい構造になっている。防水性能はIPX6/IPX7相当。端子部などが露出していない限り、短時間なら水没しても大丈夫なようだが、水中での操作や温水・石鹸水などの防水には非対応とのことだ。

 一般的なデジタルフォトフレームは常時ACアダプターを使用するタイプがほとんどだが、SV-ME700の場合はバッテリー式。これも、浴室や外出先での使用を想定しているためだろう。

メモリーカードスロットとUSB端子。給電もここで行なうメモリーカードスロットは、不用意に開かないようにロックできる。右上に見えるのはホールドレバー
外部アンテナ端子(上)とヘッドホン端子(下)スタンドは収納式

 表示画質は彩度とコントラストが強く出る印象。480×272ピクセルという解像度ゆえか、微妙なディティールの表現は苦手なようだが、近い色の部分が潰れるということもなく、階調性はよく再現されている。

 メインメニューは青と黄色を基調としたコントラストの強いカラーリングでまとめられており、文字も大きく、視認性にすぐれる。メニューの階層はそれほど深くなく、明るさや画質設定の項目では、写真を表示しながら設定できるなどの配慮もなされている。画面の回転表示は手動。

 AAC、MP3、WMA形式といった音声ファイルの再生にも対応するが、「SD Audio」対応機器などにより変換されたものに限り再生可能となっている。

 このほか、アラームやオフタイマーなどの機能も装備している。

スライドショー表示のほか、ワンセグ視聴や音楽再生が可能スライドショーメニュー
1枚表示をしているところ。日付や図などの情報は放っておけば数秒で消える表示画像データの選択画面
日付から写真を探すこともできる特定の写真を「お気に入り」に設定すると、設定した写真が専用フォルダに振り分けられる
「お気に入り」に設定する画像を選択しているところ。1つのフォルダにつき999枚まで設定できるお気に入りフォルダは最大3つまで設定可能
スライドショー再生設定スライドショーのメニューには、BGMに流す音楽の音質設定も含まれる
画質設定では画質モードとして、「標準」のほか目に優しい「ソフト」と、メリハリのある「ダイナミック」(デフォルト)を設定できるアラーム設定
ワンセグ視聴モードの番組表テレビの視聴設定

 冒頭でも述べた通り、ポータブル・テレビとしての機能をメインとしたSV-ME700は、このクラスの画面サイズを持つデジタルフォトフレームとして見た場合、「水場でも使える」、「ワンセグ視聴ができる」、「フラットな形状を有する」という点で、大変ユニークな特徴を持っている。

 高機能な分、価格はそれなりに高くつくが、筆者の知る限り、浴室など水場での使用が単体で可能なデジタルフォトフレームは「ビエラ・ワンセグ」の防水モデルだけなので、価格に見合う必要性を感じるなら導入してみてもいいだろう。

 なお上位機種では、ワンセグ録画やラジオの聴取にも対応しているほか、防水非対応モデルの「SV-MC55」では、2枚の記録メディア間でデータ交換を行なえる機能も備える。



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2009/11/2 11:20